エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ : この先生とともに学校にいるよろこび

2016-08-05 07:49:04 | 間奏曲

 

 

 
ユングがお薦めする「教師の役割」 改訂版
  ユングは、心の深いレベルのことに通じています。そんなことは皆さんもご存知でしたね。しかし、これは、統合失調症と見まがうばかりの幻覚や幻聴に襲われた時期を経て、その深みを......
 

 鶴見俊輔さんの言葉から。無着成恭さんのことに触れているところです。『教育の再定義』から。

 

 

 

 

 

 敗戦後に、山形県の苦しい生活状況の中で中学校教師だった無着成恭は、この先生とともに学校にいるよろこびを生徒たちと分かち合えた。「やまびこ学校」という記録からそのことがうかがえる。

 無着の教育観は、敗戦直後も今も変わっていない。敗戦から遠く、経済大国になった日本が無着の教育方針を受け入れなくなっただけである。

 

 

 

 

 

 

 私どもは、「この先生と一緒だと学校がうれしい」と、子どもが心底思えるような学校をいまいちど、創造していかなくてはなりません。

 

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発達トラウマ障害(DTD)を癒すのは、人間らしい優しさ

2016-08-05 07:13:26 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
何時でも大事なのは、≪いまここ≫
  ≪私≫は、ゆとり、遊びから生まれます。 Young Man Luther 『青年ルター』p216の第2パラグラフの 下から13行目途中から。    ......
 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。 発達トラウマ障害(DTD)の子どものセラピーは、セラピストの根源的信頼感子ども中心のコーポレートガバナンスがなくてはできませんよ。

 最終章の第7章、p.280の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 安全と安心できる経験をクライアントの中に育てるような面接環境でやり取りすることは、それ自体が、臨床的に大事な治療であると見なされなくてはなりませんよ。特に、発達トラウマ障害(DTD)にあるクライアントが、それまでは安全と安心を感じる対人関係を一度も経験した験(ためし)がありません。要するの、クライアントは、最初のうちは、安全と安心出来る対人関係が出来る、ということを学んでいるところかもしれません。臨床家がバカにしてはならないのは、安心と安全の対人関係だけが、発達トラウマ障害(DTD)の人が変わる力になるんです。セラピーでのセラピストとの関係を経験することが、クライアントが人間として相手にされた最初の経験かもしれないんです。このような人間らしい優しさが、トラウマが回復する基盤ですし、様々な心理療法に共通する、大事なセラピー関係です

 

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもが、アメリカでは、子どもの4分の1の約2千万人いますし、日本では、おそらく、子どもの半分の約800万人います。そういう子どもは、人間らしい優しさに飢えていますから、人間らしい優しさを示されると飛びつく場合が多い。でも、発達トラウマ障害(DTD)が重たい子どもですと、人間らしい優しさにも飛びつけません。それだけ根源的不信感が、猛烈に深いからです。ですから、重たい発達トラウマ障害(DTD)の子どもの場合は特に、最初の学びの課題の、人間らしい優しさを伝える為にも、長い時間と、セラピストの人間らしい優しさと根気、それから、子ども中心のコーポレートガバナンスが、必ず必要です。

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決して取り消すことができない汚点 赤ちゃんの相手をしないネグレクトは犯罪

2016-08-05 02:13:04 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 
ブレずに、まとまりがあること
  叡智の源は、直感も含めた感覚なんですね。  The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p64の第5パラグラフから。  ......
 

 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。音楽が最初の言葉になりました。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.144、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 しかし、コナーは音楽にもリズムにも触れる好機を逃したのは、コナーが音楽もリズムも一番必要としていた時期のことでした。コナーは生まれてすぐに日中泣いても、コナーに歩み寄って、慰めて、コナーのストレス反応とストレスホルモンを標準の状態に戻してやる人がいませんでした。生まれて8か月は、夜間と週末は、通常の世話をして貰いましたけれども、日中の8時間寂しい思いをしたことが、決して取り消すことができない汚点を残すことになりました。

 

 

 

 

 

 1日8時間、赤ちゃんをホッタラカシにして、泣いても応じないネグレクトがあるだけで、いかに赤ちゃんにとって、重大な犯罪的行為かが分かりますね。0歳、1歳、2歳の時期のネグレクトがいかに犯罪であるか、が分かりますね。

 

 

 

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発達トラウマ障害(DTD)の子どもの教育は、旧態依然とした日本の学校文化を、進化させる

2016-08-05 00:59:53 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
ユングがお薦めする「教師の役割」 改訂版
  ユングは、心の深いレベルのことに通じています。そんなことは皆さんもご存知でしたね。しかし、これは、統合失調症と見まがうばかりの幻覚や幻聴に襲われた時期を経て、その深みを......
 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども公衆衛生上でも、社会福祉の上でも、学校教育の上でも、最大の問題だ、と考えますが、ニッポンでは、まだ、発達トラウマ障害(DTD)の存在すら認識されていないのが、悲しき現状です。残念です。

 ヴァン・デ・コーク教授によれば、アメリカの自由主義的学校では、発達トラウマ障害(DTD)の子ども達が、自分が人生の主人公であり、心の中には「自分はできる」という自律的な足場があることを教えて貰える、といいますね。ニッポンの学校では、アメリカの自由主義的学校とは逆で、奴隷根性を押し付けられますから、発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、学校でも虐待されて、トラウマに塩を塗られているのが真実の姿です

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.354の、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 私どもの治療チームが学校にやってくる時、教員の最初の反応は、「僕がソーシャルワーカーになりたければ、社会福祉士養成校に言ってたでしょうに。だけど、僕は学校の先生ですからね」というものでしたね。でもね、心の警報が鳴りっぱなしの子どもだらけ、すなわち、発達トラウマ障害(DTD)の子どもだらけのクラスを受け持ったら、授業にならない、ということに懲りてる教員が実にたくさんいるんです。一番献身的な教員や学校でさえもが、不満にもなり、「こりゃダメだ」と思わざるを得ないのは、発達トラウマ障害(DTD)の子どもが多すぎて、勉強にならないからです。テストの点数が上がることばかりを考えてたら、もうどうにもなりません。発達トラウマ障害(DTD)の子どもの問題行動をどうすることも出はませんからね。福音は、発達トラウマ障害(DTD)の子ども達のセラピーの基本方針は、学校文化そのものを変革できる、日々の時間割と教育法をもたらすことになる、ということです。

 

 

 

 

 

 ヴァン・デ・コーク教授がアメリカの学校臨床で感じていたことと、私がニッポンの学校臨床で感じていることが、全く同じでしたね。

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもの教育は、教えたがり、押し付けがましいファシズムで、アナクロニズムのニッポンの学校文化を、聞き上手で、子どものニーズに応答する、人権尊重型の、真実な意味で、良い教育ができる学校文化へと変換するポテンシャルを豊かに持っていますね。

 

 

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