
発達トラウマ障害(DTD)の子ども。どなたでも、内省すること、自分の心を探って、自分自身を見つけることは、「夜の航海」になることに、決まっています。どこを目指して、今どこにいるのかさえ、おぼつかず、不安と怖れの中にいるのが普通です。頼りになるのは、夜空に輝く、北極星だけ…。
あなたも、ご自分の北極星を見つけることが出来たら、良いですね。
The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.125。第8章。エピグラフの後から。
マリリンは背がスッと高くて、陸上選手みたいな、30台半ばの女性で、近郊の街の病院の手術室付きの看護師として働いていました。マリリンが私に、「2・3ケ月前、マイケルという名のボストン市の消防士と一緒に、通っているスポーツクラブでテニスを始めた」って言うんですね。マリリンは男を避けるのが普通だと、いってましたが、マイケルとは次第に打ち解けて、テニスの試合の後にピザでも食べに行こう、という誘いに乗りました。2人はテニス、映画、甥や姪の話をしましたが、自分自身の話は1つもしませんでした。マイケルはマリリンと一緒にいることを楽しんでいたに違いありませんが、マリリンにしてみれば、マイケルは自分のことはホントは何も知らない、という感じでした。
一見おしゃべりな子、趣味や学校の話はする子…、親や教員は、その子どもと話が出来ている、仲がいい…と勘違いしている場合が、少なくありません。
子どもは話したいこと、相談したいこと、分かってもらいたいことを、親がきいているわけじゃあ、ありませんね。自分が耳にしても、心の負担にならないこと、たわいもないこと、人畜無害な話を吐いているだけ。つまり、親や大人が何かアクションを起こさなくてはならない、手間のかかる話は聞きたくない空なんですね。
親や大人に、子どもの本音を聴く耳がない。
子どもの方は、親や大人に、その「聴く耳がない」ことがハッキリ、クッキリ分かるので、本音を語ることはありません。
すると、本音という中心の周りをグルグル回ったような話を、延々にやる訳です。親や大人の方は、話しが弾んだような、感じがして、自己満足的な勘違いをやってるとも知らない…。
子どもが不登校になったり、リストカットをしたり、家出をしたり、心の病気になったり、発達障害みたいに見えるようになる(本当は発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども)のは、そんな時です。
