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コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

冬の硫黄岳 ~ 横岳縦走・・・赤岳天望荘

2012-02-23 22:37:41 | インポート




地蔵ノ頭で今、午後2時です。

これから地蔵尾根を下り、南沢経由で美濃戸口の駐車場には

だいたい、5時30分位でしょうか、なんとか明るいうちに

戻れそうです。 また、その予定でしたが・・・・・実は・・私

明日も仕事は休みで連休なのです。

ここから、すぐそこの天望荘 2月10日から冬季営業しているはずです

厳冬期の稜線で唯一、営業している山小屋ですね、以前から機会があれば

泊まってみたいと思っていました。

岩陰で携帯を取り出し、家に電話をして、まずは、許可をもらいます。     
こんな所からも気軽に電話ができる時代なんですね・・・・



















宿泊一名、よろしくお願いします。

Photo_25

・・・写真は翌朝、撮ったものです

小屋へはアイゼンを付けたまま入ることができますよ

厳しい稜線だからでしょうね







今日は、空いているので個室を使わせてもらえました。

Photo_26

三畳一間の小さな・・・・ちょっと違うな

寝台特急さくらB寝台個室という感じですね・・なんだか嬉しい(^^)





上に布団を敷いて、少し横になります。

稜線に出てから前半は、風に吹かれっぱなし、後半は、緊張の連続で

やはり疲れましたね、少し横になり窓から景色を見ると、奥秩父周辺の

山々が良く見えます・・・・なんと贅沢なことか





Photo_28


天望荘は、3月10日まで営業するそうです。

2食付で、¥9000です。


1月の末、強風と低温で小屋の脇で何とか風を避けようと必死でしたが

もしあの時、小屋が営業していたら・・・・・じゃ~ちょっと

コーヒーでも飲んで、暖まっていきましょうか~

な~んてことになるのかな・・・・







私なんか、古いのか 厳冬期の赤岳の稜線で寒いので、ちょっと

コーヒーブレイク・・・なんて

登ったことにならないじゃないかと思ったりもしますが

まあ、あんまり小難しいことは考えないで              

顔や指が凍傷になるよりは、中に入って暖まっていったほうが

賢明でしょうか。





ごろごろしながら、こんな、くだらないことを考えたり

また靴を履いて、小屋の外をブラブラしてみたり・・・


        



早く夕日が見たいな・・・ここの楽しみは、何といっても

沈む夕日に、赤く染まる稜線、刻々と変わる空の色

そして、もちろん、ご来光も・・・

夏ならともかく、厳冬期の山で、こんな景色をノンビリ楽しめるのは

きっと、ここしかないでしょうね










夕方になると、少し雲ってきてしまいましたが

コンデジ持って、景色を眺めに外に・・・3~4分でもう凍りそうになり

再び小屋の中へ、少し暖まると、また外への繰り返し


Photo_29






Photo_31








Photo_30








今日の宿泊者は、私以外、10名のシニア団体と2名のカップルの13名

夕食の時、私だけ一人、もくもくと食べていると、小屋の方が

気を使ってくれて、 ~ これでも飲んでゆっくりしてください~と

缶ビールをサービスしてくれました。

昔は、よく山小屋を利用しましたが、こんなに気をつかってもらうなんて

初めてです。 

ほんとうに、ありがとうございました m(_ _)m 

夜は、湯たんぽのサービスもあり、暖かく快適に休むことができました




翌朝は、早く目がさめ、外が気になります

夕べは、布団に入ると窓を叩く風の音がよく聞こえました。

靴を履いて、そーっと様子を見に出てみます。

Photo_32

風が強く、ガスが掛かっているようです

しかし、今日もそんなに寒くないみたいです。













しばらくすると、東の空が明るくなってきました。

Photo_33





日か昇ります

Photo_34







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荘厳と静寂・・・なんと表現すればいいのかな~




朝食は6時です

私は、昨日の目標達成でもう十分満足で、のんびりテレビを見ながら

食べていたら、10名の団体さんは、サッサと準備を済ませ

赤岳に出発していきました。


Photo_39


今日も快晴ですね!  しかし赤岳は風が猛烈ですね

吹き飛ばされないかな~










私は、もう少しコーヒーを飲みながら、ゆっくり準備しよっと

宿泊中は、コーヒー、お茶、飲みほうだいですよ・・・(^^


一時間もすると、風が弱くなってきました。

今日の最低気温、-11℃ 昨日より更に暖かい朝です。

天気も、昨日以上に快晴です。

こんな日は、めったにないでしょうね、このまま帰るのは、あまりにも

もったいなさすぎます。


よし! もう一度、反対方向で硫黄岳に縦走して帰ろう!



