新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

僕の「急性骨髄性白血病の説明の仕方」(患者さん向け)

2017-12-03 20:00:00 | 患者さん用(説明の仕方シリーズ2017年版)

こんにちは。今更ですが検索しても出てこないということは、急性骨髄性白血病の説明記事を僕は書いていなかったのですね。ビックリしました。

 

 

急性骨髄性白血病に関して僕が初発の患者さんに説明する場合は、次のような内容になります。

 

 


 

この度、Aさんは足にアザができるようになったということで、近くの病院を受診されて、そこの血液検査で異常があって当院に紹介となりました。

 

外来でも簡単にご説明しましたが、血液の大きな病気の可能性があったため、すぐに入院して検査をさせていただきましたが、結論を申し上げますと「急性骨髄性白血病」と診断しました。

 

急性骨髄性白血病は「白血球」の赤ちゃんに当たるもの、芽球と言いますが、芽球が増殖し、正常な血液が作れなくなる病気です。

 

正常な血液というのは酸素を運搬する赤血球、体を細菌やカビなどから守る白血球、血を止める働きをする血小板という3種類があります。

 

赤血球が減ってくると貧血が起きて、フラフラしたり、少しの動作で息切れしたりすることがあります。

白血球の中でも特に「好中球」が減ってきますと、抵抗力が弱くなり、空気中を漂うカビやお腹の中にいるような腸内細菌にも負けてしまい、生き死にに関わるような感染症を起こしたりします。

血小板が減ってくると出血しやすくなり、今回足にアザができているのはこれが原因だと思われます。

 

Aさん:間違い無いのでしょうか?急性白血病で間違いないのでしょうか?

 

残念ですが、急性骨髄性白血病で間違いないと考えます。まず、血液検査の結果を説明いたします。画面を見てください。

 

白血球が35,000/µl、ヘモグロビン(Hb)というのは赤血球の酸素運搬力を示しますが、Hbが10g/dl、血小板が1.2万/µlと白血球の増加と貧血、血小板減少を認めます。白血球の中身は「芽球」と言われる白血病細胞が75%を占めています。

また、先ほど行いました骨髄の検査でもデータは出ておりませんが、骨髄芽球は80%と増加していました。この芽球はミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色に陽性であり、この時点で急性骨髄性白血病と診断しました。また、Auer小体という急性骨髄性白血病に特有の変化も認めています。

(現在、芽球>20%で急性白血病の診断になります)

 

(修正前の三校ですいません。AMLから下にはいきません。リンパ系マーカーが陽性、骨髄系マーカーが陰性で横に矢印が出ます)

 

Aさん:治療はどのように行うのでしょうか。

 

急性骨髄性白血病は全身に病気の細胞が存在します。それゆえ手術などでは取り切ることができず、抗がん剤治療を繰り返していきます。

最初に行う治療を寛解導入療法と言います。この治療は白血病細胞を抗がん剤で殺して、正常な血液細胞の回復を待ちます。骨髄内の見た目が正常になるところを目標にします。大体ですが80%程度の患者さんが「完全寛解」と呼ばれる「見た目正常」の状態に入ります。

 

  Aさん:完全寛解の定義はありますか?

 

完全寛解は血液(末梢血液)の数値が正常化し、骨髄中の芽球が5%未満になることを言います。その状態を確認した後、基本的には地固め療法というダメ押しの治療を4回繰り返します。

 

 

 

Aさん:基本的にはというのはどういう意味でしょうか?

