バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

一生に飼える犬の数

2014-12-22 18:49:19 | ライフスタイル
 エリが亡くなった時「バンちゃんいるから、ペットロスにならなくていいよね」って近所の人に言われた。
 確かに大丈夫だった。一歩庭に出れば「あそぼ、あそぼ」ってバンが腰振って来たし、いつも足下にまとわりついていたから、ネコがいなくなった寂しさを感じることはなかったかもしれない。
 そんなバンが急激に年老いて、寝ていることや家の中で過ごす時間が長くなってきた。徐々に老いが迫っている。老いとは、できていたことができなくなること。人間は、「あー、俺も年取ったなー」って頭で理解し老いを受け入れることができるけど、犬にはそれができないでしょ。
 膝が痛かったり首が凝るから整体やマッサージ通ったけど一向に改善しない。先生は毎週通わないとだめだと言うけど、何度か行くうちにこれは関節が固くなってきたせいだということに気づき、マッサージに通うのをやめた。整体院では「これは老化ですね」なんてことは言わないけど、自分でそうわかってしまったから、これは自分で対処できると思う。
 人間はこんな風に、多少遠回りしても老いに気づき受け入れることができる。じゃバンは?

 バンが起き上がる時、「キャーン、キャーン」と叫んだ。一体何事かとビックリして医者に駆け込むと、処方されたのはグルコサミンやコンドロイチンが入ったジャーキーだった。薬嫌いなバンに、医者から出されたジャーキーをだましだまし食べさせ数日したら鳴かなくなった。ジャーキーのおかげでスッとなめらかに起き上がれるというわけではないけど、泣き叫ぶほど痛くないみたいだ。このジャーキーを出しながら先生は、「これは気休めですけどね」って言っていたから、これを数日食べたから改善したとも思えない。強いて言うならバンが痛みに慣れたということかもしれない。ヤツなりに老いを受け入れたのかも。多少痛いけど、こんなもんでしょって。いつもなら楽にヒョイって飛び乗る縁台に、前足かけて躊躇している姿はバンの悟りを物語る。

 こうやってバンとの日々を過ごし、人が一生の間に飼うことのできるペットは案外少ないってことに今更ながらに気づいた。
 ネコだって犬だって一期一会。


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