医学の教科書にも書いていない、
医学部でも、その詳しい症状について教えていない、
多くの医師も知らない、
新しい概念の「脳脊髄液減少症」の病名を
新聞やテレビ、あるいはネットで、偶然見つけた
あるいは、耳にした患者さんと、
偶然似た症状の他の患者さんや、たまたまこの病名を知っている医師に
この病名を教えられて、
自分の症状との類似性に気づいた患者たちだけが、
次のステップである「医師探し」ができるのです。
次の、医師探しの困難な道のりを
詳しく書きたいところですが、
病院を受診した段階で
患者がすでに選抜されている ということを、
たとえでもう一度、説明したいと思います。
たとえば、
Aグループの
オリンピック100メートル走決勝戦に出た経験のある選手グループと
Bグループの
ごく一般人のさまざまなタイムの100メートル走のグループが
いたとして、
グループごとに走らせて計測して(検査して)みたら、
Aグループの選手の9割が、9秒を切った。
しかしBグループはそんな早いタイムの選手は
ほどんどいなかった。 (当然ですが)
こんな時、
否定派先生のご意見は、
「なんでAグループは9秒台が9割もいるんだ。
選手からそんなに多くの9秒台のタイムはでないはずだ。
タイム計測がおかしいんじゃないのか?」
と言っているようなものだと私には感じます。
さらに、たとえるなら、
Aグループの
学力偏差値 80の学生集団と
Bグループの
学力偏差値 50の学生集団がいたとして、
同じ学力検査テストを同時にしてみたら、
100点とった人数が
Aグループは全体の9割を越えていたのに、
Bグループは全体の3割にも及ばなかった。
「Aグループだけが100点を取った人数が9割に及ぶのはおかしい、不正があったのではないか?」
といっているようにも感じます。
つまり、
もともとの調査対象者集団のレベルが
はじめから違っているということが
考えから抜け落ちているのです。
Aグループを以下の患者集団に置き換えてみてください。
「体調不良を抱えながら、どこの何科を受診しても、
さまざまな検査をしても異常なしと言われ続け、
それでもなお、治りたくて受診しつづけ、
こんどは、異常なしなのに受診し続ける患者と
いうことで、
冷たい扱いを受けたり、
精神科にまわされたり、
患者の人権を踏みにじるような
ひどい言葉を医師から投げつけられ
心が深く傷つけられながらも、
それでもなお、治りたくて必死でドクターショッピングを繰り返していて、
ある日、脳脊髄液減少症という病名を知り、
その症状と自分の苦しんできた症状との類似性に気づき、
この症状と、過去の事故経験の因果関係も知り、
自分とのさらなる類似性にも気づき、
脳脊髄液減少症の医師を探しだし、
やっと予約を取り、医師を受診した患者グループ。」と。
Bグループを
「体調不良を感じて病院を受診した
ごく普通の患者グループ」と
置き換えてみてください。
Aグループの方が、脳脊髄液減少症と
診断される確率が高くなるのは
当然だと思います。
もともと脳脊髄液減少症の可能性が高い、
自然に選びぬかれたような患者しか
脳脊髄液減少症研究会の医師のいる病院には
たどりついていないのですから、
一般の病院での一般患者での診断比率と
比べること自体が、おかしな話です。
ましてや
正常人が数多く脳脊髄液減少症に詳しい医師を
受診しているとは、とうてい考えられません。
なぜなら、
本当に異常もないような正常人が、
脳脊髄液減少症の病名すら知らない医師がいるほど、
情報が少ない中で
脳脊髄液減少症かもしれない、と思い、
幸運にも病名を知った患者が、
数々の苦労をして、やっと医師を探しだし、
苦しい症状に耐えながら、初診まで
最長2年の予約待ちをしてまで、
しかも
さらに交通費と時間をかけてまでして、
健康保険も適用されないような
自費での高い治療を受けに、
わざわざ脳脊髄液減少症研究会の医師を
訪ねるわけがないからです。
それに、正常人が
痛みやリスクも伴うRI検査を受けてまで、
自分の不調の原因を突き止めようなんて、
まず、考えないと思います。
つまり、正常人が
脳脊髄液減少症研究会の医師を受診する確率は
かなり低いと思われます。
第一、本当になんでもない気のせいだけの正常人が
ドクターショッピングなんてしませんよ。
まして、ドクターショッピングの末に、
こんな大変な思いまでして、
脳脊髄液減少症に詳しい医師を訪ねたりしませんよ。
そんな体力と、時間
と、お金
があったなら、
正常人なら
もっと楽しいことに、使うはずです。
受診する患者の気持ちになって、冷静に考えれば、
そういうことに、誰でも気づくはずだと思うのですが・・・。
(つづく)