本稿の附分穴斜刺の内容は、医道の日本、H22年2月号掲載の筆者原稿と重複する内容であることを、あらかじめお断りしておく。
1.肩外兪
Th1~Th2棘突起間に陶道をとり、その外方3寸に肩外兪をとり。本穴は、肩甲骨上角部であり、そこは肩甲挙筋の停止部である。肩甲挙筋は、洋服をかけるハンガーのように、重くぶら下がる上肢をつなぎ留める役割をもっている。肩甲骨上角は、上肢の動きに際し、運動量が大きい処なので、肩甲骨内上角滑液包炎を生じやすい。
実際には、患者は肩甲上部のコリを漠然と訴えることが多く、施術者側としては間違って肩井部のコリと判断し、頸神経叢刺針を行うも、さっぱり効果が得られないという事態になる。
肩外兪のコリは、下図のようにロープ状に出現しやすい。筋線維と非水平に刺針(交叉刺)し、上肢の自動外転運動を指示することで改善できることが多い。
2.附分
患者のなかには、肩甲骨裏面(肋骨側)のコリや痛みを訴える者がいる。肩甲間部の筋の大半は肩甲背神経という純運動神経が支配しているので、この限りでは痛むことはないだろう。
ただし深部に起立筋があり、起立筋は脊髄神経後枝支配なので、起立筋のコリや痛みが生じているケースは多々ある。この場合には、脊髄神経後枝を刺激する目的で、Th1~Th5棘突起の直側に刺針することで、改善できるのが普通である。
しかしながら附分から斜刺し、上後鋸筋を刺激する必要がある例もある。この場合の附分は、肩甲骨上角と肩甲棘内端縁の中点をとる。座位にして、ここから肩甲骨裏面(肋骨側)に向かって45度の角度で3㎝斜刺し、針先は肩甲骨下に到達する。このあたりの筋は運動性神経が支配しているものばかりだが、例外的に上後筋は、体幹背部にありながらも、肋間神経(混合性)支配というユニークさである。知覚成分があるので刺針すると肩甲骨裏面~肩井周囲に、ほぼ確実に針響を送ることができるので、運動針する必要はない。響かなければ効果もない。
1.肩外兪
Th1~Th2棘突起間に陶道をとり、その外方3寸に肩外兪をとり。本穴は、肩甲骨上角部であり、そこは肩甲挙筋の停止部である。肩甲挙筋は、洋服をかけるハンガーのように、重くぶら下がる上肢をつなぎ留める役割をもっている。肩甲骨上角は、上肢の動きに際し、運動量が大きい処なので、肩甲骨内上角滑液包炎を生じやすい。
実際には、患者は肩甲上部のコリを漠然と訴えることが多く、施術者側としては間違って肩井部のコリと判断し、頸神経叢刺針を行うも、さっぱり効果が得られないという事態になる。
肩外兪のコリは、下図のようにロープ状に出現しやすい。筋線維と非水平に刺針(交叉刺)し、上肢の自動外転運動を指示することで改善できることが多い。
2.附分
患者のなかには、肩甲骨裏面(肋骨側)のコリや痛みを訴える者がいる。肩甲間部の筋の大半は肩甲背神経という純運動神経が支配しているので、この限りでは痛むことはないだろう。
ただし深部に起立筋があり、起立筋は脊髄神経後枝支配なので、起立筋のコリや痛みが生じているケースは多々ある。この場合には、脊髄神経後枝を刺激する目的で、Th1~Th5棘突起の直側に刺針することで、改善できるのが普通である。
しかしながら附分から斜刺し、上後鋸筋を刺激する必要がある例もある。この場合の附分は、肩甲骨上角と肩甲棘内端縁の中点をとる。座位にして、ここから肩甲骨裏面(肋骨側)に向かって45度の角度で3㎝斜刺し、針先は肩甲骨下に到達する。このあたりの筋は運動性神経が支配しているものばかりだが、例外的に上後筋は、体幹背部にありながらも、肋間神経(混合性)支配というユニークさである。知覚成分があるので刺針すると肩甲骨裏面~肩井周囲に、ほぼ確実に針響を送ることができるので、運動針する必要はない。響かなければ効果もない。