「出藍の誉れ」。ご存知ですか? 恥ずかしながら、私はよく知りませんでした。「故事・ことわざ辞典」によれば、「藍草で染めた布は藍草よりも鮮やかな青色となるが、その関係を弟子と師匠にあてはめて、弟子が師匠の学識や技術を越えるという意味。学問の重要性をうたった荀子の言葉から」(http://kotowaza-allguide.com/si/syutsurannohomare.html)だそうですね。
私は、この言葉を、先日、名古屋大名誉教授の安彦忠彦先生から教えられました。先生が早稲田で教えていた時には、私を教育学部の授業に招いて下すったこともあります。「出藍の誉れ」は、子どもが親や教員を乗り越える自由を意味するものだ、ということで、安彦忠彦先生は、これを、「子供の未来決定の自由」と読み替えておられます(『「教育」の常識・非常識 ―公教育と私教育をめぐって―』早稲田教育叢書28,P.93)。
今の公教育が、あまりにも、子ども達を既定路線に乗せようとして、結局は、既定路線にも載せられずにもがいていることを日々目の当たりのしている私にとっては、この「出藍の誉れ」=「子供の未来決定の自由」が今こそ大事だと感じます。
子どもは、私ども以上の存在になって、未来をより善く、希望に満ちた世界にして貰いたいと、強く願っています。