2020/10/31 奥秩父・西のナメ沢
沢納に、秋彩の東沢。
選択は間違いなく、正しい。
事実、ゆらゆらとした流れに秋の彩りは美麗であった。
ただ一つを除いては-----。
早朝。まだ暗い、西沢渓谷駐車場。
endさんとヘッドランプを灯して笛吹川東沢を目指す。
アプロ-チは快適な平坦路で近況など話しながら行けば、あっという間だ。
西沢を分かち、鶏冠谷出合で渡渉。
東沢左岸の踏み後を丹念に拾って行くと次第に沢と交わるようになる。
東沢はナメが発達し、沢登の魅力にあふれている。
ゆらゆらとした流れ。
紅葉を愛でながらスラブ状の沢べりを行く。
もう、それだけで癒されるというものだ。
東のナメ沢は、どスラブのナメ床が4段300m。
圧巻だ。
そして、西のナメ沢出合で小休止。
本日の選択は西のナメ沢。
東沢から西のナメ沢を遡り、西沢へと下る。
笛吹川流域の秋を堪能し尽くす贅沢な計画。
~耳を傾けてごらん~
ナメ滝をサラサラと流れる、その水音に。
漣が繰り返し、繰り返し奏でるんだよ。
忙しい君に、心落ち着くその揺らぎを贈るよ。
~見上げてごらん~
淡水色の秋空を。
秋風に紅葉が舞い、やがてナメに流されていく。
心深き君に、己を顧みるその様を贈るよ。
~想像してごらん~
そのナメ滝を登る姿を。
漣を遡り、時として水濡れた落葉を踏む。
他でもない僕に、贈るよ。
~試してごらん~
アクアステルスのソ-ルを。
西のナメ沢では、滑って滑って登れないよ。
まさかの「ナメ滝全部巻き」を贈るよ。
次第に、苔むす流れになって癒されますが、依然ヌメヌメです。
「これじゃあ、ナメ滝ならぬ、ヌメ滝じゃん」などと、盛り上がりながら行くのも思い出深きものです。
尾根に上がって、石塔尾根を下る。
倒木の迷路を縫い尾根を外さないよう。
コロコロと下山しながら、思うことはただ一つ。
今日は滝を登った、そういう印象がない。
~思い出してごらん~
滝を登ったという記憶を。
季節の悪戯か。僕にその資質がなかったのか。
これからそこを目指すみんなに贈るよ。
と、いうことで。
ナメは、ほぼ巻きました。
(注)巻きも結構ハラハラします。
sak