 

まず、今の時点ではわかっていませんが、予後良好なグループがいます。申し訳ありませんが、最も予後が良いとされる「急性前骨髄球性白血病(APL)」では無いと考えています。これらは前骨髄球と言われる赤ちゃんから幼稚園くらいまで成長した血液が増えてきますので、見ただけである程度判断できます。次に予後良好と言われる「遺伝子異常」を持ったグループの場合は、地固め療法から治療法が変わります(これも見た目である程度は推測できますが、この時点では治療法が変わらないので、結果が出るまで言いません)。この検査については1週間程度(通常は数日)で帰ってきますので、結果がわかりましたらご説明します

 

Aさん:そうすると地固め療法から変わる可能性があるわけですね。

 

そうですね。他にも治療反応性や遺伝子検査の結果、様々な要素を検討して「造血幹細胞移植」が良いと判断すれば、移植を検討することになります。しかし、まずは最初の治療をうまく乗り越えることが最も重要です(最初の敵が多い時が一番大変です)。

 

急性骨髄性白血病の寛解導入療法、地固め療法では以下のような有害事象が発生することが予想されます。

 

まず、病気のせいで正常な血液が作れなくなっていますが、抗がん剤治療によりさらに血液が作れなくなります

 

Aさん:それは大変では無いですか!

 

はい。大変であることをご理解いただけただけでありがたいと思います。まず、この治療は抗がん剤に対して「白血病細胞」が弱く(効きやすい)、「正常な血液細胞」は抗がん剤からの「回復が早い」ことから成立します。最初の抗がん剤治療により白血病細胞は大きなダメージを受け、死んでいきます。そのダメージから回復する前に正常な血液が増えてきます。それにより完全寛解に80%の方が到達します。

 

しかし、抗がん剤によって正常細胞のダメージもありますので、貧血や血小板減少が進みます。貧血を放置すれば体の臓器に負担をかけ、めまいや動悸、息切れなどの症状が出現します。血小板減少を放置すれば致命的な出血が起きる可能性があります。それを起こさないように、適切なタイミングで輸血を行なっていきます

 

また、好中球が減ってくると最近による感染症やカビによる感染が増えてきます。これに対しては抗菌薬や抗真菌薬の予防内服やアイソレーターや無菌室などの無菌管理を行なって対応します。それでも発熱する患者さんが多いので、発熱があればすぐに必要な検査を行い、強い抗菌薬治療を開始します(抗緑膿菌作用のある抗菌薬、カルバペネム系・TAZ/PIPC(ゾシン)・第4世代セフェムなど)。

Aさん:他にはどのようなことが起きるのでしょうか?

 

他には抗がん剤による副作用として嘔気・嘔吐があります。これは薬で抑えます。テレビドラマのような常に吐いてしまうというレベルではなくて、吐き気があって食欲が落ちるという可能性がありますが、多くの方はそれなりに症状を抑えることができます

 

他に抗がん剤は良く増える臓器に影響を与えやすいので、腸粘膜のダメージにより下痢をしたり、髪が抜けたり(脱毛は最初の治療から2週〜3週で始まります)、爪に線が入ったり、口内炎ができたりなどすることがあります。脱毛については永久脱毛ではありません。

 

Aさん:他の治療法はありますか?また、治療を受けないとどのくらい持ちますか?

 

まず、治療に関しては今説明しているものが「標準治療」になり、最も多くの方が治療を受け、根拠が最もある治療法になります。これがあまり効かなかった場合は、他の治療法(大量シタラビン療法を含んだ治療、CAG療法などの低用量ダラダラ+G-CSFのプライミングなど)を考えますが、まずはこの治療で完全寛解に入ってやる、必ず入るという強い意志を持って治療に参加していただきたいです。治療を全くしないというのはあまり選択肢に入りませんが、すでに出血傾向がありますので、無治療では脳出血などの致命的な出血を起こしたり、白血病細胞が増えて重要臓器に不具合を起こしたりする可能性があります。神様ではないので余命を答えることは難しいのですが、何もしないと1ヶ月は厳しいと思います。

 

Aさん:わかりました。治療を頑張って受けたいと思います。

 

これから副作用の強い治療を行なっていくことになります。治療期間は6ヶ月ほどで、治療によって失われた体力を元に戻すまでも3〜6ヶ月ほどかかると思います。ご家族のサポートは非常に重要です。

また、先ほども申し上げましたが、様々な副作用が出ることはありますし、他にも予想もしないことが起きることはあります。何か気になることがあったら、私か看護師などに伝えていただければと思います。

 

Aさん:よろしくお願いいたします。

 


