耦園は、清代末期の官僚で蔵書家である、
沈乗成によって造られた私邸です。
庭園の南北と東が川になっていて、北側には船着き場があります。
入園料は20元です。(旅行シーズンは25元)
2000年に世界文化遺産に登録されました。
地下鉄1号線の相門駅から、生活道路を通ってみたければ、倉街を
綺麗な遊歩道を通って行きたければ、相門から川沿いの健身歩道を
10分ほど北に歩いた場所にあります。
もともとこの場所には、渉園という清代前期に造られた邸宅がありました。
1874年に沈乗成がこの跡地を買い取り、
夫婦二人で過ごすための邸宅として、新たに耦園が造られました。
住居部の大楼庁や載酒堂を挟んで、
西花園と東花園に分かれているのが特徴です。
耦の字は偶数の偶と同じような由来で、二つという意味があるそうで、
夫婦二人で仲睦まじく暮らすためという意図で耦園と名付けられたとも、
西花園と東花園の二つの庭園があることから、
耦園と言う名になったとも言われています。
日本の漢字には「耦」がないので、
日本語で紹介される時は「偶」の字を使って、
偶園と書かれていることもあります。
東花園は、池を中心に山水間や望月亭、吾愛亭などが配置され、
建物の間は回廊でつながれています。
筠廊には、夫妻自筆の石碑も置かれています。
いろんな角度から池と黄石假山を眺めを楽しめるようになっています。
西花園には、織簾老屋、蔵書楼、鶴寿亭などの建物があります。
建物の周りも綺麗な庭になっています。
蔵書楼の前には、太湖石や井戸があり、
織簾老屋には、湖石假山という築山が造られています。
他の有名な蘇州の園林とは異なる造りで独特な雰囲気があります。
相門が復元され、遊歩道ができてから少々観光客は増えましたが、
他の有名な園林よりは、そんなに混むこともないので、
ここならゆっくりと散策できます。