雲は完璧な姿だと思う。。

いつの日か、愛する誰かが「アイツはこんな事考えて生きていたのか、、」と見つけてもらえたら。そんな思いで書き記してます。

ノーベル文学賞と金網

2013-10-13 13:58:39 | 面白い
村上春樹さんのおかげで、
ココ数年、毎年話題になるノーベル文学賞。
春樹さんは今年も受賞とはなりませんでした。
いつか獲るとは思いますが。(^^)
そんなニュースを見ていたのか、先日、うちのスタッフが


「uzmetさん!
uzmetさんの好きな人!また惜しかったっすね!ノーベル賞!」


なーんて話しかけてきて......


「あの!、あの!!、、、、村上龍さん!(゜O゜)」


これこれ......(;^_^A
まぁ、似てる感じもあるけどね、たちかに......
名前だけじゃなく、内容も、ナントナク......


「そ、そうですな。。
チミは意外なことにも興味を持ってるのですなぁ......」


なんつって。
そんな感じでお答えしておきまちたけど。
ただ、個人的には「村上龍」さんもとても好きな作家さんだったりしまして。
作品は殆ど全て読んでいたりもします。
高校生の頃に読んだ「限りなく透明に近いブルー」なんて、
若ゾーだった僕に最も影響を与えた作品の一つではないかと感じていたりします。
僕の中ではスタッフさんの言う通り!?
龍さんもノーベル賞候補でございますのな。(^^)はい。



そんな事もあって、最近、
芥川賞まで受賞した龍さんのその傑作小説
「限りなく~」のことをフト思い出したのですが、
最早ディテールまでは鮮明に思い出せない感じで......
......つーか、思い出してもこんな所に迂闊に書けないような
過激なところが多かった様な気もするし......
とにかく当時の僕にとてもインパクトがあったのは、
物語の舞台であった東京の西の片隅にある
「福生(ふっさ)」という街の独特の空気感の描写。

福生は米軍基地の隣に発展した街で、
アメリカの軍人さんと地元住民との間で自然発生的に生まれた、
日本らしくない、
かと言ってアメリカでもない、
クロスカルチャーな雰囲気を持っていて。
「ハウス」と呼ばれるポーチ付き玄関のある
平屋の一軒家で暮らす人々の世界。
典型的なアメリカン・カントリーハウスでの生活。
そんな小説世界が当時洋楽を聴きまくって、
アメリカに憧れを持っていた僕にはとても惹かれてしまうものでした。

そして、物語の全編から沸き立つお酒とたばこの強烈な匂い。
自虐的で退廃的な空気と色気と、
グレーな色をしたアンダーグラウンドな世界。
そんな薄暗くて色味の無い世界の中で時折鮮明に飛び込んでくる
カラフルで派手な原色のような村上龍さんの言葉と表現。

なんだかとても憧れました。

変な憧れやけど......(´・_・`)。。なんでだべ!?

映画で言えばちょうど
「フランシス・フォード・コッポラ=Francis Ford Coppola」監督の
名作「ランブル・フィッシュ=Rumble Fish」
のラストシーンの感じ......でしょうか。
そんなイメージ。

今思えば、
福生に限らず横須賀とか沖縄とか、
米軍基地近くにある地域には似たような空気感はあるのですが。
当時、埼玉県の片田舎にある、しがない鉄工所で暮らしていた、
決して裕福でない少年には全てが未だ見ぬ遠い地でしたし。
この本を殊更好きだった理由というのは、
当時音楽を通して憧れていたアメリカという国を、
なんだかとても身近に感じられたということが
大きな要素としてあったのだとも思います。



「限りなく透明に近いブルー」は、
田舎の高校生だった僕の憧れが沢山詰まっていた作品でした。
まぁ、こんなヤツはあまりいないかもしれませんが。



そして、大学生になって。
縁なのか?何なのか?幸か不幸か?
その憧れた福生という街のほど近くにある
「八王子」という街に4年間住むことになって。
それで、僕は時たま、
その憧れだった福生の街に出かけて行ったりしていました。
今はもう無い?とは思いますが、
当時「49 BAR=フォーティナイン・バー」という、
アンダーグラウンンドでアメリカの香りがするバーがとても好きで。
そこで樽出しの「ズブロッカ」のトニック割りをよく飲んでいたのを覚えています。
バーボンとかでなく、何故か?ポーランドのお酒で。
まぁ、そのお店に関しては、
こんなところで表立って書けるようなコトはあまり無く......

泣く(T . T)......

夜中に、何も考えず、
タダ福生の街をあても無く歩きながら
瓶ビールを飲んでいたことも憶えています。
「ビン」ということに何故か強いコダワリを持っていたりもして。
福生基地の周りをグルリと張り巡らされている金網に
意味も無くつかまって。
基地の中に停まっている戦闘機やバカデカイ輸送機やらを見ながら、
掴んでいるソノ金網を両手でワッサワッサ!と揺らし、



「ヒコーキ乗りてーーーっ!
のせろぉぉーーー!!( ̄Д ̄)/ コラァァーーッ!!」



などと、いつも叫んでいて。



「ハイハイ。。お兄さん、、
ちょっとソコの交番行こうかね。。
仕事は何してんのかな?ん?(^_^)」



「うるへー!(`3´)/
がくせいだわんわん!」



......なんてコトはしょっちゅうで。
たまに銃をもった軍人さんとモメモメしたりなんかもして......



でもですね、



今はわかるのです。



僕はですね、その頃......



アメリカ人になりたかったんじゃないのかと......



いわゆる留学とかもしてみたかったんじゃないのか......と......



でもお金ねーしなー......と。



当時の僕に聞いてみると、



そんな息苦しい答えが返って来るのです。



限りなく透明に近いアホですな。



はい。(^_^)



鈴木英人(すずきえいじん)さんという
イラストレーターさんのイラスト集。
埼玉の片隅に住む高校生だった僕が「憧れたアメリカ」が在ります。
今でも宝物です。
古くて、表紙はチト焼けてますけど。。(´ω`。)ブヒ。

英人さんの描くキラキラと明るい、
湿気がまるで無い「カラリ」としたイラスト世界と、
龍さんの「限りなく透明に近いブルー」という、
暗めの物語世界だけど、ヤッパリ湿気を感じさせない小説世界が
10代の僕の心の中では陰陽のワンセットになって
「未だ見ぬ憧れのアメリカ」
として存在していたりもしました。
その後、旅行や仕事などで
イソイソとお出掛け出来もするようにはなりましたが、
30歳を過ぎた時、
今の会社に入る前の7ヶ月ぐらいの完全お休みの期間。
そんな昔の気持ちへの復讐なのか!?
僕はイイ年こいてアメリカ、LA(ロサンジェルス)の大学のサマースクールに
数ヶ月間の短期留学をしていました。
この時はUCLAの敷地内にあるドミトリー(学生寮)に住んでいたのですが、
そこで過ごした時間というのは......
今に至るまで僕の中で光り輝き続けている、
何モノにも代え難い最高の時間となっています。
今、粛々と進めているトアル大きな!?
夢のベースとなっていたりもして。(^_^)
なにより、福生で金網に捕まって叫んでいた昔の僕に、
そんな時間の「お裾分け」をしてやりましたわ!
にゃーっはっはっ! (`∇´)ψ


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