 

  こんな感じになると思います。

基本的にはtotal cell killという白血病細胞を全て殺すという考え方になります。

患者さんにはこの時点で説明することはありませんが、僕たちはいくつかの予後指標を見て治療戦略を立てています。

 

僕は執筆した本には4つの指標を載せていますが、JALSGスコアとELNガイドラインの生存曲線を見ながら、その療法の良いところを撮っている血液学会の予後指標を見る感じでしょうか。

 

 (これは古いですが、少し気にして見ています)

 

 (ELNは遺伝子変異などに着目しています)

 

 (血液学会のやつです)

ただ、最も重要なことは患者さんにとっては0か100かでしかないということです。

 

僕の担当した患者さんでも「統計的」な判断では厳しい患者さんがいましたが、今でも長期生存されています。再発してないので、このままうまくいくと思っていますが(10年くらい経っていますし)、論文だけ見たら0%と10%の可能性でした。二人とも元気です。

 

僕は「統計は統計だ」と思っていますし、医療は進歩しています。統計的なデータがあるということは数年前の治療ということになりますし、病気に対する治療法が変わっていないとしても、支持療法が変わっていたりするわけです。より良い治療法ができれば、それだけ何かが良くなるはずです。

 

統計は統計。目の前の患者さんには全力を尽くす。

医師が無理だと思っていたら、患者さんだってその影響を受けるでしょう。僕は難しいと本当に思った場合はその説明を必ずしますが、最初から白旗を上げることはまずないです。第一、何人も難しいはずの方々が治ってくださっていますので・・・。治ると思って治療をしなければ、患者さんにも失礼だと思いますし)

僕はそう思っています。

 

ちなみに急性白血病は特にそうですが、白血病細胞が0になったという判断はかなり難しいです。初発時は白血病細胞が1012個(1兆個:テラ)ある段階から109個(10億個:ギガ)まで低下、地固め療法を行い、PCR法という技術で遺伝子を増幅して調べて引っかからなくなっても106個(100万個:メガ)以下としか言えません。ないとはなかなか言えないのです。だから統計学的なものが非常に重要です。0になる確率はこのくらい、治る確率はこのくらいとしか説明ができないわけです。統計は重要ですが、目の前の患者さんに全てを適応しすぎないことが重要だと思っています。

 

統計は重要なため、予定の治療を最後までやりきること、間を空けすぎたりしないというのも非常に重要なことです。統計学的なデータがある通りの治療をしないと、そのデータを反映できないからです。担当医はそういう説明もすると思います。

 

説明を簡単に書きましたが、実際には患者さんを見て説明の仕方は色々変えると思います。ただ、必ずいうであろう「言うべき内容」はこんなところかなと思っています。

この記事を検索して来られた方には、嫌な内容が書いてあるかもしれません。それでも多くの血液内科医は「できるだけ目の前にいる患者さんが治るグループに入る」ように日夜頑張って治療をしていると思います。そういう人たちしか多分来ないと思います。この領域には。

 

ぜひ、主治医の先生を信じて、治療を継続し、白血病に打ち勝っていただきたいと思います。また、そう祈念しております。

 

簡単ですが、「僕の急性骨髄性白血病の説明の仕方」を終わります。

 

 

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急性前骨髄球性白血病の説明(患者さん用)

2017-12-03 19:34:51 | 患者さん用(説明の仕方シリーズ2017年版)

こんばんは。

 

まさか患者さん向け記事を書こうと思った日に、2人の方から急性前骨髄球性白血病(APL)の記事の依頼が来るとは思っておりませんでした(笑

 

せっかくいただいた話ですので、早速書かせていただきたいと思います。

 

 


 

〇〇さんは今回、痣が増えて、血が止まりにくいということで近くの病院を受診され、すべての血液の数値が少ない(汎血球減少と言います)ことから当院へ紹介となりました。

 

外来でもご説明しましたが、かなり血が止まりにくい状況だと思われましたので、すぐに入院して検査や治療を受けていただいております。

 

