ディスプレイが鮮やかな家の、燦然と輝くキッチンに立ち包丁まな板を探す。 コレッ?と探し当てたのはシステムキッチンには不似合いの薄いまな板と、ノコギリ刃のついた包丁。しかも小~大10本と鋏1本がセット仕様になっており、これもディスプレイ?と惑う程キレが悪い。
慣れない器具、丈の高い流し台、私には区別のつかない多種の調味料、食洗機向きの皿への盛り付けと全てが不慣れ。聞こうにも言葉が半分も通じず、ウンウンやってる内に人参を切っていたノコギリ刃が爪に食い込み出血した。カットバンで引っ付けるべく強く巻いて、以後は小指まで使えず更に不自由した。
食品庫にはシリアル、缶詰、瓶詰め、パスタとはみ出さんばかり。スーパーには野菜・果物が山をなし、包丁不要の「カット野菜」の陳列も。メニューはカレー、ライスグラタン、焼き飯、具沢山のスープ、各種サラダと日本では全てが当然の手作りや残り物の再利用だが、彼らは小1時間も台所にいる私に驚き、その家の主婦が「貴方は私の・・」と表題のセリフを言った。(Partyの日父親がステーキを焼いて振舞った。肉焼きは男の仕事)