バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

自由より規則で固めようか

2012-10-18 15:54:25 | バネ
 自由っていいよね、てなわけない。
 自制がきかない小中学生は、自由に弱い。

 高校時代制服がなかった。以前はあったけど、先輩達の運動により制服自由化は生徒が勝ち取った権利だそうだ。だそうだというのは、入学式翌日、生徒総会で3年生のお姉さんがそのようにおっしゃったから。そしてそのお姉さんはこう続けた。「せっかく勝ち取った権利だから、制服は着てこないように!」
 周りを見回すと制服の同級生が半分はいたかな。制服がないのに、なぜ制服を着てくるかというと、以前の制服はそれなりに愛用され売られているのです。
 自分は、着なくていいなら買う必要ないと制服は買わなかった。「でも制服くらい」と母は言い、知り合いの卒業生からお下がりを譲り受けてきたけど、それは古めかしく重たい生地のものだったこともあり、一度も着ることはなかった。
 実はこの後、「制服を着てこないように!」とことさら強調した先のお姉さんのことばの意味を痛く理解したのでした。

 制服がない。服装自由と言うことは、何着てもいいけど、高校生らしい選択をするためには何着てもいいって訳じゃない。そこに季節感も加わる。さらに、センス。もう一つは人とかぶらないこと。こんないろいろなことを毎日要求されるんだから、私服って楽じゃない。
 長野の季節の変わり目は特に状況厳しい。朝家を出るときはものすごく寒い。でも昼はそこそこに気温が上がる。じゃ、何着てくんだ?ってなる。毎日同じもの着ていくわけにいかない。でも次から次へと服買えるわけがない。(そもそも洋服の価格って、今以上に高かったような気がする) やっとの思いでイトーヨーカドーで買った服を、翌日スクールバスで隣の子が着ていた時の気まずさ。大金はたいて買った服を、次の週、商店街のバーゲン品で路上に吊されていた惨めさ。「かわいそー」という友達のことばが更に追い打ちをかけ、その服は封印。
 明日は何着ていこう。少ないワードローブをソックスに至るまで循環させ、工夫したあの日々。
 安易に制服に流れてはいけない、と誓った入学式の翌日があるから、そんな苦労は工夫に変わり、私服生活に慣れた頃。ちょっと愕然としたことがあった。
 修学旅行の時。バッグに入れた私服はシワクチャになる。しかし毎日同じ服というわけにはいかないから、いくつかのアイテムを苦心して持って行った。しかし、なんたることか。この時駅に集合した多くの同級生は制服を着てきた。「制服のほうが楽だもん!」 いつも私服派の人も、「実は入学式の時買ってあったんだ」って制服で登場。結局、みんな制服持ってたんかい? 
 楽とかそういう価値観で、あのときのお姉様のお言葉を裏切るのか、そんなことでいいのか!なんて心で啖呵を切り、一人私服で意地を通したのでした。もちろんその後卒業式も、私服。意地を通すのは、楽じゃない。

 そう、自由を得ると、意地をとおすことが必要になるんです。
 
 おい、中学生よ。
 自由だから何してもいいって思うでない。
 バネの時間も曜日も自由でいいんだから、適当に行けばいいってだらけてる君。
 なんのために中学生の時間も曜日も自由にしているか考えて欲しい。
 それは部活動と塾を両立できるようにするためでしょ。
 乱す人がいると、そこに規則が生まれる。
 
 自制できないなら、規則があった方が楽ということですかね。

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