公共の乗り物の事故は、思ってもいない災害に人を巻き込みます。
気温の急変する初夏、残雪の空気を味わいたくて山に登る人の遭難とは、全く異質の事故です。
細かい規程が定められていても、それだけでは完全な安全維持はできません。
どこかに手抜き手落ちがあれば、それだけで事故の原因になりえます。
細かい事柄のもう一つ外側から、抜け穴や緩みを見つけ出す確かな眼が働いていなければ、実行規程があるから大丈夫とは言えないのです。
細かい規程さえ決めておけば、事故が起きても規程を守らなかった人の責任というやりかたは、組織の維持には役立っても、事故の発生防止には効果がなく、いつかは同じ事故がまた起きます。
近ごろ大はやりの手術ドラマも、そろそろ見飽きて不快を感じるようになりましたが、輸血の場面からふと思ったのは、
献血で集められた血の管理が、どんな具合に行われているのだろうかということです。
血液製剤に関しては、「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」という法律があります。
「この法律は、血液製剤の安全性の向上、安定供給の確保及び適正な使用の推進のために必要な措置を講ずるとともに、人の血液の利用の適正及び献血者等の保護を図るために必要な規制を行うことにより、国民の保健衛生の向上に資することを目的とする」とされています。
また、「医師その他の医療関係者は、基本理念にのっとり、血液製剤の適正な使用に努めるとともに、血液製剤の安全性に関する情報の収集及び提供に努めなければならない」と使い方や情報管理のことも定められています。
しかし、血液事業として集められた血液が、血液製剤になる以前にどう管理されているのか、細かい事柄の外側のだいじなところが、はっきりわかるようになっていないのです。
赤十字の事業に、管理の不安はないと思いたいからそう考えている、そんなことはないのでしょうか。
血液が届けられるドラマの画面を見ていて、サイバーテロやバイオテロへの防壁のどこかに、想定外のセキュリティホールがありはしないかとの不安が頭をよぎりました。
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