僕が外来から上がって来るまでに、いくつかの検査を受けていただきましたが、それで大体の結論は出てきました。

 

〇〇さんの病気は「急性前骨髄球性白血病(APL)」と言います。APLは急性骨髄性白血病の1つのタイプですが、その中では最も予後が良い、すなわち治りやすいと言われている白血病です(寛解導入率90%以上、長期生存率80%)。

しかし、その一方で治療が遅れると最も命に関わりやすいと言われています。

 

今回、血液検査では白血球が1400/µl、酸素の運搬能力を示すヘモグロビン(Hb)という数値が8g/dl、血小板という止血の働きをする数値が1.5万/µlとかなり減ってきています。

 

また、凝固系と言われている一度止血した部分を補強する成分(二次止血と言います)もおかしくなっており、フィブリノゲンという値が75mg/dlです。これがあったため、緊急で輸血を開始しております(フィブリノゲン 100mg/dl未満は一般でも輸血適応、播種性血管内凝固(DIC)がある場合・・・特に線容系:出血傾向が強いの場合は150mg/dlを維持するように輸血)。この異常のレベルを反映するFDPという数値は160と上昇しています。

 

骨髄の検査では芽球と呼ばれる赤ちゃんレベルの未熟な白血球と、その少し進んだ「前骨髄球」と呼ばれる白血球が合わせて88%まで増えていました。その中には特徴的なFaggot細胞と呼ばれる腫瘍細胞も含まれています。

 

 

このような情報からAPLと診断しました。APL細胞は「出血を起こしやすくする因子」を持っています。この腫瘍が増えるほど出血しやすくなり、治療が遅れると脳出血などを起こしてなくなる可能性があります(しかも血が止まらないので、手術すらできない)。そのため、治療は急いだ方が良いと思います。

APLの多く(95%)にはPML-RARAと呼ばれる遺伝子の異常が関係しています。今回、この遺伝子の異常がわかるまで待っていては治療が遅れてしまいますので、今の時点でAPLの診断のもと特効薬を使用した治療を開始したいと思います(PML-RARAは95%に陽性ですが、Faggot細胞があればほとんどはPML-RARAです。他に3つの遺伝子型がありますが、そのうち2つではFaggot細胞は出ないと言われています。出るのは最も稀なSTAT5B-RARAですが、普通はあり得ないと思います・・・普通は)。

 

APLの特効薬はATRA(ベサノイド)です。この薬が出るまではAPLは最も死亡率が高い、最も治療が難しい急性白血病でした。それは抗がん剤でAPL細胞を壊すと、中にある「出血を起こす因子」が体内にあふれ出てしまい、それで出血を起こしてしまうからです。

 

ATRAはAPL細胞に作用して、赤ちゃんと幼稚園児くらいのレベルで止まっている腫瘍細胞の成長を助けます。止まっていた成長が進み始めると、この腫瘍細胞は成長しきったのちに死んでしまいます。この薬でAPL細胞が死ぬときは出血因子を出さないのです。この薬が登場して、治療の成功率が格段に上がりました。

しかし、ATRAも万能ではありません。この薬だけでは必ず再発することもわかっていますし、成長したがん細胞が多すぎると「分化症候群」と言われる合併症が起きることがあります。

 

分化症候群は「成長したAPL細胞」から戦いを起こす物質(サイトカイン)が大量に放出されます。それにより肺炎のような症状(呼吸不全)や発熱、むくみなどが起きます(頻度は2.5~26%、死亡率は10%とするものもありましたが、最近の報告は3.4%となっています)。

 

そのため、白血球の数でATRAだけで行くのか、抗がん剤も併用するのかを決めます。白血球の数が少なければATRAだけで治療を開始しますし、白血球が3000/µl以上であれば抗がん剤も併用します。途中で増えてきた場合も途中で抗がん剤を使用します。これは分化症候群のリスクと出血死のリスクをうまく調整した結果、こういう治療計画になっています。

 

この治療で当初「完全寛解」という状態を目指します。これは血液の数値が正常化し、骨髄の中の芽球+前骨髄球が5%未満になることです(APLだけは芽球だけでなく、芽球+前骨髄球で評価します)。

