AN現代針灸治療

ANとは「にただあつし(似田敦)」のイニシャルです。現代医学的知見に基づいた私流の針灸治療の方法を解説しています。

鍼灸院における設備・備品の改良アイデア(その3)

2011-09-04 | 雑件

1.手すり 
壁に平行に設置した診療ベッドの横には、手すりを設置した方がよい。以前、ホームセンターでステンレスパイプと取り付け金具を購入して自作してみたが、石膏ボード製の壁に取り付けることになり、柱のある部分にネジ留めするのに苦労し、患者が体重をのせて起き上がる際など、手すりが壁ごと手前に引っ張られ、壁が壊れそうな状態だった。
仕方がないので、大工さんに手すりを注文した。どういう手すりにするかは、当方で決める必要があった。手すりのポイントは3つある。




1)ベッドからの高さ

当院の1台のベッドは高さ60㎝の固定である。このベッド天板から50㎝とした。もう一台は電動昇降ベッドである。電動昇降ベッドの場合、手すりの位置が低すぎるとベッドを高くした時に患者にぶつかる。最も低い高さ(43㎝)に設定した場合、ベッド天板から65㎝の高さとした。すなわち両方とも床から105㎝前後の高さである。実際に使ってみて、この程度の高さが妥当だということに気づいた。(下の写真は、60㎝のベッド高に設定している)。

2)手すりの長さ

短いと使いものにならないが、ベッドの長さほどは必要ない。今回は135㎝長とした。以前自作した時は120㎝にしたが、135㎝の方が良い。

3)壁から離す距離

以前自作した手すりでは、壁とパイプの間の余裕がなさすぎた。パイプを持つことはできても、しっかりと握ることはできなかった(壁に指がぶつかる)。この反省から、新しい手すりの台座高は、パイプの中心から壁面まで6.5㎝と、広く設定した。

4)その他

手すりを使うち、その周囲の壁面は当然汚れてくるので、薄い板を張り、その板上に手すりを設置することにした。患者が手すりをつかもうとして、板のカドにぶつかることが考えられるので、板の角は丸くした。なお手すり2本分の費用は、39500円だった。 

2.紫外線保管庫


1)長年つかっていた東芝の赤外線殺菌保管庫が壊れた。上開き扉方式が(東芝の専売特許だという)使いよく、同じ製品に買い換えようとしたが、すでに製造中止となっていた。非常に困ったが、買わない訳にはいかないので、安くて見栄えもよい「ナイチンゲール」という製品を、1台2万円程度で購入した。ただし庫内が狭く、針シャーレーが3枚しか入らないので2台購入する必要があった。




 

2)本製品には、オプションで棚も販売している。これを使えば庫内は2段棚として使え、これならシャーレ6枚並べられる。実際購入してみたが、両サイドに隙間ができ、使いづらい。結局、上段用の棚は自作することにした。百円ショップで、適当な大きさの金属製の格子を購入し、これを庫内側面に設置する金具として、ホームセンターで一辺2㎝のアルミのL字金具を買い、糸ノコで切断、これを強力接着剤(2液混合用)で庫内側面に取り付けた。
使用して2年以上経過するが、今のところ何も問題が起きていない。




3)ちなみに当院で常用している針は、和針の2寸#4、寸6#2、3#0(左保管庫の下段、左から順番に)、と、中国針2インチ#30と3インチ#30の5種類である。このうち寸6#2と2寸#4の使用頻度が高い。寸3#0は最も使用頻度が低い。
※下の写真は、写真撮影時の光反射防止のため、庫内背面のステンレス板を白紙で覆っている。


3.オートクレーブ

鍼灸院ではディスポ針を使う処が増えてきたが、当院は希望者にはディスポ針を使うが、通常は、曲がった針を破棄した後、オートクレーブ滅菌して再使用している。
当院は中型オートクレーブ(庫内直径22㎝)を使用している。このクラスになると。トレーの上に針シャーレーを横に5枚並べることができるので、使い勝手がよい。しかも2段式である。小型オートクレーブ(庫内直径15㎝)では、シャーレーを縦に重ねて並べることになり、非常に窮屈になる。
中型オートクレーブの値段をネットで調べると結構高額であり、40万円以上するものが殆どであった。色々調べて最も安かったのが「からだはうす」で、23万7千円(全自動タイプ)だった。「からだはうす」のカタログには載っていないが、取り寄せてくれる。