雨宮家の物 11 きれい好きの則子さん、台所のテーブルクロスを変えました
大げさな理念や、崇高な目標もだいじですが、理念や目標や観念を実現するための物質的なもの、日常的な「物」がだいじと思い、この「雨宮家の物」コーナーを書いています。
きれい好きで、片付け大好きの雨宮則子さんと、きれいとかせいけつとかごみとかあまり気にしない雨宮智彦くんが、30数年間も同じ家で、同じ部屋で、なぜいっしょにいられるのか、破断にならないのかは、「雨宮家の7不思議」の第1です(第2から後が何かは知りませんが)。
夏になるのを前にして、4月末に、台所のテーブルクロスを新調しました。
こういう視点は、ボクにはないんですね。尊敬します。(うわ、「尊敬してないで、早くゴミを捨てなさい!」と言われそう)。
そうだ!目の前の事態から行動を起こしていく則子さんと、自分の根源的なと思う思考から自分の行動を起こしていくボクでは、そもそもの方向性が違うんですね。
だから、二人の人生の違いがあまりにおもしろくて、夫婦生活が30数年、成り立ってるのでないかという「仮説」が立ちます。
目の前の事態から行動していく則子さんは、過去の事態や現実にあまり気にしないので、家で炊事をしていて、玄関に誰かが来ると、そっちに意識が飛んでしまい、自分が台所で鍋をぐつぐつしていたのは忘れて、新たな事態に全面的に意識を向けてしまえるんですね。
則子さん、何度、お鍋をこがして、危うく「火事」になりかけた、ことか。
過去から未来へ時系列で考えている、めんどくさい考え方のボクは、過去にぐつぐつ煮ていた「過去」「お鍋」が気になって、則子さんのように未来へ全面的に身を投げ出すことはできなくて、どうしよう、過去か未来か、いったりきたりするんですね。
白いメーヴェに乗って、風の谷からどこまでも飛んでいくナウシカのように、則子さんは、白いバイクに乗って、どこまでも飛んでいきます。
ぼくは、必死になって飛翔するナウシカの後を追っていく、工房都市ペジテのアスベルでしか、ありません。
宮崎駿さんがマンガ版「風の谷のナウシカ」の中で、ナウシカの相手を、当初のアスベルから、「森の人」に変更したことは、一部のファンにはすごく不評でした。ぼくも、そうです。
ボクは人類の未来を行動で救おうとするナウシカ=則子さんの後を追って、ナウシカ=則子さんと共に生きようとするアスベルです。
自分の「思考」の力でも、すこしはナウシカの「行動」の助けになるのではないか、と思いながら、生きてきた30数年、それを書いていけたらと思います。
仮称『銀河とタンポポ ー雨宮智彦自伝ー』を、近いうちに始めます。則子さんとぼくの物語です。