最近メンテナンス関係の修理が多いですが、排気圧が左右で異なるケースと別件で、クラッチ板交換を行いました。
排気圧がマフラー左右で異なる症状ですが、難しいのが、スリップオンの2本出しのケースです。Vmaxの場合、後2気筒のエキパイがクロスしていますので、左側のスリップオンは、左前側と右後の気筒が集合され、右側のスリップオンは右前と左後が集合されています。爆発順番がV型で、左後、右後、左前、右前のため、右側の排気は、少し排気タイミングが重なります。正常でも左右のマフラーの音と排気圧力が違ってきます。
今回、エンジン始動時のバラつきがあり、状態として、エキパイ温度、プラグの焼け方の違いも有りました。オーナーと相談の上、サイレンサーをノーマルに戻し、キャブレターをオーバーホール、点火系取付修正を行い、キャブレターの同調を行いました。

各気筒の負圧とプラグの焼けが揃ったので、エキパイ温度を測りました。ちなみにプラグは、オーナーの希望により交換していない状態なので、若干色が違います。

測定に使用したのは、私物ですが、放射温度計です。非接触でレーザーポインターのあたっている部分の温度を測定できます。表面温度しか測れませんが、エンジン各部の表面温度やタイヤ表面の温度を測定して参考にしています。

エンジン始動前です。工場の気温と同じです。

暖気が終わったぐらいで、排気ポート出口付近です。前後で構造が違いますが、何ヶ所か測って各気筒のバラツキをみています。燃焼状態が良ければ、大体揃います。排気温度を直接測れませんが、参考にはなります。
ちなみに、スリップオンのマフラーの場合、マニホールドの負圧は、前後の気筒でずれます。後2気筒の方がエキパイが短いので、背圧が掛かりにくい為です。
別の車両のクラッチ板交換ですが、その際に、シフトのドラムの部品を対策後のものに交換しました。

外した部品です。今回は、破損していませんが、今後のこともあり交換しました。押さえているプレートが曲がった場合、ピンが抜け、シフトが出来なくなります。純正のシフトペダルの場合は、あまりおきませんが、バックステップに交換し、ペダルの作動がよくない場合、チェンジロッドの爪に引っかかり曲がる場合があります。

交換後の写真です。

クラッチスプリングは、ダイヤフラムタイプで、スプリングの押さえが8ヶ所あります。ただ、止めているボルトが6本の為、引っかかる柱の部分が6ヶ所です。写真の通り、8ヶ所が全て均等に押さえられないため、丸いプレートに負荷がかかり変形します。今回は、圧着力を高める為、プレートを2枚にし、変形を抑えました。簡易的な強化クラッチスプリングです。

わかりずらいですが、丸いプレートが2枚入っています。これによりスプリング強化と同じ効果の為、メリットは圧着力向上、デメリットは、クラッチレバーの操作感が少し重くなります。
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