「眼の前の地球は1つという感覚」と「新しい人」
先日、宇宙飛行士の野口総一さんが語る、宇宙開発のヴィジョンが素晴らしいものでした。それを引き出した、キャスターの小野文恵アナウンサーも素晴らしい。野口さんは、宇宙から......
発達トラウマ障害(DTD)の子ども。発達トラウマ障害(DTD)が酷くても、トラウマを恵みに変えて生きて来た人の実例程、人を、社会を変えるものはない、というのが、ヴァン・デ・コーク教授のご指摘です。たとえば、オプラ・ウィンフリーさんは、私は知りませんでしたが、アメリカでは、殆どの人が知っているテレビ司会者だそうですね。みのもんたさんとか、久米宏さんみたいな存在なんでしょう。しかし、彼女は、子どもの頃に親戚の元を転々として、しかも、性的虐待に遭ったらしい。しかし、テレビ司会者として大成したばかりではなくて、杉良太郎みたいに、何十億、何百億もの寄付を社会福祉のために、していると言います。
The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.358の最期パラグラフ。この本の最後のパラグラフ。
同じことが社会についても当てはまりますね。私どもが根っから成長するのは、トラウマを経験することから生じます。奴隷制の廃止は、市民戦争(南北戦争)からもたらされました。大恐慌に応じて社会保障が出来ましたし、復員軍人教育支援法は、膨大で、豊かな中間層を作り出したものですが、第二次世界大戦から生まれたものです。トラウマは、今、私どもの最も緊急を要する公衆衛生の課題ですし、私どもは、このトラウマに上手に対応するのに必要なことも知っています。私どもは今解っていることを、行動に移すべき時です。
ヴァン・デ・コーク教授は、実にいいですね。そんじょそこらのイモ学者とは、比べ物になりません。
今まで翻訳したところからは、ヴァン・デ・コーク教授がどのような社会変革を求めているのか、分かりません。しかし、おそらく、広い意味でのヒューマン・サービス全般に渡る社会変革が必要だと考えておられるはずです。それは、教育、社会福祉、医療、労働政策、などなどに渡るものでなくてはなりませんね。
重度の病態の高校生を、これでもか、これでもか、と、数多く見るにつけ、10年にもわたる学校教育は、いったい何をしてきたのか、と暗澹たる気持ちになる日々です。いまの教科中心、一斉授業は、とうの昔に、事態遅れ、アナクロニズム、アンシャン・レジーム(時代遅れの体制)です。
子どもひとりびとりの、心の発達段階に応じた、個別教育支援計画に基づいて、多職種のケア・マネージメントを、やるやり方に、学校を早急に変えていくことが、すぐにでも必要です。
私どもも、いまこそ、行動を起こす時です。