・・・・・・あわぞうの覗き穴・・・・・・

気が向いたときに、覗いてご覧ください。
何が見えるかは、覗く方々のお眼め次第です。

皮のうまさと実のうまさ

2012年12月01日 | つぶやきの壺焼

「まんじゅ買うたら皮やるわ」
十代のころよく耳にした級友のことばを、「皮」という字を見ていて思い出した。

餡の甘味のほうが、皮の旨みより上に見られていた、もののない時代のことだった。
いまなら、どちらを取るかと聞かれれば皮と答える。
餡は、中身のように見えても、やはり添えものだから。

食べものは、およそ皮に近い部分に旨みが集まっている。
そうでないのは、瓜の類ぐらいしか思い浮かばない。

人間が、とかく体裁を繕いたがるのも、皮の部分をよく見せようという心根がそうさせるのだろう。

ただ、皮が旨いと言っても、実の旨さと釣り合いが取れていてこそ、そのものが旨いのである。

ギョーザのCMで「モッチモチ」などと叫ばせているのもあるが、皮のモチモチしたギョーザなど、食えたものではないと思うのだが、どうだろうか。


老舗饅頭―創業百年以上 (Shotor Library)
本多 由紀子
小学館

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