エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

常に新鮮な神様の御顔

2015-11-06 07:50:22 | アイデンティティの根源

 

 

 
信頼と勇気の練習
  あらゆる創造的な活動は、信頼と言う基礎があって初めて可能になる。創造的な活動は、限りなくスピリチュアル。 p117第4パラグラフ。 &n...
 

 

 

 ルターが作った宗教会議は、管理教育もビックリの代物でした。

 Young Man Luther 『青年ルター』p.239の3行目途中から。

 

 

 

 

 

このような状況を、ルターは「モーセ律法」とかつて非難してました。いまは、ルターは正当化したんですね。キリストを信頼する者だって、魂があるだけじゃなくて、他の生身の人達の間に生きている生身の存在ですから、「モーセみたいになることに甘んじ」なくてはなりませんでした。祈りの人は、自分自身と話し合うばかりではなくて、支配者たちと話し合わなくてはならないのは、神のご計画のあらゆるしるしを受け止めるためです。この神様の新しい顔は、祈りの中にも、聖書にも、「国父」の決心にも、認められるものですが、新しい階級の方向性、信頼豊かな方向性になります。しかも、その方向性は、新興勢力、商人の一連の努力のなかで、進歩に必要ないろんなことと一致していました。

 

 

 

 

 

 面白いですね、神様の御顔は、いつでも、新しいのですから。しかも、新ぽすりゃぁ、なんでもあり、というのではありません。進歩と伝統を統合する力もありますしね。

 

 

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世界の中心にいたい私たち 自己中心とは真逆

2015-11-06 06:56:35 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
愛敵とは?
   「ガリラヤの言い伝えと≪私≫という感じ」もそろそろ佳境。 p361第2パラグラフ。    &...
 

 エリクソンは、主体的な「≪私≫という感じ」をどこまでも大事にします。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の第4章、「自我と人品 : 結びの覚書」p89の、7行目途中から。

 

 

 

 

 

しかし、≪いまここ≫を生きる者として、自分は人生の中心を生きていると≪私≫が確かにされるやり方で経験をまとめ上げることが、自我の無意識の働きと一つであることは確かでしょ。ですから(お示しのように)、それは、出来事の流れを、「どうすりゃいいの?」と途方に暮れているよりも、「うまく対処できる」と感じられることですね。「イキイキ・ピチピチとして」、しかも、「自分から物事を始める者として」生きているのであって、元気がない状態で生きているのではない(いわば、受け身で、イキイキ・ピチピチ生きている、という意味で「受け身で」という言葉よりも、「元気がない」という言葉の方が良いでしょう)、自分が中心にいて、しかも、他者を認める形で生きているのであって、周辺に追いやられて生きるのではない、自分は選ばれて生きているのであって、「どうしよう?」と困惑して生きているのではない、ということです。こういったことはすべて、自分自身の時間、自分自身の居場所でくつろいでいる感じに繋がりますし、ちょうど自分が選んだのにピッタリと、自分は選ばれている感じになります。

 

 

 

 

 

 

 私どもは、世界の中心にいたいんですね。しかも、それはジコチュー、自己中心とは真逆です。人が世界の中心にいることを認めるからです。対人関係は、ですから、常に、楕円形、2つの中心を認めながら、すなわち、相手を価値ある存在として認めながら、生きることになります。

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乗っ取り

2015-11-06 02:26:32 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
国立市公民館の「図書室の集い」:わが安倍晋三首相は、駄々っ子以下
  私事にわたることで恐縮ですが、私は生まれも育ちも、東京都国立市谷保です。あの「野暮ったい」の語源になったのが、我が「谷保」であることは、私の “自...
 

 乗っ取り。ハイジャック、バスジャック…。飛行機、船、トラック、バスなど乗り物を武器で脅して乗っ取ることだそうですね。本来は、全てをハイジャックと呼ぶのだそうですね。よど号のハイジャックでは、あの日野原重明先生も載ってたそうですね。また、まだ記憶に新しい9.11もハイジャックされた飛行機がニューヨークのツインビルに突っ込んだのでした。いずれにしても、重大な犯罪であることに変わりはありません。

 でも、ハイジャックよりもヒドイと思う乗っ取りがあります。さっき、NHKの「ハートネットTV」をご覧になった方は、お分かりだろうと思います。それは「子ども虐待(child abuse)」です。ネグレクトも、心理的虐待も、性的虐待も、身体的虐待も、乗っ取りです。ネグレクトを最初に持ってきたことに、どうぞ注意してくださいね。つまり、仕事や研究で、子どもに寂しい思いをさせるネグレクトも、乗っ取りだ、ということです。

