エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ : 教育委員会や学校は、隠ぺい体質で、いいかげん!?

2016-08-07 07:10:53 | 間奏曲

 

 

 
共同幻想に流されやすい私たち
  過去の辛かったことに、きちんと向き合わないと、人生は始まらない。過去の辛い歴史にきちんと向き合わないと、外国との関係が始まらないのと、同じです。 Young Man......
 


 けさは、初登場、池上彰さん。『池上彰の『日本の教育」がよくわかる本』から。

 

 

 

 

 

 2006年、福岡県筑前町の中学校で二年生の男子生徒が自殺しました。学校は当初、いじめを否定しましたが、調べるうちに一年の時の担任で学年主任でもあった先生がいじめに加担していたことが分かりました。

 この先生は、自殺した生徒以外にも暴言を吐いていたのにもかかわらず、学校側は「そうした発言はなかった」としたかと思うと、その後「あった」とするなど発表内容が二転三転しました。

 教育委員会や学校の隠蔽体質、消極的でいい加減な対応が批判されました。…

 

 

 

 

 

 こういうことをご紹介すると、「それは一部のことでしょ?」という人もいますね。でも、私もいろんな地域で、いろんな教育委員会や学校の人と付き合ってきましてね。現実は、かなりの数の学校と教育委員会が、この手の残念な学校と教育委員会ですね。大川小学校の教育委員会や、福岡県筑前町の中学校や教育委員会だけじゃぁ、全くないわけです。

 教員は忙しいし、自信がない人がたくさんですし、おまけに、日々の仕事ぶりがボーナスに響く勤務評定が厳しい中にいますから、余裕、ゆとりが全くないでしょ。ですから、日々の仕事をこなすだけで精いっぱいになりやすく、それが隠蔽体質、いい加減さに繋がっている面もありますね。

 でも、これじゃあ、未来と子どもの幸せはありませんからね。日々自分と向き合う余裕、ゆとりを持つことでしょうね。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

とっても、とってもありがたい 1つのマインドフルネス

2016-08-07 06:24:46 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 
恵みであると同時に、呪いである道
    危険分子、イエスとその弟子  ≪生きることを豊かにしてくれる1人の時間≫、ソリチュードは、私どもが、ウソとゴマカシのない、人間らしい暮らしをする......
 

 Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。 発達トラウマ障害(DTD)の子どものセラピーは、安全、信頼、希望のあるセラピーの関係を育まない限り、前に進みなせんね

 最終章の第7章、p.280のブランクから。

 

 

 

 

 

 変化の兆し:気付きと安心が増してくる

 

 

 面接者:これまでセラピーをする中で、何が一番良かったと思いますか?

 エリカ:手近にいる人に誰でも、話しができることです。その人は私のことを『良い』とも「悪い」とも言いません。(私のセラピストは)この事情を一番知ってる、世の中で唯一の人です。(私のセラピストは)私がこの事情を実現するのを手助けする、唯一の人です。「普通」って、実際にこういうことだということがあれば、これだということが分からないから、私がセラピーに来たのは、「私にとっての普通」って、人様が言う普通とは全く違うってことを理解するためです。ですから、(私のセラピストが)本当に私を助けてくれています。本当にありがたいのは、(私のセラピストが)私を見つけてくれた(found)ことです、あるいは、私が(私のセラピストを)見つけた(found)ことです、あるいは、皆さんがそれをどう見たいと思っても、事実は変りません。とっても、とってもありがたいことです

 面接者:セラピーで何を学びましたか?

 エリカ:自分自身について、何がしかのものを学んだことです。あることを名付けることができたことも役立ちました。名前を付けると、イライラすることが少なくなりますからね。たとえば、「解離」。解離って何か知りませんでした。つまり、「私は、実は解離は知っていましたけれでも、それが『医療が必要な』こととは知りません出した」。私は解離の事情は知っていましたが、私は解離のことが分かつていたとは思いません。ですから、(私のセラピストが)私がそのことを知るのを助けてくれました。お分かりですね。これが分かれば、いまここで、善く生きる術が分かります。以前はいまここを善く生きることなんて分かりませんでしたからね。でもね、いまは、いまここを生きてるという実感がかなりあります。それに、いまここを実感することがいつでもいい気持ち、ってわけじゃありませんよ。だって、今が実際には怖い場合だってあるでしょ。それが「絶望的な恐怖」かもね。でも、それがよりよく生きる為の過程の一部だつて分かっていますからね。

