きままな雑記帳

ごく普通のあんちゃんのきままに記す日常日誌

名作だなと思うマンガ作品は・・・『蒼天航路』と『センゴク』ですね

2017-03-06 14:30:26 | アニメ・コミック・ゲーム
私がこれまで読んだ漫画作品で、「これはいいな」と思った作品が2作品あります。
これが全部「歴史もの」。

まずは一つ目。
「蒼天航路」



お馴染み、三国志がテーマなんですけど、これまでの「蜀の劉備中心」の視点から史記に基づいた「魏の曹操中心」の視点です。
ここで描かれる曹操をはじめとする各英雄や群雄ってそれぞれが魅力的。
悪の代名詞のように三国志演義では描かれる董卓も、たしかにやってることは苛烈なんですけど董卓自身の「中華帝国」としてのビジョンなりあり方が感じられるように描かれてます。
その存在は「圧倒的」という言葉がよく似合う。

董卓さん


その悪役ぶりもむしろ爽快なくらいです。
最後は呂布に殺されるんですが、これまた豪快。
なにしろ、その段取りをした貂蝉が董卓の器の大きさを懐かしむくらいです。

そして呂布。

なんとも超人的なキャラクターですが、「純粋戦士」として描かれてます。
曹操からもその武力を愛されているように描かれてますが、最後にはその曹操によって殺されます。
ある意味、最大の呂布の理解者は劉備なのかもしれません。
劉備は呂布(じつは呂布の軍師・陳宮によって徐州を乗っ取られた)によって根拠地を奪われ、曹操へと身を寄せる羽目になり、最終的には呂布に投獄されてしまいます。
散々な目に遭わされる劉備一家ですが、どことなく当の劉備本人は呂布に対してそれほどの憎しみを感じていないように描かれてます。
劉備は呂布のその武力を自分の元で使いたいとも思ってますが、でも呂布は人に使われるようなタマじゃない。たぶん曹操にも使うことは難しいだろう・・・。
そう思った劉備は最後に泣きながら曹操に叫びます「曹操どん、呂布を・・・呂布を殺してくんなー!!!」
呂布シリーズの場面は物語の前半の盛り上がりの部分のようで、非常に力が入っている造りでした・

この作品、劉備はけして聖人君子ではなく、曹操もやたらと残虐な人物としては描かれてません。
そして、曹操も劉備もお互いをライバルではあるが互いを認めている仲でもあります。

曹操の現実的な組織作りや国家運営を劉備は全て反対しているわけでもありません。
むしろ、劉備の軍師・孔明は曹操のやり方に心酔してるくらい。
それでも、自分がトップになるってことで対立する(もっとも、それぞれの配下のことを考えたらやむを得ないかもしれません)。

かなり濃密な三国志物語です。

お次は日本の戦国時代「織田家」に仕えた仙石秀久が主人公の人生を描いた作品『センゴク』。

直接の上司にあたるのが木下藤吉郎(豊臣秀吉)です。

この作品も史実に基づいて、作者が丹念に調べている作品。
登場人物の呼び名も例えば「織田信長」なら「織田弾正忠信長」と官位名や仮名で呼びます。
なので、家康だと「徳川三河守」または「次郎三郎」、秀吉なら「藤吉郎」「筑前守」といった具合に。
この作品では、例えば気候変動(戦国時代は小氷河期だった)や経済(貨幣経済の拡大)なども取り上げて、各大名や国衆達、商人達の政策や軍事行動なども丁寧に物語に反映させてます。
なかなか教科書ではここまで教えてくれません。
当時の各大名家の組織や城の構えなども丁寧に描かれていて、攻略するにはどんな方法を採用したか・・・なども描かれてます。

あと、信長をめぐる各武将達の微妙な関係とか。

信長は単なる革命児、天才という描かれ方ではなく、その考え方に至るまでに周辺の人々(例えば今川義元の政策など)のやり方をじっくりと自分なりに研究して自分の家に当てはめていく。
そう考えていくと、自分達も似たことをやっていますよね。
社会人なら会社の先輩の仕事のやり方を見て、まずは憶えて、慣れてきたら自分なりに現場に合わせて改良していく。
秀吉もそんな信長を見ながら同じように考え、秀吉流のコミュニケーション術を使って、会議などのプレゼンを制して出世する。

こうやって見ていくと、現実の社会にも当てはめることが十分できます。
主人公の仙石さんはどちらかといえば「現場でたたき上げられた職人肌もしくは体育会系」の社員って感じ。
学問は苦手らしいのですが、勘はするどくフットワークも軽いので出世していきます。
それでも時に「陣を間違えて敵陣に行っちゃったり」、行き当たりばったりで兵糧を失ったりとやらかしますが、それをきっちりと挽回していきます。

この2作品を読んでると、仕事や人間関係などで悩んでいる時などにはよくヒントをもらってました。
失敗して落ち込んでも、ぼやきながらも「まだまだこれからだ」(蒼天航路・劉備)「どんなに失敗してもそれを越す挽回すりゃええんじゃ」(センゴク・仙石権兵衛)と心の中でつぶやきながら乗り越えてきたもんです。
人を使う立場になった時も「失敗を恐れない将が得難い人材」と考えるようにしてきました。

私にとっては名作といえる作品です。










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