 でも、何の乗っ取りだと思います。さっき「ハートネットTV」をご覧にならなかった人は、「何のこと?」と思われるかもしれませんね。それは、人生の乗っ取りです。ネグレクトも、心理的虐待も、性的虐待も、身体的虐待も、「親が子どもの人生を乗っ取ることだ」ということです。ネグレクトを最初に持ってきたことに、どうぞ注意してくださいね。つまり、仕事や研究で、子どもに寂しい思いをさせるネグレクトも、「親が子どもの人生を乗っ取ることだ」、ということです。

 虐待があると、子どもは自分、≪本当の自分≫を生きることができません。子どもは、親に都合のいい≪偽りの自分≫、≪良い子≫を生きることを強いられます。親が自分の自尊感情を仮初めに上げるために、その都度、物やペットみたいに、コントロールされ、支配されるわけでしょ。この手の親(教員も、この手の人が少なくない)は、子どもをコントロールできた時だけ、一瞬、自尊感情が上がる(かのような錯覚に陥る)からです。依存症、アル中と同じ心理です。ですから、通常の意識では、子ども依存症である、子ども虐待は、止められません。毎日毎日、来る日も来る日も、親が強制する≪偽りの自分≫、≪良い子≫を子どもは演じざるを得なくなりますから、子どもは子どもとして生きられません。温もりのある関わり、大事にされる関わり、タッチが極端に足りないまま、大人になってしまいます。でも、魂は、20才になっても、40才になっても、60才になっても、80才になっても(「子ども虐待された人は、寿命が20年縮まる」と言われますから、つまり途中で自殺や病死をしてしまいますから、80になる人は稀でしょう)、心はいつまでたっても、赤ちゃんです。子どもは人生を乗っ取られてる訳ですから、赤ちゃんの時から自分を生きてないからです。人生の核は、心でしょ。心の核は≪本当の自分≫なんですからね。子ども虐待は、「親が子どもの人生を乗っ取ること」ですし、子どもの≪本当の自分≫を殺し続けることなんですね。

 ですから、子ども虐待をされてきた人は、その親には「さようなら」を実行して、改めて≪本当の自分≫を赤ちゃんの時からやり直すことです。それは、≪悦びを共にする≫ことしか方法がありませんから、≪陽気で楽しい≫ことを、どなたかと一緒にやり続ける、しかも、約束してやり続けることしかありません。でも、そこには必ず突破の道があるのですから、その道を行けばいい!

 

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マインドフルネスの効果は絶大なんだなぁ

2015-11-06 00:44:41 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
信頼と勇気の練習
  あらゆる創造的な活動は、信頼と言う基礎があって初めて可能になる。創造的な活動は、限りなくスピリチュアル。 p117第4パラグラフ。 &n...
 

 

 ジョン・カボット・ジンさんの著作、私も読んでみたいですね。ただし。英語で。 

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.211の第5パラグラフから。

 

 

 

 

 

 マインドフルネスが効くのは、精神病の夥しい症状に対してですし、身体表現性障害(心身症)の夥しい症状に対してですし、ストレス関連の夥しい症状に対してですし、鬱にも、慢性疼痛にも効きます。マインドフルネスは、幅広く身体の健康に効果がありますから、免疫反応も良くなりますし、血圧も、コルチゾール(訳注:ストレスが増えると、副腎皮質ホルモンの1つであるコルチゾールも増える)のレベルも下げてくれます。マインドフルネスは、脳の活性化にも役立ちますから、感情をコントロールするのにも役立ちますし、身体感覚や恐怖に関係する脳も活性化させることにも役立ちます。ハーバード大学の仲間たち、ブリッタ・ホルツェルとサラ・レイザーの研究によれば、マインドフルネスをやれば、脳の煙探知機である偏桃体の活動をやわらげてくれますから、混乱の引き金となりそうなことも少なくなります、ということです。

 

 

 

 

 

 過剰なストレスが、様々な身体と心の病の元凶ですから、過剰なストレスの解消に役立つマインドフルネスは、様々な身体と心の病を癒してくれるようですね。マインドフルネスの効果は絶大だ、と言えそうです。

 あなたも今日から、一息一息を意識してゆっくりしてくださいね。

 

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