 

 

 

 

 

 これは、マインドフルネスと全く同じこと。別の言葉で言っているだけことです。マインドフルネスは、瞑想を通して、呼吸を意識することで、今を実感して生きますでしょ。このセラピーでは、セラピストが一緒にいてくれている、ということを通して、今を実感しているんです。でも、マインドフルネスでも、サンガ、すなわち、瞑想を共にしてくれる人々がいた方がベターですから、結局は一緒のこと。

 言葉にする際の視点の違いだけです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネグレクトのチェック項目

2016-08-07 01:35:41 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 
共同幻想に流されやすい私たち
  過去の辛かったことに、きちんと向き合わないと、人生は始まらない。過去の辛い歴史にきちんと向き合わないと、外国との関係が始まらないのと、同じです。 Young Man......
 

 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。仕事や研究で、赤ちゃんの相手をしないネグレクトがある場合、音楽と運動の教室で、体全体でリズムを感じることが大事だそうですよ。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.145から。

 

 

 

 

 

 はじめコナーは、ビックリするほどリズム感がありませんでしたよ。つまり、コナーは、一番簡単なリズムに合わせることもできませんでした。コナーが無意識でするロッキングにはリズムがあったのに、コナーは意識的に決まったリズムを刻むことも、決まったリズムを真似することもできませんでした。私は、これは、赤ちゃんの時に感覚刺激が脳幹に行かなかったからだ、と思います。ですから、コナーは高次の脳機能と、低次の脳機能が上手く結びついていなかったんです。コナーが意識的にリズムをコントロールすることで、この脳の部位間の連結を育てることが出来ればと願った訳です。

 

 

 

 

 私はまだ試したことはありませんが、リズムに合わせて何かをすることができるかどうかを、チェックすることは、赤ちゃんの頃にネグレクトされているかどうかのバロメータになりそうですね。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一番大事なこと

2016-08-07 01:00:48 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
日々の心構え次第で、人生はガラリ
  人生千秋楽を迎えた時に、「いろいろとあったけれども、良い人生だった」と振り返りたいものですね。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ......
 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもクチナシの香りに敏感です。クチナシの香りを嗅ぎ分けます。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.354の、第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 何よりも、人と一緒にいて安心できる、ということが心の健康のバロメータです。安全な絆があることが、意義深く、満足できる人生の基盤です。教室で伸るか反るかの課題は、やり取りを育てることができるかどうかです。すなわち、真実に人の話に耳を傾けると同時に、自分の話しも真実に聴いてもらうことですし、イキイキと人を見ることであると同時に、イキイキと人から見てもらうことでもあります。私どもは学校の教職員全員、すなわち、教職員、校長、バスの運転手、食堂スタッフに、トラウマが子ども達にどんな影響を及ぼすのかに気付いて、理解できるように教えるとともに、安全と見通しを育むことの重要性、知られもし見守られていることの重要性をお伝えします。私どもが常々確認するのは、子ど達が毎朝名前を呼ばれているのか、教員は生徒ひとりびとりに、生徒全員に、向き合って関わっているのか、ということです。ワークショップや、グループワークや、演劇プログラムみたいに、毎日を出欠を取る所から始めて、皆の心にあるものは何でも、分かち合う時間を毎日とることです。

 

 

 

 

 

 とても大事なところですね。一番大事にことが書いてあるところだからです。

 一番大事なこと。

 それは、人とのやり取りを育てることです。

 やり取りを育てるためには、まず安全と安心がなくちゃいけませんでしょ。でも、それだけでは全く足りませんね。やり取りするためには、発達トラウマ障害(DTD)の子どもが一番苦手な「信頼」を育んでいかなくっちゃなりません。人は「信頼」=根源的信頼感が豊かであればあるほど、人とのやり取りが豊かにされるからです。逆に、やり取りの深まりに、子どもの根源的信頼感の豊かさを実感できるわけですね。

 でも、セラピー関係がよくなっただけでは、これまた足りません。学校での生活の中でもやり取りを育んでいかなくてはなりませんからね。そこで必要なのは、発達トラウマ障害(DTD)の子ども達がやらかす、人を不安にさせたり、イライラされたりする行動に意味を、学校にいる人たちに伝えて、理解を促すことなんですね。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする