競技で準決勝まで勝ち抜き、決勝戦に望む待機中に、選手がとるかたちはふたとおりある。
仕上げのストレッチに励む人、もっぱら精神集中に努める人。
ストレッチをしながらの精神集中もあるから、この言い方が紛らわしければ、体を動かす人と動かさない人。
どちらに重きを置くかは、勝つには力か技か、という競技の種類にもよると思う。
和太鼓の名手が、叩く前には必ず走る、と言っていた。
会場によっては走れないところもあるので、「その場跳び1000回」という方法を考え出したという。
勝つために、あるいは感動を与えるために、最も肝心な瞬間に力を出し切れること、それを考え、そのときの自分に最適の方法を見つけて実践できたとき、成功の機会に恵まれるのだろう。
体重計測後の1日の間に10キロも体重が増えるほど食べてしまう選手は、競技以前に空腹に負けてしまっているので、勝てる見込みはまずなさそうである。
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