クライミングロ-ド2020秋 ①
クライミングへの憧れは、いつ芽生えたのか。
そんなことも記憶の彼方に霞む。
歳月は、残酷だ。
眩しいくらいにクライミングを欲する新人に触れる度に感じる焦燥。
あと、10年若かったら。
などと思うのは、明らかに言い訳だ。
11月。
そんな言い訳に抗らおうと、クライミングで繋げる旅に出ようと考えた。
もちろん、新人たちに背中を押された形だ。
とはいえ、まとまった休みは取れないので、2×2=4日のクライミングロ-ド。
ル-トは「行ってみたいリスト」から手ごろなグレ-ドをチョイス。
そうと決まれば、心は踊る。
◆2020/11/4 金峰山川東股沢・野猿返し
最高です。
もう言うことありません。
花崗岩最高!
白樺林最高!
落葉松の黄葉最高!
思わず、叫びたくなる。
前夜、大弛峠下広場まで。
今年最初の寒気が入って、もはや秋とは言えない気温。
冬用シュラフを持ってこなかったことを後悔したけど、なんとか眠れた。
明け方miyさんと合流して東股の野猿返しへ。
道中の白樺林がなんとも美しい。
「キャンプ禁止」の看板が二つ続くところを過ぎたあたりで沢へ。
ジャンプして流れを渡り、ケルンに導かれる。
取り付きを探して少し彷徨したものの、特徴あるクラックが目印のスラブを見つけてクライムオン。
上部のハンガ-ボルトを目指し、右寄りのクラックをいくが、どうやら左寄りのほうが容易らしい。
初っ端から奮戦模様。
miyさんもハラハラしただろう。
あとは思い思いに岩稜(時にクライムダウン)を行く。
支点は立ち木とカム。
#0.4~#3を1セットで不足はない。
クライムダウンがあると、ロ-プが重くなる。
ピッチ切りはそれに応じて判断する。
突き出た岩稜帯は快適そのもの。
もちろん、この乾いた岩があってこそだろう。
ロケ-ションが実にいい。
落葉松林の彩りはもはや黄金色の草原。
伸びやかな山様に突き出した岩塔も美しい。
終了点直前で今辿ったル-ト全体が見通せる。
それを眺めながらの振り返り。
核心ピッチがどうだったとか、あの時どうしたとか、何処が面白かったとか。
miyさんは先月入会。
日和田山での練習を経て、初のマルチピッチ。
「楽しい」を連発。
sakだって同じだ。
「楽しい」どころか、最高だ。
終了点から懸垂下降。
踏み後を辿っての下山もわずか。
あとは川上村で風呂に入って、まったり。
ナナ-ズで好物の総菜を仕入れて車中宴会。
今日という日を労らい口にする、ビ-ルはやはり旨し。
聞けばmiyさんは野球をはじめ、バイクやパラグライダ-などかなり極めているみたい。
自分の知らない世界を垣間見るのはとても新鮮。
この調子でクライミングに本腰を入れたら、上達も早いことでしょう。
新しい仲間との出会いには様々な発見がある。
それもこれも岩のお陰だ。
クライミング最高!
ナナ-ズの総菜、最高!
プレモル(※プレミアムモルツの略)最高!
あれ?箸はどこだっけ?
夜間は-6℃。(マジで寒い)
それを補うに余りある、初日が暮れ行くのであった。
ちなみに我が愛車とは長い付き合い。
すでに走行距離は30万キロを超えた。
幾度、車中で夜を越したか。
寝袋に入ってリアウインドウから星空を見上げる。
山に入ることを実感する。
そうして、眠りにつくのだ。
さあ、明日は天狗山ダイレクト。
今夏に整備されたという三段岩壁。
はたして。
sak