シャングリラ(香格里拉)は、標高3200mの高地にあるチベット族の街で、
雲南省北西部にある迪慶蔵族自治州(デチェン・チベット族自治州)の中心都市になります。
元々の地名は中甸でした。
シャングリラとはイギリスの作家ジェームス・ヒルトンの小説「失われた地平線」に登場する理想郷の名前で、
このモデルになった街だということで、2001年に改名されました。
独克宗古城は1300年以上の歴史があります。
つい最近までは、古い建物が多く残るチベット族最大の民家群がありました。
残念なことに2014年の1月、独克宗古城は大火災に見舞われ、
歴史のある古い建物のうち、3分の2にあたる300棟近い建物が焼失してしまいました。
幸い亀山の上にあるチベット仏教寺院の大佛寺は火災を免れたようで、
こちらにある世界最大級の巨大な黄金色マニ車は健在です。
また、亀山の周辺もかろうじて消失を免れたようですが、
古城にある建物の多くは火災の後に新しく再建されたものです。
マニ車とは円柱形の仏具で中には経文が入っています。
回すと経文を読んだことになるそうで、文字が読めなくても同等の功徳が得られるそうです。
手で回す小さなものが一般的ですが、寺院などには高さや直径が数mあるような大きなマニ車があります。
大佛寺の巨大マニ車は誰でも自由に回すことができます。
できると言っても数人程度では回りませんので、みなさんで力を合わせて回します。
デチェン・チベット族自治州博物館や紅軍長征博物館などがある月光広場、
昔の観光案内を見ると、多くの観光客で賑わっていて云々と書かれていましたが、
私が行った時はどこにでもありそうな静かな普通の感じの広場でした。
亀山からは古城や新しい市街地を一望することができます。
おそらくこちらが焼け残った方向なのでしょうか、まだ古い建物も残っているように見えます。
今では歴史的価値がほとんどなくなっているせいなのか観光客は少ないです。
古城の路地に人影はほとんどありませんでした。
時間があまりなく、月光広場や亀山の周辺だけを歩いたのですが、
あまりにも人が少なくて路地を進むのをちょっとためらうぐらい。。
散歩した時刻は17時~18時ごろ、とても静かです。
時間帯もあるのでしょうか、観光客の多い夏場はもっと人通りも多いのでしょうか。
シャングリラのある地域は、現在では雲南省の中にありますが、
昔はここもチベットの一部で、茶馬古道の要衝として古くから栄えていました。
いつもこんなに静かなのであれば、歴史的価値は少なくなったとは言え、
ここで暮らしている人達は昔から変わらないチベットの人達ですし、
今となっては、独克宗古城はシャングリラの穴場の観光地とも言えそうです。