麗江千古情景区(宋城茶馬古城園)にある屋内劇場では、
麗江千古情、麗江恋歌などの歌劇や大地震という参加体験型の劇などが楽しめます。
今回、見たのは麗江千古情という、納西(ナシ)族の歌劇。
玉龍雪山景区の印象麗江は10の少数民族が出演していましたが、
こちらはナシ族のみに特化した劇です。
麗江千古情の上演時刻は夕方と夜の2回、季節や繁忙期などで時間帯や回数も変わると思います。
日本の映画館でも使われているIMAX、IMAX3Dシステムが導入されており、
美しく迫力のある映像・音響と歌や踊りを組み合わせた舞台が売り物になっています。
園内には大型劇場の他にも小さな庭園やアトラクション、土産物屋などが並んでいますので、
上演開始まで時間があっても園内で時間がつぶせます。
写真だと小さくて分かりにくいですが、案内標識にはトンパ文字があったりします。
麗江千古情はナシ族について調べてみるきっかけになりました。
劇は、序章、第1~4幕、エンディングの構成になっています。
序章は納西(ナシ)創世記。
現在、中国の西南部に住んでいるナシ族、イ族、リス族、ハニ族などの民族の祖先は、
かつて中国の西北部で遊牧生活を営んでいた羌(きょう)人と呼ばれる人々であるとされています。
中国には55の少数民族がありますが、この数は管理のための分類であって、
実際にはもっと細かく分かれていることも知りました。
このような更に細かい区分のことを支系というそうです。
ナシ族の中でも、ナシ、モソ、マリマサ、ラゼというように分かれています。
第一幕は瀘沽女儿国(ルーグーの女性の国)。
モソの人々が多く住んでいる地域は雲貴高原にある瀘沽湖周辺です。
モソは母系社会、一族の長は最年長の女性で男性には相続権もありません。
世界的に珍しい一妻多夫制度が今でも続いています。
結婚という言葉はなく、男性は女性の元へ通う妻問い婚か、女性側の家に住みます。
第2幕の馬幇伝奇(キャラバンの伝説)と第3幕の古道今風は、
共に南シルクロードとも呼ばれる茶馬古道が題材になっています。
劇の中では、王朝の命を受け茶馬古道を通って物資を運搬するものの、
途中で盗賊に襲われて荷物を奪われたり、命を落としたりと容易な交易ではなかったことや、
茶馬古道の主要な中継拠点や集積地であった麗江では、様々な少数民族や外国との間で、
歌や踊りなどの文化交流も行われてきたことが表現されています。
第4幕の玉龍第三国は、ナシの人達の風習です。
ナシはモソとは違い、古くから漢民族の文化の影響を受け暮らしに取り入れてきました。
明代には麗江の土司制度が始まっており、王朝から任命されたナシ族の領主が自治を行っていました。
劇の中ではナシの若者が親が決めた結婚相手以外の人と恋に落ち、
親の許しが得られないことから死を選ぶという悲しいお話になっています。
このような話は中国では実際に起こっています。
さすがに今の時代ではほとんどありませんが、中国の時代劇ドラマでは同じようなシーンが出てきます。
エンディングは、尋找香巴拉(シャンバラを探して)です。
シャンバラとは、チベットの奥地に存在するとされている伝説上の仏教王国です。
ナシ族は、チベット仏教や文化の影響も受けており、
黒茶と塩、ヤクの乳から作ったバター茶もよく飲まれています。
近年、中国では観光地ごとに地域密着型の劇などで観光客を呼び込むような事業が流行りです。
どこで見てもどれも同じような感じで、もう飽きられているという話もありますが、
運よく?今まで見た劇はそれぞれ違う趣向です。
麗江で見た、印象麗江と麗江千古情は全く違う演出や内容なのでどちらも楽しめました。
※観光地で見る劇の過去記事※