つづく   2月22日









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冬の硫黄岳 ~ 横岳縦走

2012-02-23 12:48:17 | インポート




冬の硫黄岳から横岳までの縦走

今年の冬山の最後の目標です
一つのピークを登って降りてくるのではなく
稜線を縦走して歩き、景色を堪能したいと思っていました。

私一人で行くとなると、天気が一日安定して視界が良く
雪質も安定した日を選ばないと
難しいと思い、そんな日が、私の休日に巡ってくるのを待っていました。

今日、やっとその日が来ました。


美濃戸口に着いたのは、5時30分、45分出発
そろそろ、早朝のヘッドランプも必要なくなる時期ですね

北沢~硫黄岳~横岳~地蔵尾根~美濃戸~のルート
で行きます。

















北沢を進むと快晴の空に横岳が見えてきました。

Photo_2



今日は、冬の八ヶ岳にしては、暖かい朝です。
赤岳鉱泉に8時45分着、気温-8℃ 稜線は-15℃だそうです。






しかし、硫黄岳、横岳を見上げると風は強そうです。

ここにいても、稜線を吹き抜ける風の音が聞こえてきます。


Photo_3







9時に鉱泉を出発、しばらく樹林帯の道を登っていきます。

アイゼンは稜線の手前で付けることにします。


Photo_4






視界が開けてきました。

Photo_5






稜線も近い

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アイゼンを着け、ピッケルに持ち変え、目出帽をかぶり

稜線に出ます。


Photo_7







風はあるものの、視界は素晴らしい

北アルプスも良く見えますね


Photo_8







Photo_9






これから縦走する横岳方面


Photo_10






硫黄岳に向かいます。

先を行く2人、山頂まで、もうすぐです。


Photo_11








火口壁


Photo_12








硫黄岳から台座ノ頭までは、とても広く、なだらかな稜線

ですが、風の通り道らしく、何度も屈みこんで耐風姿勢をとりながら

進んで行きます。

しかし、前回の赤岳と違い、これくらいの気温で陽射しがあると

フードでしっかりと顔を覆っていれば、顔を目出帽で覆をなくても

冷たく感じません。

こらなら、行けそうな気がしてきました。


Photo_13










硫黄岳までは、何組か登っていましたが、皆さんピストンのようです。

ここからは、一人ですね、いよいよ 厳しい横岳です。

途中で、今日、唯一 単独行の人に会いました。

ところが、話しかけても何だか、よくつうじません?

・・・アジア系の外国人の方でした (^^

よく、来ましたね!


いよいよ、最初の難関です。

まず、佐久側のトラバース


Photo_14














丁度、風が当たらないのと、しっかりトレースがあるので

問題ありませんでしたが、すぐに現われる、この急な岩の壁

上の方を見上げると、クサリがあるのがわかりますが

何処をどう登ればいいのか、最初さっぱりわかりませんでした。


Photo_15


良くトレースを見わたすと、東面にクサリが見つかり

そこをアイゼン効かして登って行くことがわかりました。

ハァ~ まずは、一安心 (^^;

登りですので、不安なく登れましたが、反対まわりですと降りになり

注意するところですね








岩場を登りきると、素晴らしい展望が開けてきます。

大同心を上から見ます。


Photo_16





ここから、奥ノ院の先までは、素晴らしい稜線歩きです。

風も、この周辺は強くないし、痩せ尾根もなく、のんびり景色を眺め

ながら行きます。


Photo_17







このピークは、上まで登ってしまい降りられなくなってしまいました。

良く見ると、佐久側を巻いていました。

どのピークも巻いていきます。


Photo_18





いよいよ、最難関、鉾岳のトラバースが見えてきました。


Photo_19


写真で、見るのと実際にその場で見るのとは、スケールが違いますね

こんなに急傾斜だったとは (-_ー;





ゆっくり降りて、トラバース地点に着きました。

Photo_20


トレースが、しっかり付いているので、慎重に進めば何とか

行ける気がします。






クサリは雪で埋まっていますので、ピッケルをしっかり刺して

行きますが、こちら側からですと、逆手になり、少し不安です。


それでも、何とか通過しました。

トラバースした後、氷付いた岩場を登って、再び稜線に出ます

ここは、クサリが、まだ出ているので、一安心


Photo_21





上に出ると、すぐに、こんどは日ノ岳のルンゼ状の急斜面を

下りなければなりません。


Photo_22

ここさえ、クリアすれば、もう地蔵の頭は近い!

しかし、見た目以上に急なうえ、雪が、しっかり閉まっていません

体重を乗せると、ズルズル落ちていくところもあり、ヒヤヒヤします。







ピッケルを深く刺して、トレースに沿って慎重に下りました。


Photo_23


下りてきた日ノ岳を振り返る。







痩せた尾根を、気をつけて進むと、地蔵ノ頭に着きました。

小さくガッツポーズ!

Photo_24


時計を見ると2時丁度です。 硫黄岳から、2時間でした。



つづく









コメント (4)
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