エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

キルケゴールよりも、ルターが上手

2015-11-21 08:06:59 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
「正しいこと」を押し付ける人
  内村鑑三の人と思想を紹介する鈴木範久先生の番組「道をひらく」の再放送が始まりましたね。先日第2回目があり、その(再)再放送が明後日22日のお昼過ぎにあります。...
 

 

 ルターは、仕返しをしたい底意地の悪い気持ちを克服できませんでした。

 Young Man Luther 『青年ルター』p.241の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 しかし、デンマークの哲学者が、ルターのお喋りをとやかく言うような、小さなことにこだわる譬えしかできないことに、ビックリポンでしょ。ルターは、自分が批判されたって、感じなかったでしょうね。ルターは、誇らしげに、ヴィッテンベルグでプゥーッとやれば、ローマまで臭うで、って呟くほどでした。

 

 

 

 

 たぶん、キルケゴールの方が、ルターよりも、頭が良かったでしょうね。ルターの状況を、キルケゴールは的確に捉えていたのですからね。でもね、人間としてのスケールは、キルケゴールよりも、ルターが上だったみたい。キルケゴールのルター批判は、ちょっと、見当違いでしょ。魂の命からルターがずれてるとこを批判すべきところを、おしゃべりを批判したんではね。

 

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「悪い見本市」化した ニッポン

2015-11-21 06:47:02 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
自由からの逃走
  個人は機械の部品よろしく、消耗品になっちゃっている、といいますね。 p79の第3パラグラフ。    ...
 

 

 ≪陽気で楽しいこと≫は子どもにとって、最も大事なこと。

 「正しいことを押し付ける」道徳主義は、この≪陽気で楽しいこと≫を破壊する、最も「ダメよダメダメ」なこと。

 今のたいていの学校が陥っているのか、この「ダメよダメダメ」な「正しいことを押し付ける」道徳主義。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の第4章、「自我と人品 : 結びの覚書」p93の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 お示ししてきましたように、思春期は、いろんな空想を整理整頓してくれる、新たな「正しいこと」を含んだ様々なイメージと、新たな世代のエネルギーに、知的にも情緒的にも心開かれる人生の舞台であると見なしています。歴史的な時間に依存しながら、思春期がこういった舞台であることは、既存の秩序に同調したり、抵抗したりしますし、将来の秩序を、より革新的な秩序か、より保守的な秩序であるか、に関わらず、約束しますから、自分を確かにできずに混乱することから、守ってくれることにもなります。

 

 

 

 

 思春期は、エリクソンによれば、「正しいこと」を含んだイメージを頼りに、様々な空想を整理してくれたり、将来どんな社会を作ることが良いのか? ということに対してもヴィジョンを手に入れる時期ですね。

 翻って、いまどきのニッポンを振り返ると、思春期の子どもたちに、このようなヴィジョンと「正しいこと」を示せていないことも分かりますね。示していることと言ったら、「ウソとゴマカシをやっても、自分が得すること」と、「自分が損しないように、物事はハッキリとは言わないこと」、「強い者は、弱い立場の人を、問答模様に、支配しても良い」ということでしょうね。およそ、子どもに見せてはいけないものばかり…

 

 

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私どもの立ち帰る所

2015-11-21 02:05:45 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
「正しいこと」を押し付ける人
  内村鑑三の人と思想を紹介する鈴木範久先生の番組「道をひらく」の再放送が始まりましたね。先日第2回目があり、その(再)再放送が明後日22日のお昼過ぎにあります。...
 

 

 良いセラピストは、クライアントと一緒に≪本当の自分≫を探してくれる人です。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.215の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私はまた、クライアントに尋ねます、「自分は赤ちゃんみたい、と想像してみて」ってね。あるいは、「自分がいかに魅力的で、勇気が漲ってるのか、想像してみて」ってね。するとすべての人が、自分が傷つけられる以前に、自分がどうだったかを思っていますし、自分はこんなだったはずだという大事なイメージを抱いてました。

 

 

 

 

 

 傷ついた人でも、まっさらの時の自分がいるんですね。ですから、傷付けられている自分を突き抜けて、まっさらな自分、≪本当の自分≫に立ち帰ることが、いつでも、何度でも、大事になりますね。

 

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信頼は、まだ、まだ、続きます

2015-11-21 00:02:38 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
消耗品となっちゃった個人
  個人はほとんど0になってる。でもね、完全に0になってる訳じゃぁない。 p79第2パラグラフ。    ...
 

 

 ジョン・カボット・ジンさん。大きな不幸を生き切ること』から。信頼が、まだ、まだ、続きます。

 

 

 

 

 

 誰か他の人になるなんで、出来ない話でしょ。自分自身のたった一つの願いって、真に≪本当の自分≫になることでしょ。ですから、瞑想するのって、そもそも、≪本当の自分≫になるためなんですね。いろんな教員、いろんな本、いろんなCD、いろんなアプリは、単なる道案内でしかなくて、道しるべだったり、提案だったり、をしてくれるだけですからね。いろんなソースから学んだことに、心開いて、受け止めるって、大事だけど、究極的には、一息一息、自分自身の人生を歩まなくっちゃいけません。マインドフルネスを実際にやる時には、≪本当の自分≫になるようにという応答をしている訳ですし、「自分自身を信頼してね」という囁きに耳を傾けている訳ですからね。自分自身を信頼する信頼を掘り下げて行けば行くほどに、他の人だって、その分、信頼できるようになりますし、他の人も、その分、いろいろあっても根は良い人だって、分かりますもんね。

 

 

 

 

 

 ここの、ジョン・カボット・ジンさんの話、エリック・エリクソンの根源的信頼感と、全く同じでしょ。

 

 

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