こんばんは
今日は早めに帰ってきました。
今日は早く帰ってきたのには理由があります。以前何回か読んだ「キュブラー・ロス」の「死ぬ瞬間」をもう一度読み直したかったからです。
こういうことを書くと問題があるかもしれませんが、「同種骨髄移植」を行う患者さんには大きく二つに分かれるような気がします。
病気の性質上、同種骨髄移植が必要である。抗癌剤治療だけで治療を行うよりも移植の方が長期生存の可能性が高い。だからこそ「完全寛解」の状態で実施する移植。
これは通常行われるものだと思いますが、時には「やるしか救命できる見込みがない」からやるということもあります。
On disease・・・・病気が残存している、コントロールがついていないけど行う場合があります。
コントロールがつかない移植は長期生存率は…去年の終わりか、今年の頭に出た論文(確かBlood)では10%前後です。しかし、0よりは高い…だから行う。
こういう移植を行うことで・・・他の移植をすれば治る患者さんを治療する機会を奪ってしまう…という考え方もあると思うので、コントロールできない患者さんを移植するのが絶対に正しいのかどうかはわからないですけど・・・
長い治療経過を見ていれば何かできることを…と考えるのが人の常。
うちでは結構「やるしかない」移植を行うことがあります。
そういった患者さんが再発した時に・・・・それまではPositiveな方向に向かっているのが・・・・初めて逆の方向に行くわけです。
ある意味では固形腫瘍の末期の方と同じような状況かもしれませんが、コントロールがつかない場合の血液腫瘍の場合、患者さんの時間を作っていくのが大変になります。
最後まで治療を行う方が、医者も患者さんも楽かもしれません(2回目の移植でだめでも3回目・・・もちろん、年齢が若ければTryもしますが60近くでは3回目はきついです)けど・・・患者さんにとっての有意義な時間を作るのが医者の役目だと思うのです。
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だから、ときには辛いですけど・・・そういう現状を認識してもらって、如何に良い時間を作り出すか試みなければならないと思っています。
11月に入ってそういった「On disease」の状態で移植をした患者さんが連続して再発・・もしくは再燃してきています。
患者さんたちの有意義な時間を確保できるかどうかは…「受容」できるか否かだと思います。
病気の進行が早く、それがいるだけで極端に免疫力(抵抗力)が落ちる血液腫瘍の患者さんたちに「積極的」でない治療を行う場合・・・リンパ腫なら時間も作りやすいですが・・・急性白血病だときついです。
だから、「死ぬ瞬間」などを読みながら、いろいろ考えていきたいと思っています。
どうすれば患者さんたちに有意義な時間を過ごしてもらえるだろうかと・・・。
そんなことを考えながら、今日は読書にいそしもうと思います。
ともかく、体と精神の修養を行いながら…なんとか患者さんに尽くさないといけないような状況ですね。
明日は通常勤務の後に、血液内科の研修をもうすぐ終える研修医の先生の送別会を行う予定になっています。
こういうのがだんだん体にたまっていくのですよね・・・・。ま、いいのですけど・・・。
では、また。