1.緊張性頭痛における放散痛のイメージ
前回の「緊張性頭痛に対するトリガーポイント治療の整理 その2」で、筆者はトラベルらのトリガーポイントと放散痛の関係を図示したのだが、矢印が非常に多くなって見にくいものになったので、今回はさらに単純化し、経絡と結びつけて考えることにした。
実際の針灸治療においては、放散痛の所在から逆にトリガーポイントを発見することになるが、最終的には指頭感覚で治療点を決定するべきである。
①膀胱経:後頭筋、後頭下筋、頭板状筋、頭半棘筋
②胆経:僧帽筋
③膀胱経+胆経:胸鎖乳突筋
④側頭部に限局:側頭筋
2.緊張性頭痛の関連症状
針灸治療に来院する患者は、頭痛単独を症状として来院することはまれで、多くの症状を同時にかかえて来院する者が多い。頸部や頭部の筋緊張は、頭痛だけでなく、頭顔面部を中心とする種々の関連症状をもたらす。
眼精疲労、顎関節症、頸肩コリ等は、緊張性頭痛と関連する症候群だともいえるので、下図のアンダーラインで示されたような筋の緊張を緩めることで症状が改善することが多い。