始祖伝承
波照間島富嘉ムラに始祖伝承が継承されている
昔、大昔の島民は道徳心が乱れ
乱れきった世を天の神は罰するため
生きるもの、全てを焼き殺す、熱い油の雨(アバーミ)を
降らし全ての生き物を焼き殺した
バショーチィと言う洞窟に逃げ隠れた
兄妹だけが生き残った
そして、生き残った二人に最初の子供が生まれた
海水で洗うと、ホーブと言う魚になった
また、二番目の子供が生まれ
海水で洗うと海のムカデになった
それから、二人は洞窟を出て住まいを
ヤグ(富嘉)のミシクに片屋根の小屋を建てて住まいとした
その後シライシ(出産の石)の近くで、三番目の子供を産んだ
その子供を清水で洗うと最初の人間の子となった
その子供はアラマリヌパーと呼ばれ
波照間島の人々の祖先となった
アラマリヌバーとは、新生の女性と言う意味である
アラマリヌパーを祀ったと言われる墓が
保多盛家に言い伝えられている
保多盛家はアラマリヌパーの子孫であると言われ
富嘉ムラの宗家とされ、その血筋の女性が代々シカー(司)を
受け継ぎ、アースクワー(阿底御嶽)のシカーとなっている
波照間島には十種類の始祖神話が存在している