玉龍雪山の麓、平均標高2400mの高原地帯にある麗江の街は、
宋代に少数民族の納西(ナシ)族によって築かれました。
1997年に世界文化遺産に登録された麗江古城は麗江の旧市街にあたる場所です。
深夜までライトアップされており、昼も夜も観光客で賑わっています。
古城と呼ばれるだけあって、江南の水郷古鎮とは比べ物にならないぐらいとにかく大きな街。
迷路のように入り組んだ石畳の路地があちこちに続いていて迷子になりそうです。
麗江古城の中心にある四方街では夜になると篝火がたかれます。
民族衣装を着たナシ族の人達の踊りには観光客も一緒になって輪に加われます。
四方街や広い通りには人が多いですが、
細い路地の中に入っていくと観光客の姿も少なくなります。
どの道を通ってもとにかくいろんな店が軒を連ねています。
貴金属から嗜好品、日用雑貨までここに来れば何でも売っているという感じです。
レストランや小吃、バーなどの飲食店も数限りなく。
麗江は南のシルクロードとも呼ばれる、茶馬古道という国際交易ルートの要所のひとつでした。
茶馬古道を使った交易は唐代ごろに始まり、明清代には大いに栄えました。
中国からはお茶や塩、砂糖などが送られ、チベットやインドからは馬やヤク、羊、漢方薬などが運ばれました。
英国など欧州で生産された品物もこのルートで運ばれていたそうです。
近年になって道路が整備されるまで、茶馬古道を使った物資の輸送が行われていました。
残念ながら現在ではもう道は朽ち果てて本物の茶馬古道を辿ることはできなくなっています。
麗江はナシ族によって築かれた街ですが、漢族、白族やチベット族など、
各民族の特色がある建物も古城には残っています。
また漢民族の仏教や道教、チベット仏教、ナシ族のトンパ教などの宗教も混在しています。
ナシ族には東巴(トンパ)文字という絵文字のような独自の象形文字もあります。
トンパ文字は生きた象形文字とも呼ばれ2003年に世界の記憶(世界記憶遺産)に登録されました。
街の中を流れる川や水路の源流は玉龍雪山の氷河。
澄んだとてもきれいな水が流れています。
2005年放送のNHK世界ふれあい街歩きでも紹介されたことがある麗江古城。
コロナさえなければ今でもきっと日本から多くの観光客が訪れていたはずです。
今回の旅は雲南の自然と、茶馬古道の要所である麗江、大理、シャングリラなどの
古い町並みを楽しもうと思って出かけてきました。
麗江古城もすっかり観光地化されて昔とはずいぶん雰囲気も変わってしまっているのでしょうが、
想像していたよりずっと規模が大きく、街歩きを十分楽しめる場所でした。