波照間には、仏教としての宗教はないが
仏事としての、十六日祭・旧盆などの
祖先祭祀が先祖供養として行われている
個々の家と、ムラ(集落)全体の盆行事が行われている
盆は旧暦の七月十三日から十六日まで行われる
十三日には、シルキビン(先祖を迎える日)
十五日は、ウグリビン(送る日)まで
先祖と共に飲み食いし楽しく過ごす
中日十四日のムシャーマは、島民総出で
祭が行われ、島最大の賑わいになる
このムシャーマ(世願い)は、豊年祭と盆行事が共に行われ
八重山諸島の中でも特異である
先祖供養をし、豊作・豊漁・航海安全・子孫繁栄なども祈願するのである
盆行事の中心となる、ムシャーマには
来訪神ミルク(弥勒)ガナシを先頭に
ミルクタマ(弥勒の子供)仮装行列が連なる
棒術・獅子舞・太鼓・マミドーマ・ニンブチャー(念仏踊り)など続き
オーシャンに着くと、そこで披露される(奉納)
最後にアーラーヨの歌と曲に合わせて全員で巻き踊りが行われる
八重山の島々には、ミルク(弥勒)は一人だが
波照間島では、東組(南ムラ・北ムラ)、前組(前ムラ)
西組(富嘉ムラ・名石ムラ)と、三神の、ミルクがいる
十五日に先祖を、ウークイ(送る)し翌日十六日に
イタシクバラの行事が行われる
これは盆が終わっても帰らない
迷い霊や悪霊を獅子舞の霊力で追い払い
島民に無病息災と繁栄を祈願する祭祀である