バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

バイリンガルな人たち

2013-08-29 23:37:52 | NPO法人アルファバドミントンネットワーク
 NPOのカナダ遠征では,一緒に練習した選手の多くはケベック人。ケベックときたらフランス語でしょ。しかしよく聞くと,ケベックはケベックでも,全員モントリオール在住の人たち。
 本当にケベックはフランス語しか話さないのか,英語は全く通じないのかといろいろ調べたら、田舎に行くと全く英語が通じないことがあるが、多くは少しは英語はわかるらしい。しかしモントリオールに関しては、完全にフランス語と英語のバイリンガルだとのこと。
 さて真相やいかに。
 モントリオールの選手たちに対面しフランス語で話しかけると、「何でフランス語話すの!?」にはじまり、いきなり「イエーイ!」とハイタッチ。そこまでは良かったけど、こちらのフランス語は通じても普通のスピードで返されると聞き取れない。会話が速いだけでなく、ケベックのフランス語は独特のナマリがあるとは聞いていたけどその通りで、ひとたびフランス語で質問したら,ドバーッッとよくわからないフランス語で返ってくる。??の顔をすると、なんと彼らはですね、英語とフランス語チャンポンで話してくるのです。それに答えるこちらも英語とフランス語ごちゃまぜ。
 英語のほうが学習暦長いから単語量は多い。しかしフランス語の方が英語よりフレーズが出て来やすい。そんな私の会話はフランス語と英語がチャンポンになりやすく、フランス人に「エイゴ、混ざってない?」って言われる事もあった。そんなメチャクチャフランスエイゴを目の前の人たちも同じように使い、それでお互い通じている。変なの、この会話。そうやって何度か話しているうちに,なまりフランス語が聞き取れるようになって,適度にお互い英語まぜながらコミュニケーションとるという体験は、かなり興味深いものでしたね。

 彼らを観察していると、モントリオールの人同士の会話はフランス語。それ以外の人とは英語。完全に使い分けている。右向いてフランス語、左向いて英語。本当に完全バイリンガル!その中に11歳の少女がいて、その子は友達との会話はフランス語。お父さんとは英語。お父さんはチームメイトとはフランス語。その子にどうしてお父さんとは英語で話すのかと尋ねると、「英語を話す練習しているから。」
 ケベックの選手に一人なまりのないフランス語を話す人がいた。その人は標準語のフランス語を学習したとのこと。もちろん彼はきれいな英語も話し、日本語のフレーズを覚える事にも熱心であった。日本語の会話ブックを持ってきて、正しいイントネーションを教えてほしいと言ってきたフレーズは「あなたはきれいですね。」日本語は文節で区切り少し上げながら言い最後は下げると説明すると、彼は早速日本人女性を捕まえて使っていた。私に使わずに,他の人に。まあそれはそれとして。するとその女性が返したのは、「日本ではそういうことを言う男の人は軽い人だと思われますよ」ってちょっと手厳しい。すると彼は「ウッソー」ってフランス語で返してきた。
 その彼とは、私はフランス語で話すから,あなたは日本語で話しましょうと昼休みや夜は会話練習タイムにもなった。
 そんな彼は覚えたばかりの日本語を使ってきた。「ビールノメ!」いえいえ、それは丁寧な言い方ではないから、「ビールノンデクダサイマセ」の方が良いと教えた。するとではこれは日本語でなんて言うのかと聞いてきた。Je m'exuse. これでぴったりなのかよくわからないけど、それは「問答無用」であると教えた。すると彼は「ビールノメ モンドウムヨウ」をあちこちで使い、笑いをとっていた。
 
 外国語っておもしろい。通じるともっとおもしろい。使ってなんぼ。


最後に自分の言葉でまとめる

2013-08-29 20:42:30 | バネ
 夏期講習が昨日で終わった。
  
 毎年、夏期講習などの特別講習の時は、事前に受講生の課題と目標を設定しそれらを書き出し各人のファイルに綴じ込む。そしてそのファイルに個別の授業記録を残している。学習した内容。理解できなかったこと。定着不十分なこと。小テストの結果など。

