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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ルターはやっぱり、「受苦的存在」

2015-11-28 09:46:32 | アイデンティティの根源

 

 

 
思い違いだらけ、ニッポン!
  「がんばれ、ニッポン」。東京オリンピック招致成功この方、また、耳にする機会が多くなった掛け声ですね。でもね、今日のは「思い違いだらけ、ニッポン」。ゴロが悪い。...
 

 ルターもひどいことに加担した形になったのにもかかわらず、受難者でした。

 Young Man Luther 『青年ルター』p.243の、4行目途中から。

 

 

 

 

 

ルターは、私家版の殉教を作り出しましたし、その殉教を承知していました。「ローマ教皇も、ローマ皇帝も、私をめげさせることなどできなかったからこそ、悪魔が必要だったのです。悪魔がいて、敵がいるからこそ、力は長続きするわけです」と。ルターは、このように、悪魔(「地獄の皇帝」と呼んだが)のことを、ルターの死刑執行人と呼びました。悪魔はますます人格化した存在となり、ルターは「キリストの素敵な知らせを伝えるもの」であり、「ドイツの預言者」であったのに、ルターを迫害する存在になりました。

 

 

 

 

 ルターは、当時「圧倒的存在」と思われていたローマ教皇と神聖ローマ帝国皇帝を向こうに回して戦ったところに、真骨頂があります。メゲナイ存在です。そうなるためには、殉教も覚悟する、「受苦的存在」であることが必要でした。

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大人の責任ある態度

2015-11-28 07:43:05 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
思い違いだらけ、ニッポン!
  「がんばれ、ニッポン」。東京オリンピック招致成功この方、また、耳にする機会が多くなった掛け声ですね。でもね、今日のは「思い違いだらけ、ニッポン」。ゴロが悪い。...
 

 

 いまを生きているようで、知らないうちに過去に自分が体験したことで、折り合いがついていない経験に、いつも戻ってしまってる、ということは、日常茶飯事であることの方が普通です。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の第4章、「自我と人品 : 結びの覚書」p95の、2行目途中から。

 

 

 

 

 

こういった関係で、面白いのは、すべて人間に大人の責任ある態度を求めることが、前世紀の人品の一部だったことです。このようにして、1844年の原稿で、カール・マルクスが主張したことは、あらゆる自然が新しくならなければならないように、人もまた、自分が新しくなっていく行為、すなわち、歴史を持たなくてはならない、ということでした(タッカー 1961)。なぜなら、「何かになる行為」に対して、マルクスはEntstehungsaktという言葉を用いています。その意味は、意識的に「新しい存在になること」、「立ち上がること」、「何かになること」を組合わせた意味になるからです。そこには、その種が成熟するというハッキリとした意味があります。

 

 

 

 

 エリクソンの主張もハッキリしています。大人になることは、新しい存在になること、立ち上がることであって、それは責任のある存在になることです。それは同時に、子どもたちが責任のある存在に立ちあがることを、身を挺してでも手助けすることです。

 ウソとゴマカシのない、責任のある態度こそ、大人の態度です。

 

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お喋りしなかったメーちゃんが、お喋りする幸せ

2015-11-28 02:20:06 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
頭と心は、良い対人関係の中で育つ
  エリクソンのエピジェネティックな見方は、インドの4住期の見方と重なるところがあるのは、人の人生の巡り合わせに共通点があるから。 p225第4パラグラフ。...
 

 

 中国から来た孤児のメーちゃんのおかけで、発達トラウマを抱えた愛着障害の子どものための感覚運動セラピーが始まったらしい。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.216の、第5パラグラフから。

 

 

 

 

 

 マサチューセッツ州ウォータータウンにある感覚統合クリニックは、素晴らしい室内の遊び場があって、そこには、ブランコもありますし、色とりどりのスーパーボール一杯の小型プールもありますから、身体を隠すことが出来るほどです。また、平均台もありますし、透明チューブで出来た地下室もあります。発泡マットに飛び込める高台に繋がっているハシゴもあったりします。スタッフはイン・メーちゃんをプラスティックのボールが入っている小型プールに入れました。メーちゃんの皮膚に刺激を感じてもらいたかったからです。6週間経ったころ、何かが変化しました。メーちゃんはおしゃべりをし出したんです。

 

 

 

 

 

 なぜ、メーちゃんはお喋りをし始めたのでしょうか?

 理由のいかんにかかわらず、メーちゃんも、メーちゃんの周りの大人も、嬉しかったでしょうね。

 

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