2018/12/1(土) 天気:曇り時々雪
メンバー:szt(単独)
装備:冬装具一式
7:00基点P→7:16大谷原P→8:24西俣出合→11:10高千穂平→13:55 2278m付近?→15:05高千穂平→16:43西俣出合→18:00頃基点P
去年のシーズンは結局ほとんど冬山に入らなかった.今年はもう少し雪に氷に戯れたいと思っている.思っているならどんどん行かねばならぬところ.そこで今シーズンの冬初陣はちょっと背伸びして北アルプス.結果は,背伸びしすぎて芳しくないものに..今回の山行報告,力及ばずの敗退記となっております...
出発は前夜19時過ぎにつくばを出発.前々日木曜日のロープワーク練習は疲れなかったものの,残念ながらその夜はイマイチの眠り.そのうえ金曜日の朝に荷物をまとめ,当然のことながら金曜日はお仕事.どうやらこれで疲れが抜けきらなかったらしく道中やたらと眠気が襲ってくる.今回の山行が単独ということもあり高速代はもちろんケチりたい.すると当然下道の割合が多くなるのだが,高速に乗る前の道の駅おかべで早くも仮眠タイム.その後も高速のSAでもう一度仮眠タイム.なんとか1日未明に現地に到着すると,大谷原登山口へは冬期通行止めとなっており,そこからほど近い駐車場に車を停めてもう一度仮眠をとる.
[① 寝不足などによる体調不良]
うつらうつら窓の外を眺めると,雨.寝不足と運転の疲れもあり全くテンションが上がらない.「今日はやる気しね~」と思っていると,6時過ぎに車が止まる物音が..「せっかくここまで来たし準備するか~」とノロノロとようやく準備に取り掛かる.後から車で来たパーティは3人組.その3人パーティから遅れること15分程?の7:00に駐車場から歩き始める.
大きな駐車場に車を停める.ここはスキー場の駐車場?
15分程歩き,大谷原登山口に到着.全く雪はない.下山時にここまで車が1台入っていた.しばらくそれが可能な雰囲気だ.
雪ないっすね~
朝にちらついていた雨は落ち着いているが,山の上部はガスの中.風が強いという予報もあり,天気は悪そう.翌日は晴れの予報で回復傾向なので黙々と林道を進む.
上は天気悪そーです.
林道にも雪は全くございません.
8:30頃,西俣出合に到着.
[② 必要以上に重い荷物]
上がどんな感じかわからず,「歩荷訓練もしてしまえ~」と水を3L程汲む.ちなみにここは堰堤の下部がトンネル状になっており,渡渉の必要はない.行きではそれを全く知らず,石を飛んでつないで沢を超す.
西俣出合の堰堤.
登山道を忠実にたどると,トンネル状になっていてここを通れます.
西俣出合を過ぎるとひたすら登る.雪がちらほら見え始め,ようやく冬山の雰囲気になってくる.それでもおそらく雪の量は少ないのだろう.高千穂平までの途中多いところで足首が潜るくらい.
道標がありホッとする.
所々,こんな階段がいくつかありました.
ここまでくると冬山に来ている雰囲気に.
ここら辺で足首くらい?北アルプスはサラサラで潜る雪なのだね.
どんどん登り,高千穂平に到着.この時点で11時過ぎ.ここまでは雪が少ないこともありまずまずのペースか?
[③ 風と陽射しのない環境で体が冷える]
それでも荷物は重く,汗をいっぱいかきいつもに比べ体調は良いとは言えない.そしてこのあたりから樹林はまばらになりところによっては風が強まる.一応天気予報では明日以降は回復傾向.しかし初日は風が続きそうな予報.立ち止まると体が少し冷えてくる.
また気が疎らになってきたこともあって,多いところでは雪は膝辺りまで.サラサラ雪のためすっぽり潜ってしまう雪質も,歩いていくには消耗する.
高千穂平周辺の雪はそこそこあったかな?この日は風が強くテントを張る気がしない.
高千穂平を過ぎると樹林帯は疎らに.風が吹きつけて寒くなってきます.
何かが巻いてある木の向こうにも一張り分のスペースあり.ここもちょっと風が強そう.
ご覧の通りガスに包まれ展望は無し.
高千穂平から2~3時間で稜線に出られるかと踏んでいたが,途中ピッケルを出したり,雪に潜って足を取られたり,アイゼンを出したり,ルートがイマイチわからず脆い尾根上をトラバースしたりと予想以上に時間がかかる.
高度計で2,300m付近まで来ると少し天気が落ち着いて視界が効くようになり,ようやく稜線と思われるところまで見通せるようになる.残り標高150m,そして時間は14時..鹿島槍に初めて来ることもあってルートはさっぱりわからない.ここまで来たら上まで抜けて小屋に行く以外選択肢はなし...①~③が原因か,この日はやけに息苦しくなんだか頭も痛くなってきた.「16時までに稜線へ抜けられるかな~,,,帰るか..」
今回は最悪冷池の冬期小屋まで行きたいと思っていたが,なんだか嫌な感じがするので結構あっさり帰ることを決断する.途中にテントを張って翌日稜線までのルートを偵察するということができなくもないが,今朝起きた時の体の感じと気持ちのノリを思い出し,ここで無理をしても得るものの方が少なそうと判断して駐車場まで引き返すことにする.
当日の最高到達点より.もう少しで稜線なんですが仕方ありませんね~
印はあるもののここからのルート取りがイマイチわからず.脆く足場もなくで通過になかなか緊張した.
引き返すとなっても最高到達点付近のルート取りがイマイチわからず,来た道を戻るものの気を抜くとなかなかの高度を滑落する感じになる.この日はメットも被っていないので慎重に移動.ラッセルしたところはほとんど雪で埋まっているため,道を間違えないように下ってゆく.
下るとなると今までの息苦しさが嘘みたいになくなってしまう.「あんなに苦しかったのは北岳以来かな~?,でもあんな風に頭痛くならなかったよな~」とここまでを振り返り敗退の原因をあれこれ考え,①~③を導き出す.そしてもう一つのことが頭に浮かぶ.
[④加齢による機能の衰え]
冬山にもう少し多く挑戦していたころは,移動も含め今より日程に余裕があったのは事実.しかしあれから3年近く経っている.仮に同じような準備をしたとしても確実に体は衰えているのだ.「体を鍛えることも含め正しい準備をせず,雑な準備ではその不足を補えない年齢になっているのだなぁ」と思いつつ登山道を下ってゆく.
下山のタイミングでは少しずつ天気が少しずつ回復?
あれが鹿島槍の東尾根?正直よくわからない.
堰堤のトンネルの中から.外がのぞけるようになっています.
今シーズン最初の雪山山行は残念ながら敗退となった.敗退することには必ず原因がある.このルートで次の機会があるのかはわからないが,もしもあるのならこの経験を生かして次はうまくクリアしたいものだ.これから始まる冬の時期の山行に向けて,問題点が明らかになったよい経験だったと思えるように,修正していきたいものですなぁ...
szt