エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

堕落しちゃったルター

2015-11-15 11:05:28 | アイデンティティの根源

 

 

 
人を大事にする社会を作るには。
  矛盾の中にも一致点を見出すのは、黄金律の実践的特色を示していると思います。 p220下から6行目途中から。   ...
 

 

 

 ルターは、自己正当化のために、聖書を持ち出してしまいました。聖書に従うのではなくて、聖書をアビューズ、虐待、悪用する、危ない道に逸れちゃいました。でも、どうしてかなぁ?

 Young Man Luther 『青年ルター』p.240の、第2パラグラフのから。

 

 

 

 

 

 過敏なキルケゴール、もう1人の憂鬱なデンマーク人は、プロテスタントの王政の国で暮らさなくちゃぁなりませんでした。このプロテスタントの王国は、世界で一番小さくて、一番肥沃で、一番自然豊かで、一番自給自足が出来ている国の1つです。でもね、こういった幸せになることを強制されたところに潜在する、いつでも憂鬱な気分をなかなか表したりはしませんよね。哲学的に、キルケゴールは、ルターが失歳にやったことを再びやらなくてはなりませんでしたが、キルケゴールは、よく考えた末に、国も家族も持たない哲学者であり続けました。キルケゴールは、ルターについて、次のように書いています。「人生の中で2~3年、ルターは『地の塩』でしたが、その後は、『卓上語録』が示すように、退廃そのものでした…。」

 

 

 

 

 

 

 キルケゴールのルター評は厳しいですね。しかし、それは真実だったのでしょう。ルターはなぜ、こんなに堕落しちゃったのでしょうか?

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あなたの世界は、何色?

2015-11-15 09:01:34 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
菜根譚 根っこの話し
  菜根譚。私は知りませんでしたね。今月の「100分de名著」。取り上げられているのが、明時代(日本だと、戦国時代から江戸時代初期)に洪自誠(こう じせい)の手に...
 

 

 人は誰でも、心の底では、光を求めています。ですから、意識的にも、光に向かって、生きていないと、それは的外れということになります。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の第4章、「自我と人品 : 結びの覚書」p91の、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 私自身は、体系的ではない形でしか(1974; 1977)、このようなことについて、描くことが出来ていませんが、そこでは、アメリカ人の生き方の中で、成長に対する見方を描き出そうとしたんですね。でもね、私が確信していることは、クライアントを精神分析的に観察することを続けていれば、ひとりびとりが、世界に対するいろんな既存のイメージや、変わりつつあるイメージに、無意識のうちに、半ば気付かぬ内に、巻き込まれていることについて、本質的な洞察を得ることに役立つ、ということです。

 

 

 

 エリクソンが教えてくれているように、多くの場合、自分が世界に対してどのようなイメージを抱いているのかは、意識していません。世界に対するイメージは、無意識の深いところにあるからです。ですから、自分が抱く世界に対するイメージを知るためには、深い内省が必要です。

 ところが、忙しい毎日を過ごしていることが多い日本人が、最も苦手としていることが内省ですから、自分が世界に対してどんなイメージを抱いているのかも、知らないままに生きている場合が、ほとんどですね。

 

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現在戦争中 ニッポン

2015-11-15 03:33:45 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
人を大事にする社会を作るには。
  矛盾の中にも一致点を見出すのは、黄金律の実践的特色を示していると思います。 p220下から6行目途中から。   ...
 

 

 「日本は平和」と言われます。敗戦後70年の今年、「戦後70年、1度も戦争に加わったこともなければ、1人の戦死者も出していない」とテレビでも、新聞でも謳われましたね。でも、これに私は非常に違和感を覚えてきたんですね。

 例えば、日本人の自殺者です。2003年この方、毎年30,000人前後の人が自殺しています。これは、2001年からアメリカが行ってきたアフガニスタン戦争の戦死者が、この15年間で3,000人足らずであることを考える(http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nobu/iraq/casualty_A.htm)と、どちらが、アメリカと日本とではどちらが、戦争をしているのでしょうか? 日本の自殺者を2003年から2014年まで12年間累積すると、368,723人、アフガニスタン戦争でのアメリカ人戦死者の実に120倍以上です。日本は「平和」だといえるのでしょうか?むしろ、日本は現在戦争中です。

 孫引きで恐縮ですが、加藤周一さんの『私にとっての二十世紀』p.5に、カルル・クラウスの言葉が紹介されています。それ「戦争とはウソの体系である」という言葉です。今の日本がウソとゴマカシだらけであることは、多くの言葉を必要としませんね。アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちのことだけで、もう書ききれない程のウソとゴマカシがあるくらい。それに東電・東芝・東洋ゴム・三井不動産レジデンシャル・理化学研究所・日大法科大学院…、キリがない話になりましたよね。「戦争とはウソの体系である」とすれば、今の日本にこれだけウソとゴマカシだらけなのですから、すでに、日本は現在戦争中です。

 アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちの戦争法案。それは、すでに日本が現在戦争中ですから、それをあくまで法律の形にして見せた、と言うだけのことだとも言えるでしょう。逆に申し上げれば、アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちの戦争法案だけを反対したのでは、戦争を止めたことにも、全くならない、ということでしょう。

 私どもは、もちろん、アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちの戦争法案を廃止し、アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちを政権の座から引きずりおろさなくてはなりません。しかし、それだけでは全く不十分なことも明らかでしょう。自殺は貧困とうつ病や依存症と関係しますから、法定労働時間と正規職員の原則を法制化することです。それから、ウソとゴマカシを許す様々な法律(たとえば、「建築確認制度」)を廃止し、ウソとゴマカシを許さない制度に法律に改めること(たとえば、建築物は、建設中に常時監視する制度をつくること、など)が大事ですね。


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愛着障害のカウンセリングはこれだぁ! その3

2015-11-15 01:49:10 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
真実とは
   青年ルターの略歴と最深欲求  ベンジャミン・ザンダーのプレゼンテーション、貼り付けておきます。http:/...
 

 

 

 繰り返しで申し訳あれませんが、発達トラウマを抱えた愛着障害の子どもは、決して「怒らない」「良い良心」のセラピストが、1人、必要です。ですから、そのセラピストは、かなりの訓練を受けて、ヒュポメノーを地で行く人になっていなくてはならないでしょうね。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.214の最初から。

 

 

 

 

 

プロのセラピストを選ぶ

 

 心の傷の癒しをしてくれる、出来るセラピスト等がする訓練には、トラウマ、虐待、ネグレクトが子どもに与える衝撃を学ぶことと、いろんな技法を身に着けることが含まれます。その技法は、(1)クライアントを落ち着かせ、気分を楽にすることを手助けし、 (2)トラウマになっている記憶とそのフラッシュバックなどを起こさないようにして、(3)クライアントが、男女を問わない仲間と絆を結び直すことに役立つものです。理想を言えば、セラピストは、男であれ、女であれ、自分が実践しているセラピーなら、どんなセラピーであっても、その受け手に徹している者でしょうね。

 

 

 

 

 

 素晴らしいですね。本物のセラピストって。本物の教育が、めだかの学校よろしく、どちらが教員か子どもか、どちらが教える者か、教えられる者かが分からないように、本物のセラピーは、どちらがセラピストで、どちらがクライアントかが、分かりません。ヴァン・デ・コーク教授は、本物のセラピストは、セラピーの受け手、クライアントであり続けることだと言う訳ですからね。

 本物のセラピストこそ、「良い良心」の持ち主であると同時に、受け上手、その時その時のクライアントの状況に臨機応変に対応する、やり取り上手でなくてはなりませんよね。

 

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