エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ:既存の秩序を強く否定してみる

2016-08-10 08:31:07 | 間奏曲

 

 

 
ユングの示す、3つの教育から、新しい教育を考える
   権力の手先には、陽気で楽しく「良し」と言おうよ。陽気で楽しいヴィジョン 約束という声の光2013-08-08 01:30:33 | エリクソンの発......
 

 今朝は、大江健三郎さんの言葉をご用意しましたよ。『新しい文学のために』から。「新しい書き手へ(一)」というタイトルの章です。自分も書いてみたい、と願う新しい書き手に向けて書いた、パウロの手紙の様な 手紙です。

 

 

 

 

 

 既存の秩序に対して、できるかぎり強い否定から出発する。…秩序━━反・秩序━━新しい秩序という段階を、想像力においていかに振幅の大きいものにしうるか? そこにはかかっている。

 

 

 

 

 

 日常生活を送っていると、自動思考、自動操縦になっていて、立ち止まって、自分の頭で考える、ということはおろそかになりがちです。

 しかし、何かを書きたい、と願っている人は、深く考えることなしに、何かを書くことは、本質的にできません。その時、日常の秩序とは相いれない矛盾をあえて考える。既存の秩序と矛盾することをあえて考えること自体に、異化効果がありますね。日常生活そのものを新鮮にしてくれますね。

 

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発達トラウマ障害(DTD)の子どもが、解離の時の苦しみ

2016-08-10 07:17:25 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
ユングの示す、3つの教育から、新しい教育を考える
   権力の手先には、陽気で楽しく「良し」と言おうよ。陽気で楽しいヴィジョン 約束という声の光2013-08-08 01:30:33 | エリクソンの発......
 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。、TRASCの症状を軽減しておかないと、確かにセラピーが続きません

 最終章の第7章、p.282の2行目から。

 

 

 

 

 対照的に、トラウマに関わる変性意識(TRASC)になる解離反応は、これまでの章で申し上げましたように、解離反応のために、(1)クライアントはいまここをケンケンすることができないで、過去にフラッシュバックしてしまう、(2)クライアントは、恐怖、疑惑、嘲笑の声に混乱し、どうしていいのか分からなくなっとしまって、手近にあることに拘って、周りが見えなくなってしまう、(3)クライアントは経験的に、自分の身体から切り離されて、自分が怖いと思っている気持ちに向き合えず、また、自分で恐怖に対応することが出来ないから、恐怖を克服することができません、(4)クライアントは、自分のいろんな気持ちが分からなくなり、それは、性格が陰気でも、陽気でも、変りません。その代わりに、自分の気持ちも人の気持ちも分からない状態で、あるいは、「情緒的に受け付けない」状態で、自分の気持ちから切り離され、また、いろんな気持ちに圧倒されて、自分が何をしているのか分からず、内省することもできないために、気付きも洞察もできません。

 

 


 

 

 解離の状態が、いかに苦しいものかお分かりいただけたと思います。そんな子どもがいるの? と思う人もいると思います。私の臨床的感覚からすれば、かなりの子どもに解離がありますね。手遊びや玩具に拘る子ども、いつでも、ぼうっとした感じの子ども、下を向いていることが多い子どもは、一度解離ではないか、とよく観察することが大事です。

 

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発達トラウマ障害(DTD)の母親がセラピストの一番の味方になる時

2016-08-10 05:26:14 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
衝動も悪い良心も、恐れるに足らず
  衝動と悪い良心をコントロールすることができれば、心は平穏、自ずから、人に役立つ人になります。 Young Man Luther 『青年ルター』p.217の 下から5......
 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。その親も、対応に苦慮する場合が少なくありませんね。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.145に第4パラグラフから。ブルース・ペリー教授が、コナーの母親ジェーンと、おそらくシブシブ、やり取りする場面です。

 

 

 

 

 

 「何かありましたか?」と私は手短に言いました。

 「あら、ペリー先生」ジェーンはそう言うと、話しが続きません。話し続けるのが難しいらしい。私の気持ちも沈みます。

 しかし、その時、ジェーンが話を続けます。「先生に、お礼申し上げます。今日、コナーが私の近くに来て、ママ大好き、って言ったんですよ」。それはコナーが自発的に何かをした最初でした。もう、ジェーンは、私どもの治療法についていろいろ心配するよりも、私どもの一番の味方になりましたね。

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもの母親が、紛れもなく、セラピストの仲間になるのは、その発達トラウマ障害(DTD)の子どもと母親の関係も良くなった時です。

 

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発達トラウマ障害(DTD)に敏感な教員

2016-08-10 05:07:25 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
発達の飛び級はない!
  世の中を守ることが大人の務めだと言います。それはヒンドゥーの教えとも重なるらしい。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもにとって持っても大事なことは、the truth 「真実」、「本当のこと」です。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.355の、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 そのような状況で、最初にすべきことは、「この子は不安なんだ」と認めることです。その次にすべきなのは、担任はその子を落ち着かせることでしょう。その次は、子どもが何で不安を感じるのか、その原因を探ることと、その不安を解消するためにどうすればいいのか、その解消法を話し合うことです。たとえば、1年生が怒り狂って、担任をぶん殴り、いろんなものを周りの人に投げつける時には、私どもはその担任に、「ここまでやってはいけない」という境界線をハッキリさせるのが良いですよ、と申し上げます。しかも、次のように言ってもらいます、「毛布を体に巻きつけたら、落ち着くかもね」と。(この子は、「嫌だ」と喚くでしょう。でもね、毛布に包まれれば、落ち着きます)。見通しを持てることと予想がハッキリさせることは、一番大事なんです。大人の態度が一貫していることもなくてはなりません。無茶苦茶な人生を送らざるを得なかった子ども達は、人が上手に協力できるのかが全く分かりませんから、大人が一貫した態度を取らない場合は、一層混乱を助長するだけのことになります。発達トラウマ障害(DTD)に敏感な教員は、親を呼んでも、「お宅のお子さんは手に負えません」なんて言っても、その子はまた打たれて、さらにトラウマをひどくするだけだと先刻承知です。

 

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもには、感性の日頃から磨いて、感じる力の鋭い人が担任するのが良いわけです。発達トラウマ障害(DTD)に敏感な教員が望まれます管理職の意向にばかり敏感な教員が、一番使えない担任です。

 

 

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