エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)の子どもには、セラピー以外の日常場面の工夫が大事

2016-08-13 07:15:23 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
それまでの人生が問われる「大人の時代」
  未来を上手に思い描くこと、それは、出来るだけ多くの人、出来れば、全人類が含まれるほどの、ヴィジョンを持つことです。 The life cycle completed......
 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)の子どもで、TRASCがあつてもなくても、早期治療するの限ります。

 最終章の第7章、p.282の第2パラグラフの7行目途中から。

 

 

 

 

 

さらには、構造化された治療をすることが、直接に解離を経験する頻度を和らげて(=減らして)くれます。こういった治療をクライアントがセラピーの時間以外にもできるるようになれば、自分の感情をコントロールするという戦略として、とても実のある利益をもたらします。さらに、そのような治療はTRASCを頻繁に使うことと闘うことになりますが、それは、毎日のストレスの元にも、トラウマを思い出させるものにも、折り合いをつけることになるからですし、結果として、以前でしたらとても自分では対処できないと感じていた経験を、自分でコントロール出来るという感じを手に入れて、かつまた、さらに育てていくことにもなりますね

 

 

 

 

 ですから、サイコセラピーも大事ですが、日常生活のなかでも、そのセラピーの効果を持続させるような工夫、それがここでは「構造化した訓練」とラニウス教授らを呼んでいますけれども、それが大事になる訳です。たしかに、サイコセラピーの効果を日常生活に広げるためには、そのような意図的な環境調整が必要です。

 以前は、対処出来ずに困った、感情やフラッシュバックなどが対処できるようになったらいいですね。

 

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インターメッツォ: 次の一歩にあなたは何を込めますか?

2016-08-13 06:17:26 | 聖書の言葉から

 

 

 
無意識が子どものまんまの「大人」
   道を誤る源、不確かな取引  本気の約束ほど、今の日本で求められているものはありません。当世日本に大流行のウソとゴマカシの対極、それが本気の約束だか......
 

 今朝は久しぶりに、高橋三郎先生の言葉に学ぼうと思います。『絶望と希望━若者に語る━』から。

 

 

 

 

 

 

 

 われわれの人生は、手にたいまつをたずさえて、暗闇の中を歩いて行くようなものです。遠い前方は、暗くて何も見えない。しかし、手に持った明りによって、眼の前の一歩だけははっきり見える筈だ。この一歩を、誠実こめて踏み出してみよ。すると、次の一歩をどう進むべきかが、分かって来る。かつて三谷先生(訳注:三谷隆正。第一高等学校の教師。内村鑑三の弟子。結核のために、55歳で永眠。南原繁などと第一高等学校のクラスメート。高校時代から、人格の高潔さがひと際際立つ人だったらしい。多くの人に人格的感化をもたらした、と言われる。私の信仰の師、西村秀夫先生も、何度か三谷隆正のことを集会で話して下さいました)は、このように私に教えてくださいました。私は皆さんにもこの同じ言葉をさし上げて、今日の講演を終わりたいと思います。

 

 

 

 あなたの手にしている明りは何ですか?

 あなたは、誠実を込めた一歩を、昨日歩みましたか?

 子ども達に、誠実を込めて人生の一歩を歩んでみたら、と告げることができますか?

 

 

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強い恵み! 間違っても、いいよ。 にもかかわらず、大事にします。

2016-08-13 01:54:09 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
人生が始まるのは、40になってから  ?
  無意識の猛毒にやられること、無意識の虜になることが怖いのは、それに気が付かないこと。いわば、顔が真っ黒の汚れているのに、ニコニコ笑って愛想を振りまいているようなもの。心......
 

 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども思春期になると、なかなかお友達ができないで悩むケースが実に多いんですね。それがまさか、赤ちゃんの頃に母親からネグレクトを喰らっているからだと気付ける人は皆無に近いわけですね。ですからね、そのことをハッキリと言葉にすることが、たとえ苦しいことであっても、強い恵みになるんです。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.145の第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 人間にとって、人との最初のやり取りが始まるのは、親子の絆であるのか普通でしょ。その子どもは人と関わる時に、人とどのように変わるのかを学びますけれども、人と関わる時には、そのルールには見通しがあり、分かりやすいもの、ということも学ぶものですよ。もし、子どもがどうすればいいのか分からなければ、その親が子どもに教えます。もし子どもが間違ったことを言ってたら、親が子どもを正します。その繰り返し。間違いがあることは織り込み済み、間違ってもすぐに繰り返し許してもらえます。そのためには、とてつもない根気強さが必要です。フォスター養母のピーさんのお陰で、私も思い出しましたよ。赤ちゃんは泣いて、お乳を吐き出して、「ごちゃごちゃにする」けれども、皆さんは先刻ご承知で、そんな赤ちゃんを、にもかかわらず、大事にしますでしょ

 

 

 

 

 

 強い恵み。

 恵みに値しないのに、恵まれる恵み

 

 

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子ども等に、脳や身体のことも教えなくっちゃね

2016-08-13 01:45:08 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
それまでの人生が問われる「大人の時代」
  未来を上手に思い描くこと、それは、出来るだけ多くの人、出来れば、全人類が含まれるほどの、ヴィジョンを持つことです。 The life cycle completed......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、体が感じる不快な感覚や、痛々しいまでの激しい感情を自分では収めきれず、それをドラックを使って、ゴマカソウとしているものです。ドラックは、つまり、自分と向き合わないウソとゴマカシの延長にあるわけです。ですから、ドラックを取り上げても、自分と向き合うことが耐えられない事情が変わらないから、別の薬物、暇つぶし、支配関係に依存するだけです

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.356の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 自分で自分をコントロールすることを、教える子ども達はとってもたくさんいますよ。そういう子どもは、癇癪持ちからじっと動かずにいる子どもまでいろいろです。読み・書き・ソロバンに加えて、子ども等は全て、自己理解、自分のことは自分ですること、コミュニケーションをカリキュラムの中心として学ばなくっちゃいけません。私どもは、歴史や地理を教えるみたいに、脳や身体がどういう具合に働くかを子ども達に教えなくちゃいけません。大人も子どもも同じで、自分をコントロールする時には、自分の内側がどうなっているのか、何が怖くて、何が頭にきて、何が嬉しいのかをハッキリされておくことが必要でしょ

 

 

 

 

 

 

 その点、読み・書き・ソロバンしか教えず、それも不十分なニッポンの学校は、硬直化の極み、と言わざるを得ないでしょうね。

 私どもも、すぐにでも、子ども達に脳や身体のことを、実地で教えていく必要がありますね。子ども達がより善く自己理解できるように手助けしたいものですね

 

 

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