その後はダメ押しの治療を行なっていきます。ダメ押しの治療を地固め療法と言います。

(地固め療法は最近は亜砒酸を併用した治療が主体ですが、まだ臨床試験中ですのでぼかさせていただきます。ただし、地固め療法は3コースです。今のJALSGの亜砒酸を使用した臨床研究は4コースです。国によっては2コースもあります)

 

一般的に抗がん剤を使用しますと、様々な副作用が出現します。最も重要な副作用は骨髄抑制と言われるもので、正常な血液が減って行くものです。今も数値が下がっている白血球(抵抗力)がさらに下がったり、貧血や血小板減少が進んだりします。貧血や血小板減少に対しては輸血で対応します。しかし、白血球は輸血することができませんので(顆粒球輸血もありますが、一般には行いません)、様々な予防策を行います。まず、白血球が下がってきたら抗菌薬や抗真菌薬を予防内服していただきます。さらにアイソレーターや無菌室などを使い感染予防を行います。それでも発熱することがよくありますが、その時はもっと強い抗菌薬などを使って治療を行い、抵抗力の回復を待ちます。

 

他に嘔気・嘔吐については制吐剤で対応します。ドラマのようにゲーゲー吐くということは普通ありません。あと下痢をしたり、髪の毛が抜けたりします。その他にも予想していない副作用が出ることがあります。

 

ATRAについても先ほどの分化症候群のほか、皮疹や中性脂肪上昇などいくつか副作用が出ることがあります。

今後使用する可能性が高い、亜砒酸(トリセノックス)も分化症候群(地固め療法ではあり得ませんが)のほか、心電図異常(QT延長症候群は突然死の可能性のある不整脈を起こすことがあります。

 

治療を行えば、治る可能性が十分にある白血病です。一緒に治していきましょう。

 


 

こんな感じになると思います。他の悪性腫瘍よりも治療をしなければ数日でなくなる可能性がある腫瘍ですので、治療をしないという選択肢はあまり与えることはないです。仮にそれなりの高齢者でも治療できると思います。亜砒酸もありますので。

 

維持療法に関してはこのタイミングでは言いません。寛解導入療法が最も重要ですので。その後、地固め療法を行うにあたって、全体の話をするか、全体スケジュールを書く際に、維持療法を記入してさらっと伝えるか。

 

維持療法については新しい臨床研究でも検討されていますが、ATRAの維持療法は高リスク群では行った方が良いという結論になりました。かといって、挙児希望があるとか、副作用で内服できないということがなければ使うことが多いような気がします。

 

亜砒酸の地固め療法をおこなった後、どの程度維持療法に意味があるのか・・・少し注目しております。

 

 

最後に、今後APLを発症するような方がいたとして、ご家族がもし病気を調べられてこのページに来たときにお願いがあります。

 

僕一人の経験ですら、治療に入る前に亡くなった患者さんが二人います。一人は出張中に診断され、自宅がある関東に帰ってから治療を受ける・・・と言われて、移動中の列車の中で脳出血というものでした(もう一人の方も他の病院で入院が長引いて、専門施設の搬送が遅れたケースでした)。

連絡を受けて待ち構えていましたが、途中の駅から救急搬送され、亡くなられ田という連絡をいただいたことがあります。この病気は治療を開始したら治る可能性がかなりある病気です。その代わり治療に入るまでが大変な病気です。

 

もしこの病気を遠くで診断された場合に、どこで治療を開始するかは重要だと思います。もし地元でなかったとしても、寛解導入療法だけでも受けてくることができれば良いのではないかと思います。

 

長くなりましたが、とりあえずおわります。このあとすぐ急性骨髄性白血病の記事を更新します。

 

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本文の前に:過去の患者さん向けの記事一覧

2017-12-03 11:24:55 | 患者さん用(説明の仕方シリーズ2017年版)

こんにちは

 

以前作成しました「患者さん向けシリーズ」を探して、こちらの記事にアップしておきます。

 

僕も過去に何を書いたか確認したかったので

見つけた順で、書いた時期とは関係ありません。

 

リンパ節腫脹について(患者さん用):悪性リンパ腫か良性疾患か?

