エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

相手をずっと見るのは、ガン(眼)付けとアイ・ラブ・ユー

2016-08-22 07:35:50 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
プロフェッショナル ルターの流儀
  信頼があれば、どんな仕事でも、司祭や牧師と同等の働きが出来ます。それが最初のルターの考えでした。 Young Man Luther 『青年ルター』p.220の第2ラ......
 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。対人関係の難しさの1つは、ソーシャル・スキル・トレーニングをいくらやっても、気持ちのやり取りまではできない、ということでしょうし、発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子どもが一番不得手なのは、この気持ちのやり取りです。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.148の、第4パラグラフから。

 ブルース・ペリー教授を見つめ続けるコナーに、ブルース・ペリー教授は何と言うのでしょうか?

 

 

 

 

 

 「ねぇ、ずっと人のことを見てるのって嫌でしょ」と私が言いました。

 「いつ私は人を見てるかなぁ?」

 私が説明したかったのは、しばらく相手を見たら、視線を相手から外すのがいい、ということでした。ずっと相手を見てるのは、がん付ける時と、好きだ、と言いたいときで、それは状況次第だということでした。

 

 

 

 

 

 このように、アイコンタクト一つでも、ソーシャル・スキル・トレーニングは大変ですね。ブルース・ペリー教授のきめ細かさができ居る感じです。

 

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セラピーそのものも、お祈りです

2016-08-22 07:09:48 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
悪魔、登場!
  rejectivity リジェクティヴィティ 「大事にする相手の仲間から、仲間はずれにしたい、底意地の悪い気持ち」は、子育てから国際政治まで、非常に射程の長い課題です。......
 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもやる気が出てくるのは、お友達と共働で、演劇や音楽などをする時みたい。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.358から。

 

 

 

 

 

 私どものNCTSN(国立子どもトラウマ・ストレス・ネットワーク)はお役に立っています。子ども等は心配が少なくなりますし、気持ちのやり取りが出来るようになります。その上に、喰って掛かることや、押し黙っていることも少なくなります。子ども達が生活がうまくいくようになりますし、勉強も進みます。気が散ったり、チョロチョロ動き回ったりすることや、「反抗挑戦」の問題も減っていきます。親たちは「うちの子は寝つきが良くなったみたい」と言いますしね。困ったことが子どもやその周囲には、まだありますけれども、子ども達は何があったかを話してくれるようになります。治療がうまくいくのは、治療が共働という泉と、安全、やり取り、想像力という生得的な応答性を活用できた場合です。

 

 

 

 

 こうして来れば、金森俊朗さんや寺本松野さんと同様、セラピーそのものがお祈りです、といえますでしょ。

 

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インターメッツォ: 看護の心

2016-08-22 05:28:13 | 間奏曲

 

 

 
お前はいつも、居て欲しい時に、居ないじゃないか!
  子どものころに、その創造主を覚えなさい  「アーメン」という言葉には、計り知れない、人智を超えた深い意味がある。そのことを考えただけでも、不思議な感謝が......
 

 今朝は、『看護は祈り 寺本松野ことば集』から。

 

 

 

 真実を告げるという場でもっとも必要なことは、

 病人の人間性に賭けることです。

 人間の素晴らしさを信じることです。

 

 

 

 

 

 

 昨日の金森俊朗さんと同じでしょ。

 素晴らしい仕事をしている人の共通点は、人間のすばらしさを信じることです。

 

 

 

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マインドフルネスと救いの力  それから、C. G. ユング

2016-08-22 04:54:59 | 間奏曲

 

 

 
プロフェッショナル ルターの流儀
  信頼があれば、どんな仕事でも、司祭や牧師と同等の働きが出来ます。それが最初のルターの考えでした。 Young Man Luther 『青年ルター』p.220の第2ラ......
 

 サイエンスZEROで、マインドフルネスが取り上げられていましたね。
 私は寝る時間が早いので、先ほど録画で見たんですが、マインドフルネスの基本的なことを教えていただきましたね。

 マインドフルネスが最近注目され、様々な人が実際に取り組んでいるようです。

 何故でしょうか?

 ビジネスに役立つから。

 うつ病などの病気の治療に役立つから。

 落ち着くから。穏やかな気持ちになれるから。

 マインドフルネスが脳の働きや脳の構造、遺伝子までに、良い影響があることが分かって来たから…。

 マインドフルネスは、座禅などの、仏教の瞑想から宗教性を取り除いた治療法と見なされています。それは、念、今の心、すなわち、今を、五感を総動員して感じること。ストレスは、過去にあったことをいつまでもクヨクヨしたり、将来のことをアレコレ考えてしまうことから来ますよね。思い煩いこそがストレスです。でも、五感を総動員して、呼吸、足と地面、お尻と椅子、風の音、…を感じる。過去や将来のことをアレコレ考える自分に気付いて、そこから、今を感じるこころに戻る練習です。

 これは、瞑想ですし、キリスト教で言えば、お祈りです。お祈りは、神が語ることに心の耳を傾けること

 ユングは、「心の旅」について語る中で、同様なことを言っています(The Collected Works of C. G. Jung, vol9-1)。

本当の自分に出会うことは、不愉快ですから、なるべく避けて通りたいところです。…自分の影を知ることは、自分が一人ぼっちで、役立たずだということを思い出すことになりますから。…自分には出来ないことがあることを認めることには、正直で、ウソとコマカシがないという利点と、現実と一致することがあります。これは、集合的な無意識からの相補的な反応を呼び覚ます基盤となりますね。すると、役立つ考えや直感に気付けるようになりますし、今まで思いもしなかった思いに気付けるようになります。おそらく、このような時に生まれてくる夢に注意を払ったり、いまここで生じてきている、心の中の出来事や外の出来事に、よくよく思いを致すことになるでしょうもしもこの態度になれれば、人間の本性の深い層にまどろんでいる救いの力が目覚めて、心の中で働き出しますよ。…お祈りは、これと同じような態度になりますし、同じ効果があるものですね」。

 

 

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