「客の“モンスター”クレーム 従業員7割が悩む」
見出しにこう書かれたニュース記事があります。
そこには、労組が行ったアンケートで、文章になり損ねた文字列が、従業員らの悲痛な声として紹介されています。
・「だしがぬるく、交換を提案したところ、『水を入れて飲め、豚』とののしられた」
・「客が完食後に『まずかったからタダにしろ』と言われ、断ったら怒鳴られた」
「だしがぬるく・・・の文字列から意味がわかるのは、「ののしられた」という末尾6文字のみです。
切れ切れの言葉が並んでいるだけで、その場の状況が読み取れません。
「客が完食後に・・・のほうは、助詞を入れ替えて読み直さなければ、やはり意味が通じません。
幼児のおしゃべり同様の言い方しかできない、気の毒な表現の不自由は、はっきり話し、はっきり聞く能力を、店に出られる年齢になる前につけ損なったためでしょう。
「アンケートの自由記述欄には、従業員らの悲痛な声がつづられていた」と報じられていますが、悲痛さよりも滑稽さのほうが先に立ちます。
これでは酔客の暴言にただおろおろするばかりで、明るく言い返すこともできないでしょう。
労組が厚生労働相に、事業者が講じるべき措置を定める法律の制定を求めたとされていますが、なんでも法律で解決しようと考えるのは、集団脳枯固の異常現象です。
ある大学の先生は、『賢い消費者』を育成するための消費者教育なども必要とおっしゃっておられるようですが、消費者教育ではもう遅いでしょう。
ものの言い方聞き方話し方の教育は、小学校の基礎学習項目です。
労組だから厚生労働相に物申すというのも、タテ割り無融通のあらわれで、目指すべき相手にもう一つ、文科省をお忘れのようです。
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