もういい加減コレクションはいいだろうと思っていたのですが
値段も安かったので買ってしまいました。
今年10月に発売されたばかりのホヤホヤ本です。
日本消化器病学会の出した“患者さんと家族のための慢性膵炎ガイドブック”
膵臓がどこにあるかから始まり、
病状、診断、治療、予後までありとあらゆることが網羅されており
これ一冊あれば慢性膵炎のことは全部わかります。
わかりやすい内容か?と問われると少し疑問符はつきますが。(笑)
とりあえず字は大きいですし、読むのに時間はかかりません。
興味深かった内容を抜き出すと・・・。
○慢性膵炎の痛みの特徴として、食事の直後ではなく数時間後(時には12~24時間後)にあらわれる。
○慢性膵炎ではアミラーゼ・リパーゼの値があがるが、慢性膵炎が進行すると上昇するとは限らないので血液では確定できない。PFD検査で消化機能の低下を調べる。
○画像検査にはUS(エコー)、CT、MRI、EUS、ERCPがあり、EUSではUSで映りにくい膵頭部や尾部も比較的明瞭に映る。
○小型の膵石はアルコール性に多く、大型の石は特発性に多い。
○アルコール性膵炎のほうが膵石を合併しやすい。
○特定の遺伝子に変異があると大量飲酒をしていなくても膵石を作りやすい。
○ストレスは膵炎の発症に深くかかわる。
○非アルコール性の患者は腹部不定愁訴・不眠・頭痛・肩こり・筋肉痛を訴えることが多く、家庭や職場での問題を持っていることが多い。
○トリプシノーゲンの遺伝子異常は幼少期から急性膵炎を繰り返す。
○慢性膵炎と紛らわしい病気は膵がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胆石、胆嚢炎、機能性胃腸症、過敏性腸症候群など。
○非アルコール性の場合は喫煙が重要な増悪因子なので禁煙が大事。
○膵性糖尿病の血糖コントロールの指標は空腹時80~150,食後二時間が150~250。
本に載っていた、『慢性膵炎診療ガイドライン委員会』のメンバーを
以下に抜き出してみました。
膵臓専門医の方々ですね。
責任者
大槻 眞(産業医科大学名誉教授)
作成委員長
下瀬川 徹(東北大学消化器病態学)
副委員長
片岡 慶正(大津市民病院)
委員
伊藤 鉄英(九州大学病態制御内科)
大原 弘隆(名古屋市立大学)
神澤 輝実(東京都立駒込病院内科)
佐田 尚宏(自治医科大学消化器)
砂村 真琴(東北大学消化器外科)
竹山 宣典(近畿大学外科学肝胆膵部門)
成瀬 達(みよし市民病院消化器科)
宮川 宏之(札幌厚生病院第2消化器科)
オブザーバー
早川 哲夫(名城病院、名古屋大学名誉教授)
文献検索
山口直比古(東邦大学メディアセンター)
評価委員長
白鳥 敬子(東京女子医科大学消化器内科)
副委員長
杉山 政則(杏林大学消化器・一般外科)
委員
岡崎 和一(関西医科大学内科学第三講座)
小泉 勝(栗原市立栗原中央病院)
諸星 利男(昭和大学第一病理学)
小泉勝Drは『膵臓の病気』という
非常にわかりやすい本を出されています。
私の膵臓本コレクション。
この本でもう打ち止めにします。(笑)