1.手すり
壁に平行に設置した診療ベッドの横には、手すりを設置した方がよい。以前、ホームセンターでステンレスパイプと取り付け金具を購入して自作してみたが、石膏ボード製の壁に取り付けることになり、柱のある部分にネジ留めするのに苦労し、患者が体重をのせて起き上がる際など、手すりが壁ごと手前に引っ張られ、壁が壊れそうな状態だった。
仕方がないので、大工さんに手すりを注文した。どういう手すりにするかは、当方で決める必要があった。手すりのポイントは3つある。
1)ベッドからの高さ
当院の1台のベッドは高さ60㎝の固定である。このベッド天板から50㎝とした。もう一台は電動昇降ベッドである。電動昇降ベッドの場合、手すりの位置が低すぎるとベッドを高くした時に患者にぶつかる。最も低い高さ(43㎝)に設定した場合、ベッド天板から65㎝の高さとした。すなわち両方とも床から105㎝前後の高さである。実際に使ってみて、この程度の高さが妥当だということに気づいた。(下の写真は、60㎝のベッド高に設定している)。
2)手すりの長さ
短いと使いものにならないが、ベッドの長さほどは必要ない。今回は135㎝長とした。以前自作した時は120㎝にしたが、135㎝の方が良い。
3)壁から離す距離
以前自作した手すりでは、壁とパイプの間の余裕がなさすぎた。パイプを持つことはできても、しっかりと握ることはできなかった(壁に指がぶつかる)。この反省から、新しい手すりの台座高は、パイプの中心から壁面まで6.5㎝と、広く設定した。
4)その他
手すりを使うち、その周囲の壁面は当然汚れてくるので、薄い板を張り、その板上に手すりを設置することにした。患者が手すりをつかもうとして、板のカドにぶつかることが考えられるので、板の角は丸くした。なお手すり2本分の費用は、39500円だった。
2.紫外線保管庫
1)長年つかっていた東芝の赤外線殺菌保管庫が壊れた。上開き扉方式が(東芝の専売特許だという)使いよく、同じ製品に買い換えようとしたが、すでに製造中止となっていた。非常に困ったが、買わない訳にはいかないので、安くて見栄えもよい「ナイチンゲール」という製品を、1台2万円程度で購入した。ただし庫内が狭く、針シャーレーが3枚しか入らないので2台購入する必要があった。
2)本製品には、オプションで棚も販売している。これを使えば庫内は2段棚として使え、これならシャーレ6枚並べられる。実際購入してみたが、両サイドに隙間ができ、使いづらい。結局、上段用の棚は自作することにした。百円ショップで、適当な大きさの金属製の格子を購入し、これを庫内側面に設置する金具として、ホームセンターで一辺2㎝のアルミのL字金具を買い、糸ノコで切断、これを強力接着剤(2液混合用)で庫内側面に取り付けた。
使用して2年以上経過するが、今のところ何も問題が起きていない。
3)ちなみに当院で常用している針は、和針の2寸#4、寸6#2、3#0(左保管庫の下段、左から順番に)、と、中国針2インチ#30と3インチ#30の5種類である。このうち寸6#2と2寸#4の使用頻度が高い。寸3#0は最も使用頻度が低い。
※下の写真は、写真撮影時の光反射防止のため、庫内背面のステンレス板を白紙で覆っている。
3.オートクレーブ
鍼灸院ではディスポ針を使う処が増えてきたが、当院は希望者にはディスポ針を使うが、通常は、曲がった針を破棄した後、オートクレーブ滅菌して再使用している。
当院は中型オートクレーブ(庫内直径22㎝)を使用している。このクラスになると。トレーの上に針シャーレーを横に5枚並べることができるので、使い勝手がよい。しかも2段式である。小型オートクレーブ(庫内直径15㎝)では、シャーレーを縦に重ねて並べることになり、非常に窮屈になる。
中型オートクレーブの値段をネットで調べると結構高額であり、40万円以上するものが殆どであった。色々調べて最も安かったのが「からだはうす」で、23万7千円(全自動タイプ)だった。「からだはうす」のカタログには載っていないが、取り寄せてくれる。