ことばと詩 62 田中芳樹『銀河英雄伝説 2 野望篇』より商人・コーネフ船長のことば 20210620
『銀河英雄伝説』の3回目。商業国家フェザーン自治領の28才の若き商人・コーネフ船長のことば。
コーネフは、どちらかと言うと、アイザック・アシモフの『ファウンデーション』における貿易商人的存在だと思う。3巻以降で、どういう役割を果たすのか楽しみです。
ヤン・ウェンリーとかなり近しい立場になり、重要な役割を果たすんじゃないと予測する。
「マリネリスが感心のあまりはげあがった額をなでまわした。
「いい人ですな。キルヒアイス提督は」
「気の毒にな」
「え、なにがですか」
「いい人間は長生きしないよ、とくにこんなご時勢にはな」
コーネフはマリネリスを見やったが、返事がないので自分の席へ歩いて行った。
その後姿を見送りながら、事務長は首を振った。うちの船長は、必要もないところでかっこうのよい台詞(せりふ)を言いたがる癖さえなければーそう思ったのである。
地球までは、まだ遠い道程だった。」
(「第4章 流血の宇宙」、p101)
『銀河英雄伝説』の3回目。商業国家フェザーン自治領の28才の若き商人・コーネフ船長のことば。
コーネフは、どちらかと言うと、アイザック・アシモフの『ファウンデーション』における貿易商人的存在だと思う。3巻以降で、どういう役割を果たすのか楽しみです。
ヤン・ウェンリーとかなり近しい立場になり、重要な役割を果たすんじゃないと予測する。
「マリネリスが感心のあまりはげあがった額をなでまわした。
「いい人ですな。キルヒアイス提督は」
「気の毒にな」
「え、なにがですか」
「いい人間は長生きしないよ、とくにこんなご時勢にはな」
コーネフはマリネリスを見やったが、返事がないので自分の席へ歩いて行った。
その後姿を見送りながら、事務長は首を振った。うちの船長は、必要もないところでかっこうのよい台詞(せりふ)を言いたがる癖さえなければーそう思ったのである。
地球までは、まだ遠い道程だった。」
(「第4章 流血の宇宙」、p101)