エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

倫理と権力 エバっているけど、実は、哀れ

2016-08-15 08:10:56 | 間奏曲

 

 

 
日本人の「狂気の無責任」はこうして生じます
   乾燥ワカメと最深欲求最深欲求2013-08-13 01:27:29 | エリクソンの発達臨床心理  ...>続きを読む  今晩......
 


 やはり、「敗戦の日」には、丸山眞男教授のご登場が相応しいと感じます。

 倫理は内面化しないと、権力化することになります。権力化した倫理は、人格障害、ビョーキそのものですが、どんな悪行、どんな残虐、どんな裏切りも、良しとする結果になる、という話で、日本的ファシズムの典型の軍部と「日本帝国」の話です。しかし、これは決して昔話ではないんです。

 『丸山眞男集』第三巻から。

 

 

 

 

 倫理の内面化が行われぬために、それは絶えず権力化の衝動をもっている。…(引用者註:倫理を権力化した連中は)慎ましやかな内面性もなければ、むき出しの権力性もない。すべてが騒々しいが、小心翼々としている。…慈恵行為と残虐行為とが平気で共存しうるところに、倫理と権力の微妙な交錯現象が見られる。

 …そうした権威への依存性から放り出され、一箇の人間に帰った時の彼らのなんと弱々しく哀れな存在であることよ。

 

 

 

 

 

 これが丸山眞男教授が、私どもにハッキリと示してくれた、日本の権力の周りの人たちの真の姿です。

 子分に対しては色を付けるけれども、それ以外には、残虐も平気でやる。

 エバっているけど、実は、哀れな存在

 今も昔と変わりません。

 

 

 

 

 

 

 

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物静かな感じの子は、一番の重症と「まさか!」

2016-08-15 07:27:28 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
ルターもミセカケがお嫌いでした
  民主化のためには、間違いや「腑に落ちないこと」に対して、ハッキリ「NO」と言う姿勢が大事です。 Young Man Luther 『青年ルター』p.218の 下から......
 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。発達トラウマ障害(DTD)の子どもで、TRASCがあつてもなくても、早期治療するの限ります。

 最終章の第7章、p.282の、下から4行目から。

 

 

 

 

 

トラウマを負わされたいろんな記憶に付き物の、恥という猛烈な経験があると、トラウマを負わされた人はひとりびとり、物静かな感じの人になっちゃいますし、周りの世界から切り離された感じがいつまでも、なくなりません。ひとりびとりの人生を物語で辿らずに、すなわち、その時点で過去・現在・未来に基づいた物語のことですが、その物語かないと、時間、思い、身体、気持ちのどれにもあい渡った筋がないために、何でこんな目に遭わなくちゃぁ、ならないんだろう」という感じが、根っこにいつまでも残ってしまいがちです。

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもで、恥が強い子どもは、恐怖心や、激しい怒りが強い子ども比べて、目立ちません。その子は、物静かな感じの人、だからです。

 しかし、その物静かな感じの子に、まさか! 何でこんな目に遭わなくちゃぁ、ならないんだろう」という感じが、根っこにいつまでも残っているとは、ほとんどの人が想像もつきません。

 私の経験から言ったら、怖がりの子や、激しい怒りの子より、物静かな恥の子が、一番重症です。

 

 

 

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友達関係がうまくいかないのは、親子関係がうまくいかないから。  良心の手当て

2016-08-15 03:34:00 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
大人になり切れない人たち
  大人は、捨て身になれるからこそ「大きな人」なんですね。小さな人は何歳になっても、人の世話なしには生きられません。 The life cycle completed ......
 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。友達関係では、人と違えば、仲間はずれにされかねません。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.147の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 親子関係のハッキリと決まっているルールを理解する力を身に着けて来なかった人がいたら、友達関係を教えようとしても、無理な話です。歩く事みたいに、より高度の運動機能が、脳幹などの低次の脳がリズムのある働きをすることに、依存しているみたいに、より上級の対人スキルを身に着けるためには、基本的な訓練が済んでいなくっちゃならないのと、同じです。

 

 

 

 

 

 つまり、親子関係がうまくいかない場合、友達関係も、職場の人間関係も、夫婦関係も、次世代の親子関係もうまくいくはずがない、ということです。はっきりしてますね。

 ですから、中高生になって、お友達とうまく関われない、大人になって、パートナーとうまく付き合えない、ということは、そのこと自体を解決しようとしても、うまくいかないことが多いんですね。その際に大事なのは、親が生きていれば、その親子関係を改善することが大事かもしれません。しかし、それよりも、心の中の親子関係、すなわち、良い心の方の良心を手当てすることが、サイコセラピストの大事な、ほとんど唯一の仕事になりますね。

 

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気持ちの面倒を看る道具箱

2016-08-15 02:41:17 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
日本人の「狂気の無責任」はこうして生じます
   乾燥ワカメと最深欲求最深欲求2013-08-13 01:27:29 | エリクソンの発達臨床心理  ...>続きを読む  今晩......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども自分の気持ちも分からないし、人の気持ちも分からないのは、幼いころから、自分の気持ちを分かってもらう経験が極端に少ないからです。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.356の第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私どもは、自分の脳が物見櫓としての役割を強めるためには、脳が身体感覚に気付いて、名付けるに限ります。たとえば、胸が締め付けられた時には、おそらく、ビクビクしているのでしょう。呼吸が浅いのは、イライラしているから。怒りってどんな感じ? 身体の感じを変えるためにはどうすりゃいいの? 深呼吸したら、どうなるの? 縄跳びを跳んだら、どうなるの? サンドバックを殴ったら、どうなるの? ツボをポンポン叩いたら、楽になるの? 私どもは、子どもたちにも、教員たちにも、人の面倒を看る他の職種の人たちにも、跳ね返ってくるいろんな感情を手当てする道具箱を、プレゼントしよう、ってわけですね。

 

 

 

 

 

 自分の気持ちの面倒を看るやり方を知っているということは、とても大事

 よくいますでしょ。イライラして、子どもを怒鳴りつけている母親や教員が。そういう子どもっぽい「大人」は、自分の気持ちの始末もできないから、子どもっぽい。でも、それは、もしかしたら、自分の気持ちの面倒を看るやり方を教えてもらって来なかったからかもしれませんね。

 ですから、心の専門家たる、私どもサイコセラピストや、ヴァン・デ・コーク教授のような精神科医は、気持ちの面倒を看るやり方を、子ども等に教えることも大事な役目ですね。

 

 

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