エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

ビョーキのルター

2015-12-10 08:38:34 | アイデンティティの根源

 

美しい今朝の朝焼け

 
さすが、サリヴァン先生!
  フロイトの考え方が広まった背景に、19世紀に資本主義の精神が変質し、倹約重視の考え方が衰退し、消費重視、浪費重視の考え方が広まっていたことがある、と言うのが、...
 

 ルターが偉大だったのは、重症な課題におかげです。

 Young Man Luther 『青年ルター』p.245の、ブランクから。

 

 

 

 

 

 マルティンは、苦しみ抜いて沈黙を守ろうとしました。それにもかかわらず、教会と教義への服従するとき、反抗的に自分の意見を言う羽目になりました。ルターが過去を振り返った言葉には、次のような言葉があります。「ローマ教皇も支配できないのは、ケツだけだ」、しかし、この治外法権は、すぐに悪魔に気付かれて、独占されました。ルターは言いました「クリスチャンは、陽気な方が良いし、陽気でいられるけれども、まさにその時、悪魔をキリストにウンコをぶっかける」と。

 

 

 

 

 

 ルターは摂食障害であるばかりか、排泄障害でもあったから、ウンコやケツ言葉をよく使ってたわけですね。いかにルターが、重篤な心理的課題を抱えていたかが、言葉遣いからも分かる、というのが、どうやら、エリクソンの主張のようですね。

 

 

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過去は変えられないけれども、決して死なない。

2015-12-10 08:11:54 | アイデンティティの根源

 

 

 
日本の拷問:「度を越さない、身体的心理的抑圧 moderate physical and psychological pressure」
  ガザの弁護士ラジ・スラーニさんは、お話の中で、弁護士になって間もなく、イスラエルに逮捕され、刑務所の独房にぶち込まれた後、激しい拷問を受けた、と言います。しか...
 

 精神分析の場も、楕円形です。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の第4章、「自我と人品 : 結びの覚書」p97の、第3パラグラフの9行目途中から。

 

 

 

 

 

クライアントは、様々な症状に苦しんでいるんですが、その症状は、今現在に停滞することでもあると同時に、人生のずっと前の舞台に特徴の、核になるビョーキを、発達の中で治してこなかったこととも関係します。ですから、自由連想によって、クライアントが、以前の発達の舞台や発達の状態に固有のいろんな葛藤を、思い出してもらって、象徴的に隠れた形で、生きなおしてもらいたいんですね。

 

 

 

 

 

  「昔のことは忘れなさい」と慰めを言ってくれる人もありますね。そういう場合だって、あるでしょ。でもね、心理の立場から申し上げれば、過去を忘れることが出来たとしても、過去があなたのことを忘れない、ということなんですね。怖いでしょ。

 ですから、過去は忘れないことが知恵になることがあります。ユダヤ教では、「過去」=「眼のまえ」ということになっていて、知恵が深い教えになっているんですね。

 心理的支援では、いつでも何度でも、生きられなかった過去を、≪いまここ≫で生きなおすことが中心テーマになります。

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偽善者2人 ふるってますよ

2015-12-10 07:17:28 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
「大事なことは、心(間)で見なくちゃね!」
  臨床家は、まず第一に、クライアント「と共に」、クライアント「のために」臨床をしていくのですね。それは、その昔、昔の言い方では「教護院」、現在の呼び名では、「児...
 

 「偽善者」と呼ばれて、嬉しくなる人って、そうそういないと思います。多くの人が腹を立てるんじゃぁないですか? かく言う私も、偽善者と言われたら、気分が悪い。

 しかし、そういう、私のような人ばかりではない、ということを今晩は、皆さんとシェアしたいと思います。「偽善者」2人をご紹介したいと思います。

 1人は山田勝啓(やまだ かつひろ)さん。そう言って分かる人は、皆無に近いでしょうね。芸名は、杉良太郎さん。私も「遠山の金さん」の時代劇は、何度か見た記憶がありますけれども、時代劇はそれほど、見ませんので、それ以外は、俳優としてテレビや舞台を見たことがありません。むしろ、東日本大震災の被災地支援でニュースに取り上げられたり、あるいは、ベトナム人の養子が何十人もいたりして、それがまた、ニュースで取り上げられていて、ニュースで拝見することの方が多いくらいです。その他にも、法務省特別矯正監や麻薬追放協会会長などの仕事もされているらしい(http://spotlight-media.jp/article/101990748853047869https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%89%E8%89%AF%E5%A4%AA%E9%83%8E)。

 いままで、40億円もの寄付もしているとか。しかし、そういう人に世間はやっかむのでしょうね。「売名行為」「偽善」と悪口を言われることがあるらしい。

 しかし、それに対して、私のように腹を立てる素振りはありません。杉さんは次のように言ったとか。

 「偽善で売名ですよ。偽善のために今まで数十億を自腹で使ってきたんです。私のことをそういうふうにおっしゃる方々もぜひ自腹で数十億出して名前を売ったらいいですよ。」。

 ふるってますね。

 もう一人は、内村鑑三です。晩年になっても、内村鑑三のところに無礼な客が来たらしい(鈴木範久『道をひらく 内村鑑三のことば』NHK出版 p.259)。その客は、「私はどう考えても、先生を偽善者としか思えません」と言ったとか。私のように、しかし、内村鑑三は腹を立てたり致しません。内村鑑三は、即座に、次の様に、その客に答えたとか。

「君、偽善も40年続けるのは、なかなか骨が折れるよ」。

 これも、ふるってますね。

 

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安心の始め

2015-12-10 00:07:59 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
「大事なことは、心(間)で見なくちゃね!」
  臨床家は、まず第一に、クライアント「と共に」、クライアント「のために」臨床をしていくのですね。それは、その昔、昔の言い方では「教護院」、現在の呼び名では、「児...
 

 タッチ、触れられることは、やり取りの始めです。 

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第13章 Healing from trauma : Owing your self 「トラウマから癒されること :本当の自分を生きること」p.219の、第2パラグラフから。リシアさんの最後の言葉です。

 

 

 

 

 

 「恐怖を感じてる人は、身体が何処にあり、自分の境界線が何処のあるのかを感じている必要があるんですね。しっかりとした、安心感をプレゼントするタッチをされたら、恐怖を感じている人も、自分の境界線が何処にあるのかが分かります。つまり、自分の外側にあるものと、自分の身体の端っこは何処かが分かります。そうすると、恐怖を感じる人も、自分の身体は固体だとわかりますから、いつでも守りを固める必要がない、とも分かります。タッチされたら、恐怖を感じている人も、自分は安心しても良いんだって、分かります。」

 

 

 

 

 このように、タッチ、触れられることが、安心の始めでもあります。

 

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