 バネ始めた頃はこのような記録はそれほど必要でなかった。それはいちいち書き出さなくとも、ファイリングしなくても、誰に何を教えて、どれくらい理解できて、テストは何点で、だから次回はどんな授業が必要だということ、そんなこと忘れなかった。たとえ途中何日か休みが入っても。
 しかし最近は数日休みが入るどころか、前日のこと、もっというと午前中のことすら忘れてしまう危険性がある。だから些細なことでもメモをとらないといけない。手帳に予定を書き込む人を見て、「マメだな」と思っていたけど、最近それは忘れないためにやっているのだと実感するようになってきた。

 今年は同じファイルを生徒さん本人にも渡した。
 そのファイルにはこちらで設定した個別の課題と目標が書かれ、スケジュール表を挟み込んである。さらに、毎日の学習の記録記入用紙を綴じ込んでいる。何を学習したか。小テストの結果はどうだったか。授業の終わりに5分間の記録時間を取った。 
 浦島太郎自衛策のための記録ファイル、いわゆる先生のアンチョコみたいなものを生徒と共有するのはどうかな?と思っていた。しかし意外にも皆ファイルを大事にしている。みな大まじめに記録をつけている。学習内容箇条書きするだけでなく、覚えた解き方をまとめている子もいる。
 これはいいね。次の講習でも使おう。というより毎回の授業でもやろう。
 その日やったことを最後に自分でまとめるという行為。学習の定着が深まるではないですか。
 

伸びた分を切るということ

2013-08-29 11:28:10 | ガーデニング
 美容師さんというのはたいてい髪を切りすぎる。あーあ、何でこんなに切るかなーっていうくらい切られたことが何度かある。だから「耳が少し見えるくらい」、とか「前髪は眉と眼の間で」などと具体的に告げる。それでも危ない感じがするときはスタイルブックを広げて「これくらいの長さで」と訴える。こういうやりとりが嫌なので、「伸びた分だけ切って下さい」で通用する馴染みの美容室しかいかなくなって久しい。
 伸びた分を切る。床にバラバラって落ちるのは痛んだり弱ったりした古い毛先。言ってみれば過去に生まれた髪。天空にまたたいている星の光は過去に生まれた光であるように、今床に落ちた髪は随分昔に生まれた髪。

 暇でぼーっとしているときは部屋の掃除スルーするのに、忙しい時ほど部屋の隅の埃が気になってソファどかして掃除機かけたりワックスかけたくなるのと一緒で、運転中に通りかかった道ばたの生け垣が伸び放題になっているのを見ると気になって仕方がない。剪定ばさみ持ち込んでジャキジャキ切ってあげたくなる。そのくせ家にいる時は、自分の家の生け垣は平気でスルーしてしまうのだから。
 しかし、今回は違う。
 門扉のクチナシの木が伸び放題になっている。郵便受けの中まで葉が進入している。そうだよ、今これ剪定しようよ。衝動に駆られてもできるはずのない(他人の家の)木を切りそろえるというその行いが、今自由にできるではないですか。しかも木は目の高さだから楽に気持ちよく切れるではないですか。

 このクチナシの木は艶々した若葉が美しい。葉は柔らかいらしく芋虫の宝庫となっている。新芽が出て若葉がふいても、一晩でその新しい葉は食べ尽くされることたびたび。伸びては食べられを繰り返すから、いつまでも花をつける。そして玄関周りに香しい芳香を漂わし続ける。そんなクチナシと芋虫と私のバランスがとれ自然の成り行きに任せていたのに、しばらく家を留守にしていたからなのか木が伸び放題になっていた。 

 伸びた分を切り落とす。新しい先の枝は緑鮮やかで美しく柔らかい。その緑と茶色の境目にハサミを入れる。サクサク切れるのでものの数分でまるで床屋に行ったばかりの小学生のようなクチナシになりスッキリした。そして根元には伸びた新しい枝葉が散乱した。

 髪みたいに古い傷んだ部分を切り落とし、新しい部分を残す方法はないのだろうか。
 伸びた分を切る。
 二日後には剪定した枝の間から黄緑の新芽がぽつぽつと出ているクチナシの木を眺めながら、当たり前なことに気づいた今日この頃。