雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

本と映像の森54 原恵一さんアニメ映画「河童のクゥと夏休み」

2010年06月28日 05時19分18秒 | 本と映像の森
本と映像の森54 原恵一さん監督、アニメ映画「河童のクゥと夏休み」

 なんで、このアニメ映画を知って、この「限定版 コレクターズDVD」を買ったのか、さだかではありません。
 古代史の九州との関連で、水神としての河童のことを、ネットで調べていて、という可能性が高いです。

 メイン主人公は、やはり現代に生きる少年・康一くん。サブメイン主人公は、江戸時代に住んでいた河童のクゥさんです。

 クゥさんは、父河童と住処の「沼」が干拓される話を聞いて、領主の侍に直接お願いにいきます。
 その夜の道で、父河童は、侍に腕を切り殺され、クゥ自身は、同時に起こった大地震で地割れに飲み込まれ…。

 康一くんは、帰宅途中に、街を流れる小さな川で、川底に露出した何か「化石」のようなものを発見し、ランドセルに入れて家に持ち帰ります。

 前半は、康一くんの家族とクゥさんの家族物語。
 お父さん、お母さん、康一くん、妹、そして犬のオッサン。

 1人だけ300年も未来に飛ばされてしまった孤独なクゥと人間たちの物語。
 そして、康一くんと同級生の女の子・菊池さんの切ない感情。

 第2幕、康一くんは、生き残った河童を求めて、岩手県遠野へ、クゥをリュックに入れて
 1人ででかけます。
 大人になるための旅行に。
 
 第3幕、康一くんとクゥが家に帰ってくるあたりから、物語はクゥの存在がマスコミにも知れてしまい、家族も変化していきます。

 テレビ局への出演から、物語は大転換し、クゥは犬のオッサンとともに脱走し…東京タワーへ!

 河童のクゥを助けるのは、人間だけじゃありません。
 遠野の○○も、沖縄の○○○○○も。

 康一くんと、少女・菊池さんの切ない恋物語も、すてきです。
 
 もしまだ見てない人がいたら、ぜったい見てください。
 宮崎駿さんのアニメ以上だと想います。
 違いは何かというと、やはり、日本列島の古い、自然や生きものやくらしや人間を
 きちんと描いているから、でしょうか。
 つまり「ナウシカ」や「ラピュタ」や「ハウル」などより、
 自分たちの生きているこの現実世界に、より近いからでしょうか。

 ここまで書いてきて、気がつきました。
 「クゥ」の世界と「トトロ」の世界が似ていることと、違っていることに。

 「トトロ」は最初から最後まで、田園・里山の世界に終始しますが、
 「クゥ」は自然に住む河童を、都市の人間の家に住ませてしまい、
 マスコミにも出演させてしまう。
 よりリアルに、端的な表現で、自然と人工の相克を表現できているように想います。
 「トトロ」は、自然のなかでの物語に終始することで、自然と人間、自然と人工の相克は回避しているのではないでしょうか。

 



 
 
 

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