エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

やっぱり、発達トラウマ障害(DTD)は怖い!

2016-10-26 08:25:41 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
骨身に沁みた体験は、沁み出しやすい
   ルターは、現実に引きずられ過ぎて、信頼の言葉とは違う態度に出てしまいました。 Young Man Luther 『青年ルター』p.236の8行目途中から。......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p163、最後のパラグラフから。

 

 

 

 

 

 これは、危険があることもほとんど解らなかったたくさんのケースの1つです。「抱っこ」療法の支持者たち(残念ながら、未だに存在します)は、トラウマのある子ども達の課題は、子どもの頃に虐待されたり、ネグレクトされたために、親に対する愛着関係が弱いからだと信じてたんですね。多くの場合、それは真実でしょう。私どもが気付いたように、赤ちゃんの頃に、大事にされたり、温もりを経験したりすることができないと、その子どもは、人を仕切るようになったり、人の気持ちが分からなくなったりするんです。レオンがそうでしたね。「抱っこ療法」がまた唱道している信念は、私の意見ですが、大事にされたり、温もりを経験したりできなかったり、不十分だったりすれば、健康の対人関係を司る脳の発達が阻害されてしまい、ということです。

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)って怖いでしょ。さっきのヴァン・デ・コーク教授の話では、境界性人格障害(BPD)になるは、こちらでは、対人関係を司る脳の発達がうまくいかなくなるは…。

 

 

 

 

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真に開明的で、革新的な事業とは…。

2016-10-26 07:48:26 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
ヨガとバイオフィードバック療法
  ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.140、ブランクから。

 

 

 

 

 

トラウマを負わされた生育歴をどうとらえるか?

 

 1985年に私は精神科医ジュディス・ハーマンと協同研究を始めました。その最初の本、『父‐娘近親相姦』が最近出版されました。私ども2人は、ケンブリッジ大学病院(ハーヴァード大学の研修病院の1つです)で一緒に働いていましたし、トラウマが患者さんの人生にいかに影響するのか? ということに共に関心を抱いていましたから、定期的に話し合い、カルテを比較しました。私ども2人が強い印象を持ったのは、境界性人格障害(BPD)と診断された患者さんたちの多くが、ベッタリしているのに、非常に不安定な関係、極端な気分の上下、自己破壊的な振る舞い、たとえば、自傷や自殺企図の繰り返し、に特色があったことです。子どもの頃にトラウマを負わされたことと境界性人格障害(BPD)の間に何か関係があるのかを明らかにするために、公式の研究会を持ち、アメリカ国立衛生研究所に助成申請しましたが、断られてしまいました。

 

 

 

 

 

 ヴァン・デ・コーク教授とジュディス・ハーマンさんの臨床研究。いまは、発達トラウマ障害(DTD)の人の相当数の人が、境界性人格障害に「発展」することは周知の事実ですが、それも、この2人の研究に端を発してたんですね。

 何でも、開明的、核心的なことは、最初は見向きもされないか、バカにされるか、その両方のことがほとんどでしょう。しかし、そこに踏みとどまるものだけが、真に開明的で革新的な事業を展開することができるのです

 

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 自分が確かにされる 三位一体

2016-10-26 02:20:05 | 間奏曲

 

 

 
主権者教育の基本の「き」
 愛着障害の子どもたち 愛着障害の子どもたち。このブログでも何回かご紹介しています。先日初めての小学校に伺いまして、愛着障害の子どものことを、壊れたテープのよう......
 


 

  Chilhood and Socirty から。p.249から。

 

 

 

 

 

 自分が確かにされる感じは、のちのち、「大丈夫」という感じ、自分自身でいられる感じ、人が期待するものに私はなれる感じを組合わせることになるんです。

 

 

 

 

 

 

 自分が確かにされる感じ、アイデンティティは、3つの要素が1つにまとまった、文字通り三位一体です。

 

 

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インターメッツォ: 光の時

2016-10-26 01:46:17 | 間奏曲

 

 

 
確かな私
  日頃あまり意識しないだろう「≪私≫という感じ」は、「私」の中心であるばかりではなくて、イキイキ・ピチピチ生きる上で不可欠ですから、いくら強調していも、強調し足りませんね......
 

 光の時。光の道。

 富士山に登る人も、ご来光が見たい、と言う人が多いでしょ。人は心深く光を求めている存在です。オリエンテーションと言う心の傾きも、「光の方を向いている」という意味ですからね。

 がしかし、光は、外から来るものばかりではないようですね。内側から光る光、があることを教えてくれるところです。

 ヘンリー・ナウェンの『魂の向き』Spiritual Direction、p.95。

 

 

 

 

 

 「ルカによる福音書」で、イエスが山に登って、祈る場面を読むことができます。その時、ペテロ、ヤコブ、ヨハネも一緒でした。そこで3人は、イエスが祈っていると、イエスの様子が変わったのが分かりました。イエスの着物が太陽のように輝いて…。

 ペテロ、ヤコブ、ヨハネは、イエスが山で光に満ち溢れているのを見た時、永遠に続く明確なヴィジョンの時を求めています。…3人の経験、あるいは、ヴィジョンは、時(カイロス)が満ち、恵みの時です。

 

 

 

 

 クエーカーの人たちは「内なる光」と言いますね。それは、明確なヴィジョンを与えられた時であり、何物にも代えがたい、晴れ晴れとした気持ちになれる解放の時です。別に物理的に光が溢れる訳ではないのです。それは、「まるで太陽が輝いている感じ、雰囲気」を周りの人が感じる時です。

 

 

 


 

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「善意の暴力」と「悪い良心」

2016-10-25 08:32:57 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
信頼の言葉も台無しになる言葉
   「いってること」と「やっていること」を一致させること、それがあらゆる真実の関係の基本の「き」です。 Young Man Luther 『青年ルター』p.235の最......
 

 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog 「犬として育てられた少年」。p163、第2パラグラフ、10行目途中から。インチキ療法のひどさの続き。

 

 

 

 

 

ラップ家と、ヴァーノン一家の子ども達を住まわせたバーバラ・バースと言う1人の女性は、この「抱っこ」療法をしてたんです。しかも、自分たちのやり方も付け加えてたんですね。それは、子ども達に、階段を駆け上がったり、駆け下りたりさせて、子ども達を疲労困憊にさせて、泣かせてから、「抱っこ」療法を始めたんです。

 

 

 

 

 

 「善意の暴力」って、恐ろしいでしょ。ひどいことをしてても、子どもが疲れ果て、泣いているのに、それでも、自分が酷いことをしているという自覚、気付きが全くございません。

 ここには書いてないですが、この「善意の暴力」をやらかす人は、「私だって、こんなにガマンしてんだから」と内心思っている、「悪い良心」の人と相場が決まっています

 

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