鶴翁和尚 <2>
鶴翁の生没年月日は不明であるが
壮年の頃、京都の東福寺で修行
住持の彭叔守仙(1490~1555年)に教えを受けたとされている
鶴翁が修行を行っていた時、熊野権現を崇信していた
学道成就したならば、かならず熊野を参詣ですると誓いを立てた
帰国後住持となった鶴翁は
誓願を果たすため、国王に暇請いを願い出たが
尚泰久王の許しは得られなかった
鶴翁は再び日本へ渡ることはなかった
ある時夢に人が現れ「師、志を遂げたいと
欲するなら是より北山に向かって大きな声で
呼なさい応じる所に霊験があるだろう
そこが即を居所である、私は熊野権現であると言った」
夢から目覚め、言われたとおり
峰に声を上げると前の山に響きがあった
そこは急崚な山で霊地のようで人蹴のおよぶ場所ではなかった
それでも登ってみると途中鬼が現れ
鶴翁は霊験であると思って、これを拝した
事の成り行きを、国王に奏上すると
尚泰久王も同様霊夢を見たことから
この出来事は、なにか意味のあることであるからと言って
この地に宮を建立した
また鶴翁はこの地を歩いていた時、古鏡を見つけ
それを得て宮内に納めたと云う、などの伝承がある