悪性リンパ腫の説明(僕の説明の仕方)

ホジキンリンパ腫の説明(患者さん向け)

貧血と症状について(患者さん用):動機、息切れ、めまいなどに関して

僕の再生不良性貧血の説明(患者さん向け)

骨髄異形成症候群の説明(患者さん向き)

溶血性貧血の話(患者さん向け)

僕の骨髄線維症に関する説明(患者さん向け)

好中球減少時の感染症予防に関して

アザシチジン(ビダーザ)の話

造血幹細胞移植のイメージは?:同種骨髄移植に関する説明

がん検診は必要か?

貧血(鉄欠乏性貧血)の患者さんに対する説明(患者さん向け)

骨髄増殖性疾患(真性多血症)の説明(患者さん向け)

慢性骨髄性白血病に対する説明(患者さん向け)

骨髄増殖性疾患(本態性血小板血症)の説明

頭痛の患者さんへの説明

B型肝炎ウイルス無症候性キャリアの方への説明

僕の高血圧の説明(患者さん向け)

HTLV-1キャリアの方(もしくは調べに来た方)への説明(アンフェタミン版)(書いた時期が悪いのですが、これは書き直します)

CAG療法など

まぁ、こんな感じで書いていたみたいです。どこかに他のものもあるかもしれませんが、とりあえず。

 

今日から作り始めるものは、データは僕の本から引っ張ってきます(作るのは大変だし、著作権は問題はずだし)。・・・中外医学社に許可取らないとダメかしら・・・。本文ではなくて、引用したデータだから大丈夫だよね(すでに何回か使用してますしね)

 

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僕の説明の仕方シリーズを再度書いてみようかと思います

2017-12-03 11:19:29 | 患者さん用(説明の仕方シリーズ2017年版)

こんにちは

 

今日は特に予定がない日曜日のため、ランニングや洋画を音だけ流しながら聴いたりして過ごしております。

 

最近は少し時間ができたので、以前書いていました「患者さん向けの説明」記事を作って見たいと思います。

 

以前作ったものはすでに5年以上前の記事が多いので、再度作り直すのも意味があるだろうと。

 

現在考えていますのは以下のような疾患です。

 

1、      急性骨髄性白血病(AML)

2、      急性リンパ性白血病(ALL)

3、      慢性骨髄性白血病(CML)

4、      慢性リンパ性白血病(CLL)

5、      骨髄異形成症候群(MDS)

6、      再生不良性貧血(AA)

7、      発作性夜間血色素尿症(PNH)

8、      赤芽球ろう(PRCA)

9、      自己免疫性溶血性貧血(AIHA)

10、先天性溶血性貧血(球状赤血球症:HS中心)

11、真性多血症(PV)

12、二次性赤血球増加症

13、骨髄線維症(PMF)

14、本態性血小板血症(ET)

15、骨髄異形成症候群/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)

16、非ホジキンリンパ腫(DLBCLを中心に)

17、ホジキンリンパ腫

18、MALTリンパ腫

19、濾胞性リンパ腫(FL)

20、マントル細胞リンパ腫(MCL)

21、バーキットリンパ腫

22、多発性骨髄腫

23、特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病(ITP)

24、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)

25、伝染性単核球症(IM)と慢性活動性EBV感染症(CAEBV)

 

などを簡単に解説していきたいと思っております。いつもの説明様式でできるだけ専門用語を使用せずに書いていきますが、何か気がつかれたことがあればコメントをいただけますと嬉しく存じます。

前の記事で流用できそうなところがあれば、流用しながら書いていきます。1日にいっぱいアップするのもなんなので、できたものは予約投稿にして今年中に書き終わるようにできたらと思っております。

 

 

また、このようなものも欲しいという方々がいらっしゃいましたら、コメントいただけますと嬉しく存じます。

 

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