桂林市街地から北東へ80kmほど離れた龍勝各族自治県には、
世界でも最も美しいと言われる棚田のひとつ、龍勝棚田(龍脊梯田)があります。
田植えの始まる4月から6月頃は水田の景色、7月から9月上旬は稲の緑、
9月末から10月末頃は実った稲の黄金色の景色が楽しめます。
龍勝棚田には、主にチワン族(壮族)とヤオ族(瑤族)が暮らしています。
観光景区になっている棚田もチワン族とヤオ族それぞれ別の場所にあります。
景区の入り口から専用バスに乗り換えて棚田へ向かいます。
目的地ごとに乗るバスは分かれているようです。
棚田周辺の少数民族の村などで途中下車もできます。
棚田がある場所の標高は600mから800mぐらい、山の最大傾斜は50度ほどあるそうです。
龍勝に棚田が作られ始めたのは600年以上前の元代だと言われています。
今回訪れたのはチワン族の平安棚田、チワン族は中国における最大の少数民族です。
平安棚田は清代からのもので、七星伴月や九龍五虎と呼ばれる高台からは、
山の下へ広がる棚田の景色を堪能できます。
景区専用バスを降りてすぐの場所に七星伴月まで往復できる乗り合いカート(有料)があります。
また、七星伴月には貸衣装屋さんもあります。
借りて自分たちで写真を撮るなら値段は高くありませんので、民族衣装を楽しんでみるのもよいかと。
七星伴月から棚田を眺めて戻ってくるならカートで往復すると楽ですが、
山の上から見下ろす風景と棚田を見上げる風景をどちらも楽しみたいなら、
片道だけ乗るか、乗らずに歩いて往復する方法でも大丈夫です。
個人的には上りの片道だけカートで歩いて降りるのがお薦めです。
いろいろな場所から棚田の風景を楽しむこともできますし、チワン族の村の中を通ることもできます。
村の中の細い道は迷子になりそうですが、分岐点には案内標識が出ています。
村人に道を訪ねたら親切に教えてくれました。
お昼ご飯に龍勝名物料理?の竹筒ごはんを試してみました。
棚田で収穫したお米でしょうか、竹筒で蒸したもち米と鶏肉などが入っています。
クセのないあっさり味で、値段は10~20元ほどです。
龍勝棚田に暮らす、もう一つの少数民族がヤオ族(瑤族)です。
この地域ヤオ族は紅ヤオ族と呼ばれる人々で女性の長髪で有名です。
天下第一長髪村とも呼ばれる紅ヤオ族の集落には景区バスの途中下車で立ち寄ることができます。
過去のニュースを見ると、女性180人の平均で1.7m、最長では2.1mの髪を持つ人がおり、
”集団的に髪の毛が最も長い村”としてギネスにも登録されているそうです。
18歳で成人してからは1度も髪を切ることはなく、髪型で未婚や既婚などを表します。
観光客相手のお土産物屋さんなどには長い黒髪を巻いたおばあさんたちいっぱい。
不思議なことにみなさん白髪がありません、染めている訳でもカツラでもないそうです。
桂林もそう簡単に行ける場所ではないので、
水田の水が輝く風景か、黄金色の風景を見るか悩んだのですが、
黄金色の棚田を見ることに決めて9月末に行ってきました。
運よくこの日は快晴、眼下一面に広がる美しい景色を堪能できました。