バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

それぞれの一大事

2013-08-21 23:39:56 | ライフスタイル
 カナダから帰国し,翌日から夏期講習第2クールに突入し,バタバタ数日過ごし,長野合宿に出発し、ワーッと過ごしているうちに合宿終了し帰宅し、また明日から夏期講習第3クールが始まる。
 事務的にスケジュールが消化されていく感じ。あーして、こーしてと。
 しかし若者にとっては共有した体験が,大きなチャレンジだったりするのです。
 カナダに行くこと。長野まで一人で新幹線に乗って行くこと。一人で他人の家にステイすること。自転車で長野まで行くこと。山に登ること。キャプテンとして新チームを引っ張ること。
 へー、ふーん、って流してしまいそうなことだけど、彼ら彼女らにとってはそれぞれに一大事で、ドキドキものなんですよね。

 一人で新幹線に乗って長野合宿にやって来た彼女。過去にもそうやって参加した子から聞いていたので、高校生にとってそれは一大事であるということは知ってはいる。無事到着し,高揚した表情を認めたけど大げさにその気持ちに寄り添わずそれとなく労をねぎらうと、「実は」と彼女は堰を切ったように話し出した。「一人で新幹線に乗るのは初めてで緊張しました。最初切符の買い方わからなくて,人に聞いちゃいました。」
 自分も高校3年生で一人旅をした。それは受験。一人で東京に向かった。そして上野から乗った在来線で「この電車に爆弾が仕掛けられたとの情報があったので降りて下さい。」と車内放送が流れた。他の乗客は別の線に乗り換え,ホームにほとんど人は居なくなり,なす術を知らない私は一人ホームに残った。しばらくすると「爆弾は発見されませんでした。」とアナウンスがあり、そのままホームに残っていた乗客数名と電車に乗り直すと、電車は何事もなかったかのように走り出した。これが東京一人旅のスタート。更に、何度も確認したはずの受験票を家に忘れるとう失態に気づき,都会の雑踏で透明人間のようになっていった自分。
 彼ら、彼女らがこれほどの思いはしていないだろうと思う。いや,しているかもしれないとも思う。一大事はその人それぞれであって、大人になってそう言えばあの時って思い出して初めて人に話すように,渦中は口に出して言うでもなく、一人心にしまい、時には歯を食いしばり,時には苦笑いし,そんな風にやり過ごすもの、かな。