現在私はほとんどクスリを飲んでいません。
本当にごくたまに、
1年に1度か二度、
鎮痛薬を飲んだり、痛み止めの塗り薬を塗ったり、
漢方や薬酒を飲んだりするぐらいで、
ほとんど西洋薬は飲んでいません。
しかし、かつて
脳脊髄液減少症が原因だとわからなかったころ、
不眠や過眠や、だるさや、思考の混乱など、
さまざまな精神的身体的症状がつらくて、
何とか治りたくて
さまざまな病院のさまざまな分野のドクターを受診する
ドクターショッピングをし、
そのたび各診療科で処方される薬を、
ワラにもすがる思いで飲み続けたことがあります。
中には精神に作用を及ぼすクスリも複数ありました。
SSRIのルボックス、パキシル、睡眠導入薬ハルシオン、リタリン、抗不安剤
などなど・・・・
婦人科では漢方薬も、ホルモン剤も処方されました。
今でこそ、ほとんどクスリに頼らない私ですが、
まさに、「クスリ漬けの日々」の時代もあったのです。
そんな私が、
脳脊髄液減少症とわかる少し前から、クスリを一切断ちました。
脳脊髄液減少症とわかってからも、
それ以後、
たとえ
どんな症状が出ても、ほどんどクスリにたよらず他の自己流の
緩和方法で、まぎらわせて耐え忍び生きてきました。
激しい頭痛、腹痛、内臓痛の時だけ、気休めに鎮痛剤を飲みましたが、
背中や四肢の痛みの場合は、
飲み薬ではなく、塗るゲルタイプの鎮痛剤を
愛用してしのぎました。
なぜ、そんなにまでして薬を遠ざけてきたか・・・?
私が飲みクスリをやめたわけ・・・。
それは・・・・、
脳脊髄液減少症でありながら、長年そのことが判明せず、
原因にあった治療でないから、何をやってもどんな薬を飲んでも効かないし、
治らないし、
なかなか治らないと、精神的なものだと
医師にも周囲にも思われ、心も深く傷ついて、
医療不信、医師不信、人間不信、クスリ不信、になってしまったという理由もあります。
でも、
一番決定的だったのは、
脳脊髄液減少症の超短期記憶障害と思われる症状により、
さっき自分でクスリを飲んだことを忘れ、
また、直後に同じクスリを飲んでしまっているような自分に、
うすうす気づいてしまったからです。
さっきクスリを飲んだか?飲まなかったか?
自分の、しかもついさっきのことなのに
確信が持てず、定かでないことから、
そんなあやしい自分に気づきました。
いくら服薬記録をつけても、
そのメモもノートもどこかへしまい忘れたり置き忘れたりして、失くす自分。
自分が「自分の服薬管理もできないこと」に気づいてしまった時、
クスリの連続服用による、2倍量、3倍量を一度に飲み、
飲みすぎによる身の危険を感じました。
一時はあれほど、クスリに頼っていたのに、
クスリでは,
自分のつらい症状の、「根本的な治療にはならない」と
思い知ってしまったことも、
クスリから離れる一因になりました。
クスリは対症療法でしかないとわかった以上、
また、自分で自分の服薬管理もできず、
クスリを多量に飲んでしまいかねない危険があることに気づいた以上、
薬に頼ることは
私にとってはメリットよりもデメリットの方が高いと判断し、
「今後は原則的にやめよう」と思いました。
脳脊髄液減少症とわかってからは、
症状のひとつひとつにとらわれず、ありのままに症状を受け止め、
体がその症状で何を伝えようとしているのか感じながら、
耐えてきました。
症状の大元の脳脊髄液漏れとか、脳脊髄液の減少という根本原因を
医師とともに治すことに全力を尽くし、
耐えられる症状はありのままに感じ、受け入れようと
思いました。
おかげで自分の体がどんな症状を出し、どんな反応や信号をだし、
自分がそれを感じるかをクスリの作用でぼやかすことなく、
つらかったけれどありのままに感じとれたと思います。
だからこそ、脳脊髄液減少症の症状のことが
今、詳しく書きとめられるのかもしれません。
それでも、
耐え難い頭痛、腹痛の時は鎮痛剤を飲み、
耐え難い背中の痛みには塗る鎮痛剤を使ってしのいできました。
症状のガマンのしすぎで、心や精神が壊れて、
病と闘う気力がうせてしまっては、元も子もないからです。
「今私にはクスリの助けが必要だ。」と
自分で判断した時には、クスリに頼って、
その苦しみを一時的に緩和させ、生きる気力や
病に打ち勝つ気力を失わないようにとは心がけてきました。
でも、基本的に、
睡眠薬や、向精神薬などは一切やめました。
連続飲用してしまいかねない自分が
睡眠薬や、抗精神薬などのクスリを、
きめられた分量以上に服用することは、非常に危険だと思ったからです。
ボルタレンなどの強い痛み止めも、連続服薬で一度に多量に摂取されれば危険だと思います。
直前記憶が消えるということは、
自分がついさっきクスリを飲んだことを忘れ、
また連続して同じクスリを飲んでしまう危険もあるのです。
そういう認知症患者のような状況が、私個人に限らず、
年齢に関係なく、
脳脊髄液減少症患者に起きてしまいかねないということを
脳脊髄液減少症治療に関わる医師の皆様には、
ぜひとも知っていただきたいと思います。
医師の皆様も、
脳脊髄液減少症患者に、向精神薬や睡眠薬などを処方する際には、
一見、その患者が若くて元気そう、普通に服薬管理ができる
まともそうな人に見えても、
その患者が脳脊髄液減少症という診断がついているなら、
まず、一応服薬管理ができるかどうか?を確かめてほしいと思います。
それには、まず、
普段から物忘れはないか?
脳脊髄液減少症になってから、落し物、なくし物は増えていないか?
置き忘れ、しまい忘れの症状はないか?
なべ焦がし、水の出しっぱなしなど
自分が直前にした行為を忘れることが、
日常生活で頻繁にあるか?
などの質問をして、「直前記憶の消失」という症状の有無についても
確認して患者の状況を把握していただきたいと思います。
もし、その患者さんに記憶障害の有無や
直前記憶の消失という、脳脊髄液減少症、特有の症状が
あるように判断されたなら、
一見しっかりしているように見える患者さんであっても、
患者本人が「服薬管理はできる、大丈夫だ。」と言っても、
医師の判断で、患者の服薬管理をしっかりしてくれる家族がいるか?を確認して
家族に理解と協力を求めた上で、
薬を処方したほうが安全なのではないかと、
私は
自分のこうした「記憶障害での危険な経験」から
思っています。
付録
(脳卒中で脳機能を失いながら、奇跡の回復を成し遂げられたジル博士も
翻訳本の「奇跡の脳」の中で、
「回復のためのオススメ」の中の
「最も必要だった40のこと」の最後の一文に
「薬物療法」について博士のお考えを書かれていますが、
それは私が経験から学んだクスリに対する考え方と同じで大変驚きました。
この本はこの部分しか読んでいませんが・・・
気になる方はご一読を・・・。)